第5次元:産業という生命体の目標設定について④

先までは、第1~10次元における方向性について見てきた。今度は、具体的な目標設定にまで踏み込んでみたい。目標設定が出来れば、どうやって行動すれば良いか、メドが立つのであろうから。

 

なお、繰り返し記載するが、我々は1つの次元だけに意識を置いているようでは、上手く立ち回ることができない。常に4つも、5つも、多ければ10もの次元を同時に意識していくことで初めて、上手く立ち回ることが出来るのである。それゆえ、これから1つずつ、各次元での目標設定の立て方を記載していくので、実際にやってもらいたい。同時に意識していくことはとても難しいのだが、やっていくことで少しは慣れて出来るようになってくるのだから。

 

今回も、第5次元:産業の目標設定の続きを見ていきたい。先に、具体的な目標設定を行った。

どのような価値の商品やサービスを提供しているのか認知されることを優先しなければならない。新しい企業の新しい事業ほど、誰もその価値を知らない。広告を運用し、価値を認知してもらうことが集客力を向上させるための基礎的な行動である。この基礎行動を、店舗単独でやるのか、それとも他の店舗と連携を取ってやるのか、それとも、地域を巻き込んで地域おこしのような形でやるのか、いろんな方法がある。今の小売業の課題として、その連携がまったく取れていない事が問題なのであり、連携が取れた場合のメリットが十分に感じられないから、連携しないのかもしれない。まずは、認知されるために、どのように連携するかをもう少し掘り下げていく必要があるのだろう。この課題を解決していくことが当面の目標なのである。

 

この目標に対して、どのように行動すればそこに到達できるかを考える。そのプロセスを考えていくということだ。それには、小目標を設定し、目標に至るプロセスを細分化していくことが重要なのであろう。さもなくば、目標が遠すぎて、モチベーションが上がらず、具体的にイメージすることも難しいのだから。逆に、細分化することで、まずは小目標①を目指そう、次は小目標②を目指そうという具合に、少しずつ段階を踏んで目標に近づいているという実感が湧けば、モチベーションが湧いてくるハズだ。

そこで、まずはかろうじてイメージが出来る程度のところに小目標①を設定すると良い。かろうじてイメージできるところとは、どこであろうか?それは店舗単独で広告を打って認知をして貰うという手法では無く、もっと異業界の店舗どおしが連携をとって認知を高めることが必要なのだろう。なおかつ、認知の後は店舗にてリピート顧客にもなってもらえるような仕組みにするにはどうしたらいいのか?まずはそこを小目標①としたい。

 

・Tポイントについて こちらより抜粋

販売促進や顧客満足度向上のために、割引キャンペーンやポイントカードを導入する小売店は多いと思う。これまでは、店舗独自の工夫によって運用していくものだったが、昨今では大手の提供するポイントサービスを導入するお店が増えている。自社だけで行うことに一定のメリットはあるものの、ポイントの管理や企画を立てる手間、そして周知させるコストなどを総合的に考えると、大手共通ポイントの方に軍配が上がる。「そのお店でしか使えないポイントはいらない」、「ポイントカードがいくつも増えるのは困る」という人もいるため、消費者側のメリットを考えても、自然な流れなのかもしれない。

 

Tポイント提携店になると、TポイントのロゴやさまざまなSPツールを使って、「Tポイントが使える・貯まるお店であること」をプロモーションすることができる。6,000万人以上が会員となっている、知名度が高いTポイントだから、独自のポイントサービスには無い集客力が期待できる。提携店になることで、当然ながら費用がかかるが、独自の割引施策や企画運営・管理コスト、集客のためにかかるコストなどと総合的に比較すると結果的にはTポイントで運用するコストの方が安く済むというケースもある。

 

いくつもの業種にまたがって共通のTポイントを貯めたり利用したりできるのが特徴で、1社のみのポイントにはなかった利便性をアピールし、加盟企業数と利用者数を急伸させた。それが今、曲がり角を迎えているという。なぜなのか。以下、こちらより抜粋

 

三越伊勢丹グループ、ドトールコーヒー、ヤフーの通販サイト……。業界を代表する有名企業が次々とTポイントから離脱したり、離脱を表明したりしている。Tポイント陣営の代表格とされるファミリマートのように、利用者がTポイント以外のポイントも選べる「マルチポイント」にシフトする企業も現れるなど、関係者の間では「盤石に見えたTポイント経済圏が崩れるのではないか」と話題になっている。

 

Tポイントが何がすごかったのか?それは、顧客データを分析したレポートの提供を受けられることであろう。Tポイントの場合、CCC側が導入企業や店舗におけるTカード利用者の傾向分析や商圏分析マップ、性別・年齢別分析グラフ等をレポートとして提供する。企業はこれを基に、自社の商品・サービスの改善策を練ることができるのである。CCCなどの運営企業にとっても、このデータは非常に重要なものだ。様々な業種・業界の企業から集められた顧客データに会員IDを紐づけることで、正確な顧客像(顧客ニーズ)を把握することが可能になる。Tポイントカード経由で得られた膨大な購買データをもとに利用者(消費者)の実態を理解することが、新たなキャッシュを生み出す企画(導入各社の横断的なサービスなど)につながっていくわけである。これは同社にとって「競争力の源泉」とも言える。CCCにとって、こうしたデータは、加盟店から得られる手数料などの収入と同様に「必要不可欠」なものと言える。

 

共通ポイントをめぐっては、CCCのほかに、三菱商事系のロイヤリティマーケティングPonta)、楽天楽天スーパーポイント)、NTTドコモ(dポイント)の各陣営が激しい競争を繰り広げている。CCCがTポイントを始めたあと、10年にロイヤリティマーケティング、14年に楽天、15年にドコモがそれぞれサービスを開始した。最近は、新たなライバルも台頭している。その代表格が、PayPay(ペイペイ)やLINE Payなどスマホ決済サービスである。Tポイントなどが商品・サービスの購入に対する「プラスアルファ」的な位置づけであるのに対し、スマホ決済サービスはお金のやり取りに介在する点で異なる。

 

しかし、顧客の購買データを集められる点は同じである。双方とも利用者へのポイントの付与をアピールポイントとしており、現時点では、Tポイントと決済サービスの双方のポイントを獲得できるが、データによるマーケティング手段を提供する企業としては「競合」となるのである。このように共通ポイントサービスが「曲がり角」を迎える中で、最も苦境を伝えられるのが、この分野の代表格とも言えるTポイントの陣営なのである。マルチポイント化や利用者の「使い分け」が進めば、一つの共通ポイントから得られるデータの総量は減り、その分、価値が下がる可能性がある。特定のポイントサービスに依存する形でデータ提供を受け、それに基づいて集客や商品開発を検討していた企業にとっては痛手となる。

 

企業側がマルチポイント化を選んだ場合は、複数のポイントサービスのデータを活用する道が開ける可能性があり、顧客を理解するための判断材料が増える。ポイントサービスの先駆けであるTポイントにとっては、独占状態を維持するのが難しい状況だと言える。導入企業の離脱でTポイントを使えるお店が減れば、利用者にとっては当然、不便につながる。「より便利な別のポイントサービスを」と望む利用者が増えることも考えられる。ユーザーの減少は、導入企業にとっての魅力低下に直結し、離脱を検討する企業が増える――。まさに「負のスパイラル」に陥ってしまう可能性があり、CCCが有効な対策を打てなければ、競争力の源泉とも言えるプラットフォームが弱まっていくかもしれない。

 

 

・キャッシュレス決済 こちらより抜粋

キャッシュレス決済、電子決済とは、商品またはサービスの代金の決済を、硬貨や紙幣などの現金で支払うのではなく、電子的貨幣価値のデータの送受信によって行う仕組みである。世界で最も「キャッシュレス化」が進んでいるスウェーデンでは、スウェーデン・クローナの通貨使用率が2%となっている。このような動きは世界中で加速しており、日本国も同様なのであろう。

ありとあらゆるサービスや売買が、電子化されていく。その決済は、スマホにて集約されていく。子供から老人まで、スマホを扱えないと、決済が出来ないような時代に近づいている。このような電子貨幣は、下記のような多様な種類があるが、圧倒的注目を集めているのがソフトバンクのPayPayだ。これは、電子マネーよりも、QRコード決済が今後は主流になっていくのであろうから、その主役に躍り出ているのが、PayPayということだ。

 

 

なぜQRコード決済が主流になっていくのか?QRコードを決済に使うというアイデアは比較的昔からあり、例えば2013年初頭にMastercardが発表した「MasterPass」というサービスでは、店頭での支払いオプションとしてNFCの代わりにQRコードを採用していた。現在ブームの火付け役になっている「Alipay(支付宝)」や「WeChat Pay(微信支付)」が2013年から2014年にかけて中国でローンチしたことを考えれば、大体この時期に実用的なサービスが出現し始めたといえる。WeChat Payなどの場合、小売店舗決済を可能にするアクワイアリングがインターネット事業者にも開放された2013年のタイミングで、既に送金サービス等でQRコードの活用が進んでいたという面も大きいだろう。

 

米国で小売業者が共通の決済サービス導入に向けて連合を組んだ「Merchant Customer Exchange(MCX)」の発足が2012年だったが、ここで導入された「CurrentC(カレンシー)」というサービスで採用されたのもQRコード方式だ。当時は2010年ごろに盛り上がり始めたモバイルNFCの仕組みに暗雲が漂い始めていた時期であり、モバイル端末へのNFC標準実装があまり進んでいない状態だった。

 

そのため、デバイスを選ばずに決済が行えるQRコード方式が選ばれたという背景がある。後の2014年にAppleから「Apple Pay」が発表され、再びNFCに脚光が集まったが、この時期に登場したサービスには「あえてNFCを選ばない」というものが多くあり、当時の状況を勘案したものだと考える。現在もなおAppleiPhoneNFC機能を決済向けに開放していない現状を鑑みれば、モバイルOSのプラットフォーマーではない一事業者がサービス展開をするにあたって、QRコード方式というのは対応プラットフォームを増やすうえで重要な選択肢なのだ。

 

「新たなQRコード決済(バーコード決済)への対応はPOSにアプリケーションを追加するだけ」であり、あらゆる業界はAlipayの他に楽天ペイ、LINE Pay、d払いにも対応をしている。「もともとインバウンド対応に熱心な業界ほどQRコード決済の導入に興味を示す傾向がある」ため、この恩恵を受けやすいドラッグストアチェーンでの対応が一気に進んだという背景がある。

 

 

・キャッシュレス決済の未来

安倍政権当時、消費税10%増税時の景気対策として、キャッシュレス決済の導入によるポイント還元を打ち出した。政府の「未来投資戦略2018」は、「キャッシュレス社会の実現」について述べ、「2027年6月までにキャッシュレス決済を倍増し、4割程度とすることを目指す」としていた。

 

ソフトバンク等のプラットフォーマーは巨大化することにより、個人情報を蓄積し、市場において支配的地位を占め、その乱用が問題になる。「個人情報の漏えい・プライバシー侵害」などにどう対処するか対策が欠かせないのだが、日本国では、巨大IT企業への規制強化に向け、ようやく検討が始まったばかりで大きく立ち遅れている。「Tカード」の情報が令状もなしに捜査当局に提供されていたことが分かり、問題になっていたが、前提となる個人情報保護の環境整備もないまま、ICTやAIの拡大が進むことには大きな問題がある。

 

結局は、スマホ決済に集約されるということは、個人の履歴が全てプラットフォーマーに把握され、売買されるということなのだ。そのうち、給与までPayPayで支払われるということになると、スウェーデンのように、現金がほぼ流通しなくなり、ほとんどが電子マネーや仮想通貨という時代になっていく。しかも、何時何分にどの店で洋服を買って、何時にお酒を買って、何時に飲食店で和食を食べて、というように、行動履歴が全て把握される。この人は和食をよく食べるので、であれば和食のクーポンを多めに発行しよう!とソフトバンクのAIが判断すれば、その人に和食のクーポンが配布される。

 

このように、ありとあらゆる行動履歴や収入や貯金残高までもが、プラットフォーマーに把握され、民間企業に売買されていくのであるから、恐ろしい。やたらと朝の時間にコンビニでお酒を買う行動履歴が多い人は、製造業などの夜勤なのか?と行動履歴から推測され、こういう人には昼でも寝られる安眠グッズや安眠枕などのクーポンが有効かもしれないし、さらには遮光カーテンや防音壁のリフォームなども有効かも知れない。とにかく、行動履歴からその人の生活パターンが推測でき、ありとあらゆる小売業の各業種が、この人に営業をかけていくためにクーポンや広告をスマホに配信するという具合だ。

 

皆は気づいているのだろうか?やたらと自分にお酒のクーポンが届くなあ。。とか、深く考えない人は気づかないのかも知れない。自分の行動履歴がすべて把握されており、どんな生活をしており、どれほどの収入があり、どんな場所に行き来しているのかもGPSですべて把握できる。個人情報が丸裸にされる時代がやってくるということだ。

 

 

・小売業が出来ること

上記のような未来に対して、小売業は何ができるのであろうか?どうすれば産業を活性化し、店舗にお客を引き寄せられるのかを考えて行かねばならない。その際に、店舗単独で紙の広告などを出しても、もはや効果は期待できないのかもしれない。各業界が連携して広告を打つようなことをやっていかないといけないのかもしれない。その筆頭が上記にあるようなクーポンなのだろう。PayPayクーポンなどを発行していくということなのだろう。各業界がPayPayなどのQRコード決済というサービスで連携し、その決済履歴が、他の店舗での履歴と相まって、個人の行動履歴となっていく。この行動履歴をソフトバンクのAIで解析してもらい、うまくターゲット層に自店のクーポンが効果的に配信されるように、依頼することなのかもしれない。

 

 

期間限定のクーポン、エリア限定のクーポン、などあらゆる条件を選定してクーポンが配信できるようになっていけば、もっと効果が増すのかもしれない。店舗へお客様を誘導できるのかもしれない。

 

PayPayアプリのMAPにも表示させれば、さらなる効果も期待できるのかもしれない。このマップとクーポンが連動し、時間帯によって、クーポンが現れたり消えたりというようなアクティブ性が増していけば、ゲーム感覚で食い付いていくお客様も増えていくかもしれない。スーパーでタイムセールクーポンをある地域に今の時間で居る人をGPSで関知して、その人々に対してのみクーポンをMAP上で配信されたことが見えるように工夫したりしていけば、もっと主婦層の行動量が増すだろう。あ!クーポンが配信された!この店と、この店なら5%OFFだから、魚はこっちで買って、肉はこっちで買って、というように、行動を促すようなクーポン配信ができるかもしれない。それもGPSがあってこそなのだ。だから、ソフトバンクが強いのである。結局は、携帯電話会社がプラットフォーマーに最も近いのかもしれない。GPSとカメラが一体化しているので、揺るぎないツールなのであろう。

 

 

いかがであろうか。このような環境はもうあと4,5年で整備される。小売業という生命体が躍動していくためにも、各業界が今なにをすれば良いのか、どのように投資をしていけば良いのかが、見えてくる。今一度、会社の方針を立て直し、何に投資をしていくのか、中長期計画を再検討していく必要もあるのだろう。ただ、言えることは、小売業の本質は『対面接客』である。お客様が店舗に来て貰い、人と人が話したり、エネルギーを交換することで、商品価値が上がったりするということだ。単に物の売買であれば、ネットショッピングに取って代わられていくだけなのだから。

 

それゆえ、上記に記載したようなことは、あくまで店舗にお客様を誘導する広告に過ぎない。後は、店舗に来店してくださったお客様をどうやってリピーターにしていくかは、その店舗しだいなのであり、そこが小売業の本質なのであるから、徹底的にリピーターにしていくための施策を実行していくことも、今後は必須なのであろう。