第5次元:産業という生命体の目標設定について③

先までは、第1~10次元における方向性について見てきた。今度は、具体的な目標設定にまで踏み込んでみたい。目標設定が出来れば、どうやって行動すれば良いか、メドが立つのであろうから。

 

なお、繰り返し記載するが、我々は1つの次元だけに意識を置いているようでは、上手く立ち回ることができない。常に4つも、5つも、多ければ10もの次元を同時に意識していくことで初めて、上手く立ち回ることが出来るのである。それゆえ、これから1つずつ、各次元での目標設定の立て方を記載していくので、実際にやってもらいたい。同時に意識していくことはとても難しいのだが、やっていくことで少しは慣れて出来るようになってくるのだから。

 

今回も、第5次元:産業の目標設定の続きを見ていきたい。先に、課題を見いだし、その課題を解決するための道しるべを見いだし、いかにして目標設定をするかということを記載した。

 

道しるべとして、小売業という産業は、いかに『お店に行きたい!』と思わせるかどうかが、課題なのである!ネットショッピングではなく、外に出て、お店に立ち寄って貰うためにも、小売業の各業界が連携して、仕掛けを作っていくこともこれからは重要なのであろう。他の業界は無関係で、自分の所にさえお客が来れば良い!という考えでは、なかなかお客は呼び込めないということをもっと認識していかねばならないということが道しるべなのであろう。

 

 

・集客力について 以下、こちらより抜粋。

集客が、”魅力で顧客を惹きつけること”であれば、集客力とは"魅力で顧客を惹きつける力"と定義することができる。つまり、人気(Popular)とは同義語であろう。例えば、GAPやユニクロのような人気のブランドの店舗が近隣にオープンした時には、店内が賑やかになる。それに対して、オープンしたばかりでも全く客入りが良くない店舗が存在する。この差は、集客力の違いである。具体的には、どのような品質の商品を提供しているブランドなのか認知されていることにある。

 

また、集客力の核になるのは、体験価値であり、この体験価値が想定以上のものであれば、固定客化し、良い口コミが増加していく。その結果、メディアなどにも取り上げられ、集客力が増していく。この他にも集客力が高い企業はマンパワーも強く、企業としてのミッションに共感できる人材採用に力を入れている傾向がある。

 

当たり前だが、知らないものを購入することには勇気が必要だ。普段、友人と入るお店では、目についたお店に入店することがあるが、デートや記念日のような用途が明確な利用では別の話になる。事前にスマホでメニュー、内観、サービスあたりを比較検討して、目的にあった飲食店を選択するだろう。この時に、検索された上で、しっかり求められた情報が公開されていなければ、来店には間違いなく結びつくことはない。まずは、どのような価値の商品やサービスを提供しているのか認知されることを優先しなければならない。新しい企業の新しい事業ほど、誰もその価値を知らない。広告を運用し、価値を認知してもらうことが集客力を向上させるための基礎的な行動である。

 

使っている素材が高いのに、集客力で負けてしまうという悩みは体験価値で解決ができるかもしれない。素材・材料が優れている実質的な価値だけでは判断されていない。それだけではなく、接客や雰囲気なども評価の基準に入るからだ。体験価値とは、購入体験することで得られた主観のことである。主観なので、全くの同一のサービスを提供したとしても、消費者によって体験価値は異なる。この体験価値は、実質価値に演出を含んだ付加評価を足して評価する。そして、評価は、この体験価値から事前の期待値を差し引いて行われる。評価が高ければ、次回の購買に繋がるという仕組みだ。

 

 

しかし、際限のない接客の品質の高さを求めることは非常にハードルを上げる結果しか導かない。実際、過剰な接客やフォローアップは、再利用に関係性がない。集客力の向上には、事前の期待値を極端に上げすぎないように考慮すると良いのだろう。

 

 

・集客方法の20について

効果の高い集客方法は、噂が広がれば手法を模倣する企業が増加し、効果が薄くなってくる。そのため、次から次へと新しい媒体や広告が登場している傾向がある。集客手法の選択で重要なのは役割を担う方法を選ぶということであろう。そのため、名前で選ぶのではなく仕組みを理解して選択しないと失敗する。代表的で使用頻度の高い集客方法の20を簡単に記載しておく。

集客方法その1:リスティング広告

検索エンジンを活用するユーザーは、キーワードを検索して情報を求める。リスティング広告は、そのキーワードに関連性の高い広告を表示する仕組みである。リスティング広告が優れた点は、顕在したニーズをもった人に訴求ができる点である。例えば、"マーケティングオートメーション"や"QRコード決済 導入"などのキーワードを検索した人は、すでにそれが何なのかを知っており、興味を持っている可能性が高い。つまり、いわゆるいますぐ客と言われるような見込み客を対象にして集客することができる。

集客方法その2:ポスティング広告

ポスティング広告は対象にした範囲にチラシを投函する。インターネットの活用や検索などを相手に求めないため、非常に幅広い客層への認知度拡大が期待できる。どのような客層でも手が出しやすい飲食業や物販での集客効果が高く、ハウスメーカーの催し物の集客にもよく活用される。配布部数に関しては、反応率が1%未満であるため、1万部以上配布しないと十分な集客の効果を実感することができない。

集客方法その3:Facebook広告

Facebook広告は、Facebookが運営しているFacebookInstagramメッセンジャーを対象にできる広告である。詳細なターゲティングができる上、投稿を広告できるため、最も手軽に利用できるWeb広告だ。広告主側が設定したオーディエンスや広告の内容をAIが判定し、その条件に一致していると想定されるユーザーに広告を表示する。オーディエンス設定は、性別、年齢、地域、興味関心で設定が可能である。最大の特徴は、クリックせずとも画像や動画が表示されている点だ。そのため、Google広告では、クリックされなければ意味がないが、Facebook広告ではクリックされなくても効果がある。エンゲージの獲得で認知度の拡大、ウェブサイトへのアクセスを促すことで購入や予約を促す使い方をする。

集客方法その4:Instagram広告

Instagramは、日本では月間アクティブユーザー数は、3,300万とされており、Facebookの2,600万を上回る。Facebook広告では、必ずFacebookにも広告を出稿することになる。そのため、Instagram広告では、Facebookを広告出稿先として選ばない場合に活用する。Facebookと同様にオーディエンス設定を実施することができる。

集客方法その5:Twitter広告

Twitterは、SNSの中ではアクティブユーザー数も多く、4,500万人を超えていると言われている。ニュースやトレンドの中心的なSNSであるため、情報の収集を目的にしているユーザーも多く、情報を配信したい側との相性が非常に良い媒体である。Twitter広告は、Twitter内に広告を出稿できるサービスで、フォロワーの獲得、Webサイトのアクセス獲得、いいねやリツイートなどのエンゲージの獲得、ハッシュタグの拡散などを目的に利用されている。

集客方法その6:Youtube広告

Youtubeの月間アクティブユーザー数は、6,500万人を超えていると言われており、その勢いは誰もが納得する。このアクティブユーザー数は検索エンジンの利用者数とほぼ同等であり、生活に密着している動画媒体であると言っても良いだろう。Youtube広告には、バナーなどを表示しウェブサイトに誘導する広告とYoutuberが設定した任意のタイミングで動画広告を表示するタイプがある。特に、15秒以内のCMサイズの動画は、スキップができないため、存在を覚えてもらうことに非常に効果が高い。

集客方法その7:SEO検索エンジン最適化)

検索エンジンの広告枠に表示させて集客するのがリスティング広告であれば、SEOは、目的のキーワードについての対策ページを作成し、良い掲載順位にページを表示させるのがSEOである。現在のSEOは、特定の分野に特化したメディアを作成し、求められている情報を提供することでアクセス数を増やすことが多い。SEOを行う際は、ただ上位表示を狙うのではなく、最終的にどのような行動を促したいのかを定義しておくと良い。ホワイトペーパーと呼ばれる問題解決型の資料をダウンロードさせ、個人情報を獲得するリードジェネレーションが行われることが多い。

集客方法その8:Googleマイビジネス

 
コストコ入間と検索すると、該当する店舗のGoogleマイビジネスページが紹介される。ここでは、住所、電話番号、営業日、開業時間、口コミなど基本的な情報の閲覧ができる。Googleで屋号を検索すると、スマホでは一番上、パソコンでは右側に表示されるその店舗や企業の詳細である。そして、第三者の評価であるクチコミまで表示されており、星の数で点数化されている。この他にも日本で一番活用されている地図サービスであるGoogleマップでも同じ様に情報を閲覧することができ、Googleマイビジネスは、インターネット上の玄関と言っても良い箇所である。

集客方法その9:コミュニティーペーパー・新聞折り込み

コミュニティーペーパーは、投函されるフリーペーパーだ。新聞折り込みは、特定の新聞を購読している住所宛にチラシをばら撒く。ポスティング広告が非対応である時に、チラシの配布方法として選択することがある。購読している新聞次第で、実はかなり反応率が異なる。

集客方法その10:FAXDM・メールDM

BtoB契約を締結したい時のアポをとるための営業手法にFAXDM・メールDMがある。DM代行会社を活用することで、業種を指定して、インターネットに情報を公開している企業向けにメッセージを配信することができる。ニッチビジネスを事業所向けに展開したい時などが有効だ。デメリットとしては、一定数のクレームが発生する可能性がある。そして、すでに関係性がある企業にもメッセージが配信される可能性がある。

集客方法その11:予約サイト

飲食業では食べログホットペッパーグルメ、美容業ではホットペッパービューティーなど予約が必要なお店を検索する際によく使われるサイトがある。すでに利用を検討している人を対象に予約を獲得する目的で有料化を行う。有料化すると、Web予約を受付できるようになったり、サイト内の検索順位が向上し、立地が良ければすぐに集客が増える。ただし、予約サイトの集客力に依存する形になり、自粛などの社会情勢には非常に影響されやすいことがデメリットとして挙げられる。

集客方法その12:看板・店前のビジュアル改善

来店するお店選びの基準に対して、約4割が特に理由なしと答えている。つまり、看板を見たり、店前を通過した時に、そのお店に興味を持ち、なんとなく入店してみたことを意味する。これが小売店であれば、なんとなく良さそうなお店に入ってみたりすることもある。看板の役割は、通行人に店舗の存在を知らせることにある。

集客方法その13:イベント出展(展示会出展・ケータリング)

特定のテーマを設けた展示会に参加することで、そのテーマに興味関心の高い見込み客との接点作りを行うことが可能である。この方法は、魚がいる釣り堀にでかける感覚のようなもので、見込み客がいる催し物に積極的に参加して、認知度の向上そしてセミナーなどに参加を呼びかける目的で活用される。専門店を経営している場合、その商品やサービスの価値を認識してもらえれば遠方でも顧客になることがある。

集客方法その14:SNS運用

広告運用に対して、SNS運用をすることで、既存の顧客に最新情報を提供し、利用や購入のきっかけを促す。単品通販では、SNSでユーザーのコミュニティーを作ることもあるが、これはユーザーの利用意欲を高めることで、購入頻度を高めることが目的である。TwitterInstagramでは直接フォローされていないアカウントにもいいねやリツイートの多い投稿は表示される。

集客方法その15:LINE公式アカウント

LINE公式アカウントとは、LINEのビジネス用のアカウントで、前身のLINE@が店舗向け販促ツールであったため、既存顧客維持の機能が豊富だ。メッセージ配信の他に、スタンプカード機能、クーポン作成機能がある。メールマガジンとの違いは、LINE公式アカウントのメッセージはメールではない点である。そのため、特定電子メール法の対象外であり、また、受信側もLINE内のサービスであり、不具合以外の理由でメッセージが到達しないことがない。

集客方法その16:メールマガジン

登録されたメールアドレス向けに一斉にメールを配信する。主に、既存顧客に情報を配信することで再購入のきっかけを作ることが目的になる。メールアドレスは、インターネットユーザーであれば全員保有している。そのため、ほぼ全員を対象にすることができる。ただし、特定電子メール法を守る必要性や現在のIPアドレスのスコア管理ができていないメール配信システムからのメールをブロックする傾向がある。そのため、到達率について言及しているメール配信サービスを使用しないとメールを送っても届かないことがある。

集客方法その17:スマホアプリ

スマホアプリは顧客のスマホにアプリをダウンロードしてもらうことで、最新の情報やお得な情報を配信し、予約も可能にする。様々な機能的な活用ができる反面、顧客に新規のアプリをダウンロードさせる手間をかける必要があり、簡単に削除もされてしまう。そのため、スマホアプリの導入は、予約や顧客フォローなどのコミュニケーション以上のものを求めていることやドミナント出店などでシェアが高い企業では有効な集客手法となる。

集客方法その18:ニュースレター・ダイレクトメール

既存の顧客に対して、情報を提供する目的で印刷物を送付する手法だ。再購入や再利用を促し、集客を増やす。ニュースレターとは、新聞のように編集した読み物の印刷物である。例えば、新しいサービスを導入し、利用者を増やしたい時に、価値の理解を促す内容を既存顧客に送ったり、店内においておいたりする。ダイレクトメールは、カタログなどの印刷物を既存顧客に送付する。ハイブランドメーカーでは、カタログに力を入れており、ブランドイメージを崩さない品質の高いクリエイティブのものを送っている。

集客方法その19:バーコード決済(QRコード決済)

PayPay、D払い、auPayなどのバーコード決済は、それぞれが実施するキャンペーンで利用者を増やしており、非接触決済が望ましい現在では、現金を持ち歩かない人も増えている。当然、これらの決済を選んでいる人は、決済方法に対応していない店舗の顧客にはなれない。また、地方自治体などと提携したキャンペーンなどでは、消費が促され、この期間中に新規顧客が増えることがある。これも各種アプリで地図検索すると、周辺での決済対応店舗の一覧が出てくる。

集客方法その20:サブスク(月額課金制)

コミュニケーションを積極的に実施することで来店頻度を高める方法の他に、仕組みで来店頻度を上げる方法もある。その一つが定期課金制であろう。通販業界では当然のように行われている利益を最大化するための仕組みだが、店舗では行われていなかった。最近は、顧客の流出を防ぐための一つの手法として注目され、サブスクを実施するためのアプリもある。サブスクを導入する際は、売上の中核になるものではなく、呼び水になる可能性が高い部分をサブスク化し、出来るだけ少額課金にして、長期契約にするのが理想である。

 

 

まずは、どのような価値の商品やサービスを提供しているのか認知されることを優先しなければならない。新しい企業の新しい事業ほど、誰もその価値を知らない。広告を運用し、価値を認知してもらうことが集客力を向上させるための基礎的な行動である。この基礎行動を、店舗単独でやるのか、それとも他の店舗と連携を取ってやるのか、それとも、地域を巻き込んで地域おこしのような形でやるのか、いろんな方法がある。今の小売業の課題として、その連携がまったく取れていない事が問題なのであり、連携が取れた場合のメリットが十分に感じられないから、連携しないのかもしれない。まずは、認知されるために、どのように連携するかをもう少し掘り下げていく必要があるのだろう。

 

いかがであろうか。ここまで具体的な課題が見いだせれば、どのように解決していけば良いかの目標設定が立てられる。その目標に向かって行動計画も立てられる。具体的な行動計画を立てられないから人は動けないのである。ここまで具体的に課題が見えれば、解決策はもう目前だ。次回、行動計画について記載していきたい。