第10次元:太陽系という生命体の目標設定について⑤

先までは、第1~10次元における方向性について見てきた。今度は、具体的な目標設定にまで踏み込んでみたい。目標設定が出来れば、どうやって行動すれば良いか、メドが立つのであろうから。

 

なお、繰り返し記載するが、我々は1つの次元だけに意識を置いているようでは、上手く立ち回ることができない。常に4つも、5つも、多ければ10もの次元を同時に意識していくことで初めて、上手く立ち回ることが出来るのである。それゆえ、これから1つずつ、各次元での目標設定の立て方を記載していくので、実際にやってもらいたい。同時に意識していくことはとても難しいのだが、やっていくことで少しは慣れて出来るようになってくるのだから。

 

今回も、第10次元:太陽系の目標設定の続きを見ていきたい。先に、具体的な目標設定を行い、さらに小目標①を設定し、よりリアルにイメージできる目標を設定した。

・小目標①:我々民間企業ができることは、宇宙工学の研究、シミュレーションのレベルアップのためにも、量子コンピュータの使い手を増やすこと、さらには量子コンピュータそのものも中国やアメリカに劣ること無く、現実化させることに注力をしていけばよいのであろう。ここに人材を投資し、資金を投資していくことあろうと思う。

 

小目標①を設定するに際し、今までの流れをまとめると、下記のようになる。

上記のような10部位の生命体モデルとして太陽系を捉えたとしよう。すると、右手が無いのが違和感はあるが、まだこちらの方がより安定した生命体として存在できそうだ。この太陽系という生命体の課題として、1つ目は、脳の担当者である太陽が年々肥大化していき、やがてあらゆるものを飲み込もうとしてしまうこと。権力集中が甚だしく、他の各部位はなすすべも無い。2つ目は、膵臓・肝臓の役割である木星小惑星群を従えて運動し続けており、その微惑星を捉えたり放したりと、動きが激しいことだ。その放された微惑星が、地球や火星や他の星に向かって来てしまった場合、最悪は惑星衝突し、地球や火星や他の星に多大なるダメージを与えることである。

 

これらの課題を解消するためには、脊髄の役割である地球が活躍せねばならないのだろう。他の星は身動きが取れず、ただ自転・公転を繰り返すだけなのであり、有機的に動けるのは地球だけなのだ。なぜなら、地球には人間が生息しているからだ。意志をもった生命体が他にもいれば有機的に動けるのであろうが、太陽系には、今のところ意志をもった生命体(宇宙人等)は見つかっていない。もし、意志をもった生命体(宇宙人等)が居るのであれば、例えば、土星から地球の軌道を少しズラしてもらうなど、いろんなお願いができるのだが、現状はそうはいかない。よって、地球に生息している人間が、太陽系という生命体を維持することに尽力する以外に方法はない。

 

まず、1つ目の課題だが、脳の担当者である太陽の肥大化が激しく、年々放射エネルギー量も増していくことに関し、地球や水星や木星など、他の星も含めて、今のところなすすべが無い。それほど太陽が圧倒的な質量を持っており、他の星では小さすぎて、太陽の暴走を止めることはできないのだ。今は太陽が誕生して50億年だ。年齢にして50才であり、寿命が100才だとすると、あと半分の命ということになる。他の星は、あと50億年の命と知りながら、残りの時間を有意義に楽しんでいくことしか方法は無いのかもしれない。生命体には”死”があるから美しいのであり、楽しいのだ!と思えば良いだけだ。

 

次に、2つ目の課題だが、膵臓・肝臓の担当者である木星小惑星群を従えて運動しており、その微惑星を他の星に投げつけてくるということに関し、脊髄の役割である地球が何とかするしかないのだろう。投げつけられた微惑星を破壊するのか、避けるのか、方法はいろいろあるだろう。そのためにも、どんな角度で、どんな速さで、どんな質量で、微惑星が飛んでくるのかをシミュレーションして、方法を模索せねばならない。そのシミュレーションを行うにも、現状はNASAを中心とした、世界的な研究機関しか、そのシミュレーションを行うことは難しい。難易度が高すぎて、民間企業では参入できないのが現状だ。

 

そこで、我々民間企業ができることは、宇宙工学の研究、シミュレーションのレベルアップのためにも、量子コンピュータの使い手を増やすこと、さらには量子コンピュータそのものも中国やアメリカに劣ること無く、現実化させることに注力をしていけばよいのであろう。ここに人材を投資し、資金を投資していくことあろう。これが小目標①ということだ。量子コンピュータが世界中に普及すれば、もしかしたら、太陽系全体の地場やエネルギーの流れをシミュレーションできるようになるかもしれない。そうなると、もっと太陽系という生命体は安定化させるための施策もいくつも打てるようになり、寿命ももう少し延びるのかもしれない。

 

なお、量子コンピュータに民間企業として投資することは、宇宙工学だけでなく、あらゆる産業にも応用できるため、投資するに値する利益は得られるため、民間企業でもこぞって参入出来るのである。宇宙工学のような基礎研究が続く分野のみでは、どうしても利益にならないので、民間企業が参入できず、国が助成金を出して、人材を育成するしか方法はなかったのだが、量子コンピュータであれば、応用が利くので、投資対象となるのだ。

 

量子コンピュータについて 以下、こちらより抜粋

量子コンピュータの実用化に向けた研究開発は、アメリカや中国が圧倒的に進んでいる。日本は2、3周どころか、10周近く離されているのではないか。しかし、日本は駄目だとは決して思っていない。よく喩えられるが量子コンピュータの研究開発はマラソンと同じだ。まだスタートして競技場を出たところ。この先40kmぐらい走り通さなくては、実用化・商用化にはつながらない。いま競技場を出た段階では、アメリカ、中国、欧州が先頭を走っているが、日本はまだ競技場の中にいる。しかし、先の長いレースで何が起こるか誰にもわからない。だから今後の長い期間をいかにして生き延びるかが重要な鍵を握ると思っている。日本は長期的かつ戦略的に取り組んでいくことで勝ち筋が出てくるのだろう。

 

我々が究極的に目指すのは、誤り耐性汎用量子コンピュータだ。誤り耐性汎用量子コンピュータの実現には2つの技術の両立が必要である。まず集積化技術。もう一つは、量子コヒーレンスを伸ばす技術、つまり量子力学的な重ね合わせの性質を長い時間維持させるための技術。マルティニス教授らは、量子コヒーレンス性能が非常に高く、かつスケーラブルになる可能性を秘めた、超伝導量子コンピュータを2014年に実現した。これまで誰も成し得なかった偉業で量子コンピュータの研究者はざわめいた。このまま頑張れば、もしかしたら誤り耐性汎用量子コンピュータが実現するのではないかという期待を抱かせたのだ。

 

加えて、IBM量子コンピュータの研究開発を大きく加速したことも大きい。彼らは今や、「IBM Q」という量子コンピュータクラウドを作り、世界中の誰もが量子コンピュータ実機にアクセスできるすばらしい環境をつくった。IBMがこのような偉業を達成できたのは、2000年以前から地道な研究開発を長期間行っていたからである。マルティニス教授の成果を参考にしつつ彼ら独自の技術を加えて大きく発展させたのである。このような問題に長い年月をかけて取り組み、地道に解決してきたことが、GoogleIBMの技術が一気に飛躍した要因だ。

 

総合力では欧米や中国に負けているが、日本の若手にも強みもある。特に量子ソフトウェアの分野では、日本が存在感を示している。世界ナンバーワンかというとノーだが、トップ集団にいる優秀な若い学者はいる。たとえば大阪大学の藤井啓祐教授は、とてもインパクトの高い学術的成果を多くあげている。また藤井先生はQunaSys社の最高技術顧問も務め、産学連携もしっかりと進めている。また、量子状態精密制御技術、NISQ理論、高品質シリコン量子ビットなどの世界的に存在感のある成果をあげている若手もいる。中村泰信先生のようなシニアな世界的研究者に加えて、彼らのような30代の世代が日本を引っ張っている。

 

近未来には、こういうアーキテクチャのNISQを作れば良いということは見えているので、日本としては、それに必要な人材を仲間に引き入れていかなければならないと思っている。たとえばコンピューターサイエンティスト、数学者、物理学者、半導体プロセス技術者、集積回路設計技術者、熱設計技術者、冷凍機の専門家などだ。これらの技術レイヤーの研究者や技術者は日本にも多くいる。

 

化学科でも、量子コンピュータに興味を持っている学生は多い。量子コンピュータを使うと分子の計算が速くなることを知っている。にもかかわらず、現在の日本では量子コンピュータ専門の研究室がとても少ない。東京大学大阪大学は比較的充実しているが、それ以外の大学にはあまりない。学生が興味を持っても、量子コンピュータを研究する場がない。これは冬の時代に量子コンピュータ専門の研究室を立ち上げなかったことが致命傷として、今、尾を引いているのだ。

 

産業技術総合研究所産総研)、理化学研究所理研)、情報通信研究機構NICT)は学生を受け入れている。産総研にはリサーチアシスタントという制度がある。修士課程と博士課程の学生は給料をもらいながら研究ができる。同様な制度が理研にもある。それでも焼け石に水だと思っている。国は、量子コンピューティングを主力テーマとする研究室を少しでも多くの大学に立ち上げてほしいと切に思う。

 

 

・量子人材の育成 以下、こちらより抜粋

量子科学者やエンジニアと呼ばれる人たちの多くは、基本的に物理学者やエンジニアとして教育を受けてきた人たちである。しかしある時点で量子に興味をもち、エンジニアは物理学を学び、物理学者は工学を学んでいる。新しい技術が主流になる前は、その特定の技術を対象とした学問分野があるとは限らない。それが現在の量子技術だ。そのため、量子人材としてすぐさま活躍できるスキルをもつ人たちは、まだ世の中に十分いるわけではない。

 

では、来たるべき量子優位性の時代に向けて、どのようなアプローチで人材を育成していくのが有効なのか。明確な答えを出すのはまだ時期尚早だが、世界に先駆けて量子コンピュータを無料公開したIBMの量子人材育成への取り組みを参考にしたい。量子人材を育成するための機会拡大には、誰もが学べる環境や学習教材が充実していることが重要である。
 
IBMが世界に先駆けて自社の量子システムをクラウド上に公開したのも、オープンイノベーションの推進を図るだけでなく、誰もが無料で簡単に本物の量子コンピュータにアクセスできる環境を整えることで、将来の量子人材育成を促すことも狙いの1つとなっている。2016年5月の公開後、IBM量子コンピュータには世界中から研究者、開発者、一般のユーザーがアクセスして、さまざまな実験を繰り返している。ユーザーの需要に応えるために、その後もIBMは量子システムを追加し、現在、世界で最も多くの台数(22台)の量子コンピュータクラウド上で提供している。
 
オープンソース量子コンピュータ用開発フレームワークであるQiskitは43万回以上ダウンロードされ(2020年8月現在)、世界25万人以上のユーザーが登録している。また、量子計算を実行するためのプログラムを組むことで構築される量子回路は3000億回以上実行されており、IBM量子コンピュータを使った第三者による実験結果が掲載された論文は250本以上となっている。

 

人材育成には、オープンアクセスにより実機に触れる機会を提供するだけでなく、充実した教材が重要である。2019年から公開されているオンラインのQiskit Textbookは、それ自体もまたオープンソース化され、世界中の人がコンテンツに貢献できるようになっている。紙の教科書とは異なり、Qiskitの新しいリリースに伴う変更を反映できたり、特定分野のユースケースに基づくチュートリアルも日々追加されたりと、常に内容を充実させている。現在、世界55以上の教育機関がQiskit Textbookを活用しながら、量子システムにアクセスした授業を展開している。またQiskit Textbookを使った輪読会なども、世界の量子コミュニティで活発に行われている。 

 

このほか、Qiskitを使ったコーディングの実演を交えて、量子コンピューティングと量子計算に関する重要な概念を紹介する動画シリーズが人気である。同コンテンツは、Qiskit YouTubeチャネルで公開されている。最近では、将来の量子ソフトウェア開発者を対象としたQiskit Global Summer Schoolという取り組みもある(前提条件は2つの行列を乗算できることと、基礎的なPythonプログラミングスキルがあること)。
 
世界中から5000名以上の学生が応募し、大学の1学期分の授業量(27講義分)に相当する量子コンピューティングの講義と量子プログラミングをハンズオンで学んだ。これらのコンテンツをIBMは無償でオンライン公開している。

Qiskit Global Summer School オンライン授業の画面(1)
Qiskit Global Summer School オンライン授業の画面(2)

 

IBMではこのほか、多くの若者が量子コンピューティングに親しみ、コミュニティのなかで育まれていくための取り組みとして、量子コンピュータを使ったさまざまな催しも積極的に開催している。2019年には、Qiskit Campと呼ばれる合宿形式のハッカソンイベントが世界4都市で開催された。同年11月には日本の富士山を望む宿泊施設に世界16カ国から学生が集まり、量子コンピュータの特性を活かしたアプリケーションを実装した。

日本でのQiskit Camp(1)
日本でのQiskit Camp(2)

 

これには、世界中から800名近くが参加した。いかに少ない量子ゲート数で正解に辿りつけるかを競い合う最終問題では、出題者の予想を上回る優れた解法を編み出す参加者も現れた。量子力学と量子計算のバックグラウンドをもたなくても、チュートリアルと組み合わせたコンテストの開催を通じて、短時間で量子計算に関するスキルを身につけられると世界中に知らしめたのである。どんなことであっても、少しでも上手くなることで、その分野の勉強はもっと楽しくなり、さらに学ぶ意欲が増していくものである。

 

コミュニティとは、量子コンピューティングへの興味と情熱を共有できる仲間たちに出会い、切磋琢磨しながら、自らの成長を実感できる場であり、その成長が再びコミュニティに還元されていくエコシステムだといえる。またコミュニティは、誰もが量子コンピューティングの研究開発の第一線で活躍する専門家と直接交流できる場でもある。たとえば学生の場合は進路を相談したり、インターンシップの機会を得たりすることで、産業界が求めるスキルが何かを理解し、具体的な就労機会を見出していくなどの例も出ている。

 

量子コンピューティングの応用分野が発展していくには、社会課題や業界知識のある企業で働く人材が量子コンピューティング技術に精通していくことも重要である。Willian D. Oliver 教授は、人材不足を補うもう1つの重要なアプローチについてこう語る。「すでに労働力となっているエンジニアや物理学のバックグラウンドをもつ人を教育してピボットしなければなりません。今日の産業界や政府には膨大な人材プールがあります」
 
こうした企業内に潜在する量子人材候補育成の具体的な取り組み例として、日本IBMでは2017年から部門横断型技術コミュニティ「TEC-J」のワーキング・グループとして、「TEC-J 量子コンピュータ勉強会」を起ち上げた。現在、延べ178名のメンバーが精力的に活動している。研究員、コンサルタント、ITエンジニアなど社内のほぼすべての部門からさまざまなバックグラウンドをもつエンジニアが集まり、量子計算の基礎から応用分野に至るまで、多様なテーマに関する知識とスキルの研鑽を図っている。

TEC-J 勉強会の活動

 

近年、TEC-J量子コンピュータ勉強会の活動は社内にとどまらず、社外にも広がっている。2019年からは仕事帰りの社会人向けに量子コンピューティング入門のセミナー、量子計算の基礎について学べる「エンタングリオン」というボードゲームを使ったゲーム大会、一般のPython開発者向けの量子プログラミングのセミナーなども開催している。いずれにも、量子コンピューティングに興味をもつ社会人技術者が数多く集まった。2020年3月以降、F2Fでのセミナーを開催できなくなってからは、TEC-Jでは勉強会やイベントを完全にオンライン化して活動を始めている。
 
休校が続き、家に閉じこもりがちな生活を送る中高生向けの量子コンピュータ入門のオンライン授業をライブ配信したり、特定の量子アルゴリズムの解説とQiskitによる実装を行うシリーズ、Qiskit Textbookの各章を順番に翻訳して日本語で解説する輪読会なども隔週で開催している。これらすべてのコンテンツは、YouTubeのQuantum Tokyoと呼ばれるチャネルで一般公開している。

Quantum TokyoのチャネルではTEC-Jのメンバーが講義を担当

 

自己研鑽の結果とコミュニティへの貢献がきちんと評価されて、スキル認定されていくことも学習者と貢献者を増やすうえで有効である。IBMの場合、Qiskitに関する知識とスキルを有すると証明する認定資格Qiskit Advocateプログラム(https://qiskit.org/advocates)を2019年から開始した。Qiskit全般の知識を問われる試験に合格すること、オープンソースのQiskitコミュニティへの貢献実績(GitHubでのIssueやPRの作成、ブログ記事執筆、勉強会での登壇、チュートリアルの作成、ドキュメントの翻訳など)を評価し、面談を経て認定される。現在、世界で約200名、日本には12名のQiskit Advocateがいる。Qiskit Advocateは量子コミュニティに関する情報をいち早く受け取れるほか、新規プロジェクトの立ち上げ、グローバルに展開される量子関連のイベントに優先的に招待されるなどのメリットがある。

 

日本でも、NICTの量子ICT人材育成事業が2020年からスタートしており、高専、大学生、修正・博士課程在学者等を対象に、量子ICT分野の人材育成を始めようとしている。また、文部科学省が推進するQ-LEAPなどのプログラムでも、新たに人材育成プログラムが設置された。ただし、本格的な取り組みはこれからである。今後は国の方針も後押しして、産官学が連携し、量子人材の育成がさらに進んでいくと期待される。しかしどのような取り組みでも、人材育成には垣根を越えてつながることのできるコミュニティの存在が、極めて重要な役割を果たしていくことになるだろう。

 

 

いかがであろうか。こうやって、皆が集まり、活動していけばやがては量子コンピュータも現実化できるし、宇宙工学の研究も進んでいくのであろう。どうしたら良いか分からないと悩んでいても始まらない。進んで行動していくことこそが重要なのだ。