第5次元:産業という生命体の目標設定について①

先までは、第1~10次元における方向性について見てきた。今度は、具体的な目標設定にまで踏み込んでみたい。目標設定が出来れば、どうやって行動すれば良いか、メドが立つのであろうから。

 

なお、繰り返し記載するが、我々は1つの次元だけに意識を置いているようでは、上手く立ち回ることができない。常に4つも、5つも、多ければ10もの次元を同時に意識していくことで初めて、上手く立ち回ることが出来るのである。それゆえ、これから1つずつ、各次元での目標設定の立て方を記載していくので、実際にやってもらいたい。同時に意識していくことはとても難しいのだが、やっていくことで少しは慣れて出来るようになってくるのだから。今回は、第5次元:日本国の目標設定について見ていきたい。

 

第5次元:産業の目標設定について

まず目指すべきは、産業という生命体の各部位を担っているのは自分である!と認識することから始まる。そう、当事者意識を持つと言うことだ。もちろん、自分は産業界の理事でもないし、自分が代表だ!と他の人にしゃべると、それは違うでしょ!と思われるかも知れない。それゆえ、頭の中で、自分は産業界の代表だ!と意識するだけで良い。

 

当事者意識を持つと、今度は、産業という生命体の各部位の役割に注目する。各部位の役割を自分は担っているのだから、きちんとした仕事をしたい!と思うだろう。当事者意識があれば、そう思えるのだ。しかし、当事者意識がないと何をすれば良いですか?指示をください!と指示待ちになって、何一つ考えることを放棄してしまう。これでは何も進展しない。

 

それゆえ、産業という生命体を進展させるためにも、まずは各自が当事者意識を持つことから始まる。そうして、イメージしてみるのだ。自分が産業の身体の一部として右往左往しながら産業を支えているという感覚を。そうすると、興味が湧いてくるはずだ。例えば、小売業という産業を捉えるとしよう。

小売業を支えているのは自分だ!自分は家具・建具業界の代表だ!としたとしよう。すると、家具・建具業界の動向はどうなっていて、今はどこに問題を抱えているのか、そんなことが気になるはずだ。それにも増して、家具・建具業界はどこに向かって動いているのか?どんな力が作用しているのか?消費者物価指数などの統計はどうなのか?ということが気になるだろう。

 

・2020年の小売業の動向について 以下こちらより抜粋

2020年の商業販売額は前年比マイナス9.5%減少し、約503兆円であった。うち約7割を占める卸売業は前年比マイナス12.2%、約3割を占める小売業は同マイナス3.2%と、卸売業は2年連続、小売業は4年ぶりの減少という結果になった。小売業について業態別に見ると、スーパー、家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンターでは前年より販売額が増加し、百貨店、コンビニエンスストアでは減少した。

コロナ禍で販売額が減少する業態が多い中、専門量販店3業態(家電大型専門店、ドラッグストア、ホームセンター)は共に前年比増加となった。ホームセンターは、2017年から3年連続で販売額前年比がマイナスであったが、2020年は、コロナ禍による在宅需要で「DIY用具・素材」や「家庭用品・日用品」、「園芸・エクステリア」など多くの品目が前年比で増加となり、販売額全体は6.8%と4年ぶりに大幅な増加に転じた。月次でみても、1月と前年の販売が好調だった9月を除いて前年同月比はプラスで推移した。

・巣ごもり需要について こちらより抜粋。

2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、全国に緊急事態宣言が発令されたが、多くの人が不要不急の外出を控えるようになり、自宅で過ごす時間が増えたことで人々の生活スタイルは大きく変化した。例えば、外食や直接店舗での買い物の頻度が減り、自炊やフードデリバリー、ECサイトでのお買い物利用が増えた。また満員電車を避け、企業はテレワークを推進するようになった。

そのため、自宅で過ごすためにさまざまな道具や機器が必要になった。DIYをする工具や、自炊をするための調理道具や、テレワークをするためのPC機器などである。また、音楽コンサートなどの娯楽も制限されたため、ネットを通じて自宅でエンターテインメントを楽しむ人も増えた。このように、自宅で過ごすために行っている消費者行動が「巣ごもり消費」とよばれ、新たなトレンドとして大きな注目を集めている。

 

株式会社NKBの調査(http://www.nkb.co.jp/news/202004232329.html)によると、「巣ごもり消費」は7つのタイプに分類されることがわかった。
・おうち時間充実型
・エクササイズでストレス発散型
・趣味に没頭エンジョイ型
・趣味&実益を兼ねた手作り型
・自己投資・スキルアップ
・自分見つめなおし型
・癒し・リラックス型

それぞれ順番に解説していこう。

 

・おうち時間充実型→自宅で過ごす時間を充実させたいと考える消費タイプだ。フードデリバリーやお取り寄せグルメでちょっとした贅沢を味わったり、動画配信サービスでドラマや映画を楽しんだりする。

 

・エクササイズでストレス発散型→外出自粛による運動不足やストレスを解消するために、室内で体を動かしたいという消費タイプだ。部屋の中でストレッチや筋トレをしており、その際にエクササイズDVDや運動系のゲームソフトを活用している人が多いようである。

 

・趣味に没頭エンジョイ型→ゲームや読書などの趣味に没頭する消費タイプだ。家族や友人とオンライン上でコミュニケーションをとりながら楽しめるゲームは、大きな人気を集めている。また、月額料金で雑誌や小説などの電子書籍を楽しめるサービスの利用者も急増中である。

 

・趣味&実益を兼ねた手作り型→マスク不足の影響で、自分で布マスクを作る人が増えた。また、空いた時間を利用して洋服や小物、手間のかかる料理を作るなど、手作りを楽しむ人もたくさんいる。DIYもここに入るのではないかと思われる。

 

・自己投資・スキルアップ型→テレワークの推進による働き方の変化や、勤めている会社の経営状態の悪化などにより、これからのキャリアを見なおす人が増加した。スキルアップや安定した収入を確保するために、新しい分野の勉強や副業、投資などに取り組む流れは加速している。テキストを購入したり、オンラインセミナーに参加したりするなど、時間を有効に活用して積極的に勉強に取り組んでいるようである。

 

・自分見つめなおし型→部屋の片付けや不要な物を捨てるなど、生活空間を整えることで自分を見つめなおすタイプだ。気分転換のために部屋の模様替えをする人もいる。またメルカリなどのフリマアプリを利用して、不要になった物を売ることでお小遣いを稼ぐ人も増えた。

 

・癒し・リラックス型→目に見えないウイルスとの戦いや、外出自粛によるストレスを緩和させるために、癒やしやリラックスを求める人が増えている。家庭菜園をはじめたり、ペットを飼いはじめたりしている人も多く、生活のなかに癒しを取り入れているようである。

 


このような巣ごもり需要による小売業への影響は極めて大きく、例年の消費者動向とは全く違った動きを見せていると言えそうだ。このコロナ禍がまだ続くと仮定すると、このような巣ごもり需要は今後も続き、やがては継続的な需要となる可能性もある。いずれにしても、コロナ禍により、消費者の動向は全く変わってしまったことは事実であろう。小売業としては、この動きを的確に読む必要があるだろう。巣ごもり需要といえば、『おうちの中での需要』ということだ。その最たる物がDIYやリフォームなどの需要であろう。

 

・リフォーム需要について こちらより抜粋。

生活者の住宅改修資金の動向だが、首都圏、近畿圏、中京圏三大都市圏のユーザー調査(国交省・住宅市場動向調査)では、2019年度は平均178万円だ。実は200万円を割るのは2008年度ぶりで、かなりの低水準と言える。おおよそこの10年間は220万円前後で推移。241万円だった18年度と比較すると26%も下がっており、急に資金が減った。消費増税の影響もあるが、もう一つ深刻な影響が世帯年収の減少だ。2019年度の平均世帯年収は642万円だが、2年連続の減少。実は10年前の09年度は707万円で、1割も下がっている。特に中京圏は過去15年間で最も低い水準だ。

 

なおリフォームユーザーの年齢は平均60歳。これまでは50歳台だったが、高齢化が進みいよいよ60歳台となった。仕事を退職して貯蓄で改修するユーザーが増えていることも年収減少の背景になっているとみられる。


 

では、生活者は今どんなリフォームを求めているのか。戸建て、マンション合わせると、最もリフォームした部位の1位は居間(リビング)だ。なお2位はキッチン、3位はトイレとなっている。これまでキッチン、トイレなどが1位だったが、マンションの居間改修が増えたことから1位に。中古マンション購入後の全面改修が増えているとみられる。なお、戸建てでは1位は外壁塗装。2位が屋根。3位が居間だ。キッチン、トイレ、バスの3大水まわりはそれらに次ぐ順位となっており、外装系の方が改修実施者が多いことがわかる。

 

高齢化が進み、所得もなかなか上がらない状況の中、今年度は新型コロナによる景気の後退。厳しい環境と考えがちだが、一方でかつてないほどに自分の住まいに関心を持った年とも言える。内閣府の調査によれば、コロナの影響下で取り組んだことの1位は「家の修繕などに取り組んだ」(28%)。失うものも少なくないが、リフォームしてみたいという潜在需要が喚起されたこと、これは今回のコロナで得られた最大の収穫だろう。

 

 

このような背景の下、小売業は種別によるが、動きが活発になっていると言える。この時期をチャンスと捉えて、どのように展開していけば良いか、思案しがいがあるのだろう。特に、家具・建具業界は、今後もリフォーム需要などによる恩恵を受けることが予想される。今までは苦しい業界であっただろうが、今後は、伸びていく業界のように思われる。何か、今までと異なる大きな仕掛けが必要な時期なのかもしれない!

 

 

このように、種別毎に動向は異なるのであり、それを束ねて産業という生命体が出来上がっている。もし、この産業が急上昇の波に乗りかけているとしたならば、自分に何か出来ることはあるのか?と考えるだろう。これが当事者意識というものだ。産業という生命体の各部位を構成している我々は、今、何をすれば良いのだろうか。何が出来るのだろうか?こう考えることで、何か、行動のヒントが見えてくるはずだ。それが結局は目標設定となり、行動指針に繋がっていくということだ。まずは、当事者意識をもって、問題を確認していくことから始まるのだ!