第4次元:業界という生命体の目標設定について③

先までは、第1~10次元における方向性について見てきた。今度は、具体的な目標設定にまで踏み込んでみたい。目標設定が出来れば、どうやって行動すれば良いか、メドが立つのであろうから。

 

なお、繰り返し記載するが、我々は1つの次元だけに意識を置いているようでは、上手く立ち回ることができない。常に4つも、5つも、多ければ10もの次元を同時に意識していくことで初めて、上手く立ち回ることが出来るのである。それゆえ、これから1つずつ、各次元での目標設定の立て方を記載していくので、実際にやってもらいたい。同時に意識していくことはとても難しいのだが、やっていくことで少しは慣れて出来るようになってくるのだから。

 

今回も、第4次元:業界の目標設定の続きを見ていきたい。先に、課題を見いだし、その課題を解決するための道しるべを見いだし、いかにして目標設定をするかということを記載した。

 

道しるべとして、人材業界は、”主婦層”のレベルアップと”ダイバーシティ経営”が、課題なのである!主婦層となった方々は、長期間、社会から断絶されるということになったため、事務系人材派遣の仕事に登録し、就業しているという人が多かったというのが実態であろう。よって、この主婦層の方々に社会進出してもらい、さらに旦那さんと同レベルの仕事をこなしてもらうまでにレベルアップを見込むためにも、各企業のダイバーシティ経営が重要になってくるということが道しるべなのであろう。

 

 

・女性の社会進出についての問題点 以下、こちらより抜粋。

少子高齢化に伴う労働人口の減少により、企業では優秀な人材の獲得が今後ますます難しくなる見通しである。そこで重要となるのが女性の活用。しかし、女性が活躍する組織づくりは難しく、意識の面では進んでいても制度や仕組みが追いつかないという現状がある。企業が女性の活用を推進するために必要なことは何であろうか。

 

日本の女性は、世界と比べて大学進学率も高く優秀だ。しかし、企業における女性役員の比率は圧倒的に低く、わずか1.1%。先進国では最下位のモロッコに次いで2番目に低く、1位のノルウェーと比較すると30分の1以下である。また、出産で7割の女性が辞めているという事実もある。

 

女性役員の比率が低いと、決定権を持つ女性が少ないために、女性活躍推進のための制度は男性には理解されず、基本的に拒否される傾向にある。また、少子高齢化による労働者不足の点から見ても、女性社会貢献は必要であろうし、時代の流れとして、アイデアや感性が必要とされてくるであろう。お客様に対するホスピタリティやアイデアなど、女性らしい感性が男性の力と結合することによって、新しいサービスや価値が開拓されていくことが考えられるからである。その意味でも女性の管理職が増えることは重要で、男女半々の比率が理想であろう。

 

・女性活用を妨げる3つの問題とは

女性活用が進まない原因は3つある。

◆1つ目はキャリアプランが描けないこと。優秀な女性が出産後に仕事場に復帰しても、ルーティンワークしかさせてもらえず、キャリア形成を諦めるいわゆる「マミートラック」に陥り、退職してしまう女性が多いのではないか。

◆2つ目は組織の中にロールモデルがいないこと。男性は社長や役員になるなど、キャリアを長期的に描いている人が多い。同様に、女性も大きな夢を描けるような会社にすると、いい流れができるはず。

◆3つ目は「時間がない」ことである。子育てと仕事を両立するのは本当に「しんどい」。時間がないゆえに会議に参加できないとか、スケジュール通りに仕事が終わらないこともあるだろう。

 

じゃあ、どうすればいいのであろうか? 実際には、この3つの問題は全て解決可能だ。まず重要なのは、出産前マネジメントであろう。産休を取ってから、復職後のことや今後のキャリアを描くのでは遅く、経営者としては、出産前から教育しておくことが必要である。社員に「女性は独身時代が一番仕事ができる。だからこそ、いかに独身時代に周囲の信頼を勝ち得ておくか。『信頼貯金』の残高を増やしておくかが重要だ」と言い聞かせておくのも良いかも知れない。これは、女性だけの問題ではなく、介護休暇後の復職など、働く人全てに関わる問題である。コンディションのいい時に信用貯金をして、戻ってきて欲しいと言われる人材になるよう教育することは、上司、経営者の大切な仕事であろう。

 

もう1つは復職マネジメントであろう。あまり長い産休はポジティブには働きづらいと考える。もちろん、一人一人によって状況は違うと思うので、出産後の会社との距離感の保ち方が重要である。経営者は、会社との距離を遠ざけすぎないため、定期的にコミュニケーションしたり、社内のイントラネットに自宅からアクセスできるようにするのは効果的である。テレワークで何らかの業務に従事し、会社と付かず離れずの距離を保つことによって、復職時の不安を軽減するとともに、スムーズに仕事に戻ることができるだろう。グループチャットを活用して、産休や育休中もコミュニケーションを取り、希望すれば、自宅でできるリサーチなどを手伝ってもらったりすることも効果的だ。

 

さらに、女性がもっと活躍できるようするために企業が取り込むべきことは、「集中して働ける時間」を得られるように支援することであろう。具体的には、女性が家事と育児から開放されるよう、両親や義両親へアウトソーシングできるサポートをすることである。それは企業の役割ではないと思うかもしれない。しかし現実には、保育園や保育士は不足し、待機児童問題は解決の目途がたたず、女性が働く時間を手に入れることは難しいのだ。例えば、両親や義両親が近くに住んでいるというのであれば、家事や育児をお願いできる場合が多い。昭和の時代は、サザエさんのような大家族が普通であった。今のような核家族が普通な社会では、両親や義両親が同居しているというケースは少ない。だから余計に社会進出を難しくさせているのであろうが、解決方法は、一緒に住まなくても、両親や義両親の近くに引っ越すだけで良い。そうすれば、両親や義両親へアウトソーシングできる場合が多いのだから。

 

また、女性リーダーのマネジメントとして、マネジメントゲームなどの外部の研修や女性リーダーのネットワークなどに参加してもらい、女性リーダーとしての自覚を学ばせることも重要だ。ロールモデルを外に見つける機会を与えることで、内向きにさせず、会社全体の視界も広げていくことが重要である。労働人口の減少が進む中、今のうちに優秀な女性を確保して、女性管理職が生まれる流れを作っておくと、今後非常に有利になる。女性が活躍する土壌を作るには、採用面を強化するだけでなく、女性が復職しやすい取り組みを行っている、女性のキャリアプランをしっかり描いている、そして女性が働く時間を確保できるように家事や育児の両親や義両親へのアウトソースを支援しているといった事例を今から作っていく必要があるのだろう。

 

ワークライフバランスについて

ポイントは最初にどういう目標を設定するかだ。妊娠、出産、復職という節目で会社としてどのようなプランを提示できるか。それができれば、女性が活躍する組織は自然に生まれやすい。日本がもっと元気になるには、女性が生き生きして誰もが子供を生みやすい社会になること。これが一番であろう。結局は女性のロールモデルが乏しいということが問題なのだ。男性のような多種多様なロールモデルがあれば、選択肢が増えるし、モチベーションもアップする。しかし、ロールモデルがほとんど無ければ、諦めるし、モチベーションも下がるのであろう。

 

日本国のロールモデルが、『企業で働く=長時間労働』というモデルであり、これが出産・育児と仕事の両立を難しくしているといえるのかもしれない。 反対に、先進国の中では、ドイツの女性の社会進出率が高く、出産後も社会復帰も容易になっている。ワークライフバランスを重視した考え方が進んでおり、働き方からして日本とは大きく異なっている。こちらを参照

 

例えば、上司は、フルタイムの人と短時間勤務の人の2人を 1人として業務指示を出す。 上司が 60%と40%などと業務を配分するわけではない。業務の配分や遂行の仕方は 2人で話し合いながら決めていく。メールアドレスはプロジェクトのものがあり、2人が共有できる。 互いの業務内容や期限について確認し合いながら業務を遂行するなどだ。

 

このように、チーム全体、プロジェクト全体、会社全体で、短時間勤務の人を受け入れる土壌を構築し、調整し合いながら業務を進めていくような体制が構築できれば、上手くいくのであろう。こういうこともせずに、女性の社会進出だ、ワークライフバランスだと個人任せにしていても、一向に進まないというのが現実なのであろう。

 

 

いかがであろうか。ここまで具体的な課題が見いだせれば、どのように解決していけば良いかの目標設定が立てられる。その目標に向かって行動計画も立てられる。具体的な行動計画を立てられないから人は動けないのである。ここまで具体的に課題が見えれば、解決策はもう目前だ。次回、行動計画について記載していきたい。