第10次元:太陽系という生命体の目標設定について④

先までは、第1~10次元における方向性について見てきた。今度は、具体的な目標設定にまで踏み込んでみたい。目標設定が出来れば、どうやって行動すれば良いか、メドが立つのであろうから。

 

なお、繰り返し記載するが、我々は1つの次元だけに意識を置いているようでは、上手く立ち回ることができない。常に4つも、5つも、多ければ10もの次元を同時に意識していくことで初めて、上手く立ち回ることが出来るのである。それゆえ、これから1つずつ、各次元での目標設定の立て方を記載していくので、実際にやってもらいたい。同時に意識していくことはとても難しいのだが、やっていくことで少しは慣れて出来るようになってくるのだから。

 

今回も、第10次元:太陽系の目標設定の続きを見ていきたい。先に、具体的な目標設定を行った。

1.ぶつける物体の大きさや形状、速度などによって、小惑星の軌道がどのように変化するのかという実験をしていくこと

2.どうしたら地球の軌道を少しでも変えられるか、ということを研究すること

 

この目標に対して、どのように行動すればそこに到達できるかを考える。そのプロセスを考えていくということだ。それには、小目標を設定し、目標に至るプロセスを細分化していくことが重要なのであろう。さもなくば、目標が遠すぎて、モチベーションが上がらず、具体的にイメージすることも難しいのだから。逆に、細分化することで、まずは小目標①を目指そう、次は小目標②を目指そうという具合に、少しずつ段階を踏んで目標に近づいているという実感が湧けば、モチベーションが湧いてくるハズだ。

そこで、まずはかろうじてイメージが出来る程度のところに小目標①を設定すると良い。かろうじてイメージできるところとは、どこであろうか?それは人によって異なるので、当方の場合で記載したい。当方は宇宙工学の研究者でも何でもない。それゆえ、どのようにシミュレーションしているのか、詳細はわからないため、イメージできるギリギリのところは、地球上からどうやって小惑星の軌道を観測するのか?というところである。まずはそこを小目標①としたい。

 

小惑星の観測について こちらより抜粋

惑星探査を行うには探査対象を前もってよく調べておくことが重要である。対象天体の軌道、大きさ、反射率、自転、大まかな表面状態や組成は探査機や観測装置の設計に重要な基礎情報である。そのような基本情報を得るために、時には自分たちの望遠鏡で、時には大望遠鏡の観測時間を獲得して、また時には国内外の研究者に協力を呼びかけて、目指す探査に必要な情報を獲得していくのが基本となる。

 

地上観測で小惑星の大きさや形状を正確に求めることは実は簡単なことではない。小惑星の3次元形状モデル作成には小惑星を可視光で様々な角度から観測しなければならないが、それには小惑星と地球と太陽がちょうどいい位置関係になる時を何年も待たなければならない。さらに小惑星からの熱放射の情報が必要で、それらの情報を合わせたモデルを作る。しかしこの方法にはいくつかの仮定が介在するので、あまり精度はよくない。小惑星の大きさと形状を決めるにはもっと直接的な方法がある。

 

それは小惑星が後ろにある恒星を隠す掩蔽(日食と同様の現象です)現象を利用することである。恒星が隠れた時刻とその継続時間を地上の複数個所で測定し、小惑星の大きさと形を浮き彫りにする。掩蔽現象は地球上の限られた場所でしか見えないが、これまではその場所の予報精度が悪く、広い範囲に観測地点を散らばらせての観測が必要だった。しかし最近の恒星の位置を詳しく観測するガイア天文衛星の活躍で、恒星の位置精度が格段に上がったことで、この観測方法も現実的な人員と機材での可能な見込みが立ってきた。

 

実際のところは、掩蔽観測は、観測地点が多ければ多いほど精度が良くなるので、なるべく大規模なチームを編成するのが望ましい。惑星探査研究センターでは、国内外での人的ネットワークを活用し、プロ・アマ合同の観測チームを編成して2019年夏から秋にかけてPhaethonによる恒星食の観測キャンペーンを展開している。掩蔽観測はこれから小惑星の大きさや形状を知る重要なツールになるので、より強固な観測ネットワークを構築し目指している。

 

惑星探査研究センター(PERC)とは、2009年4月から千葉工業大学で始動された研究機関だ。惑星探査には、惑星環境を模した実験装置や新しい観測機器の開発など、未知の領域も多いため、先端的な科学技術が要求される。そのためには、日本のJAXAをはじめ、NASA(米国)やESA(欧州)など国内外の国家的プロジェクトと連携した活動が必要である。また、千葉工業大学には、高度なロボットを開発するfuRo(未来ロボット技術研究センター)や学科の枠を超えた工学技術の連携体制が整っている。PERCが知識の領域を広げるためには、この大学の優れたロボティクスや先端技術を応用し、惑星探査の研究に役立てようと考えているという。

 

・天体の高速道路 以下、こちらより抜粋

一方、海外でもユニークな研究がたくさん行われている。セルビアベルグラード天文台らの研究チームは、観測データとシミュレーションデータの解析により、物体が太陽系を高速で移動できる「天体の高速道路(セレスティアル・アウトバーン)」を発見した。このルートを活用することで、より速くより遠くに宇宙探査機を送れると期待されるほか、地球と接触するおそれのある地球近傍天体(NEO)の研究やモニタリングにも役立つとみられる。

セルビアベルグラード天文台や米カリフォルニア大学サンディエゴ校らの研究チームは、観測データとシミュレーションデータの解析により、この「天体の高速道路」が、「宇宙多様体」と呼ばれる目に見えない構造の内側でアーチ状につながって構成され、各惑星が独自の多様体を生成してこれをつくりあげていることを明らかにした。一連の研究成果は、2020年11月25日に学術雑誌「サイエンスアドバンシズ」で発表されている。

Solar-System-Superhighway.gif


研究チームは、太陽系内の無数の軌道の数値データを収集し、既知の宇宙多様体とどのように適合しているかを計算。カオスの検出に用いられるFLI法により、宇宙多様体の存在とその全体的な構造を検出し、軌道の時間の尺度に作用する不安定性をとらえた。「天体の高速道路」で最も顕著な例は、木星とその強い重力に関連するものだ。公転周期が20年の木星系彗星や木星海王星の間の軌道を公転する小惑星ケンタウルス族」は、このような多様体によって時間の尺度が制御され、その一部は木星と衝突したり、太陽系から放出されたりする。

 

約2000個の粒子は、多様体によって引き起こされた接近遭遇により有界な楕円軌道から非有界の双曲線軌道に遷移し、平均して38年で天王星の距離に、46年で海王星の距離に到達した。最も速いものは10年足らずで海王星に達し、そのうちの70%は100年で100AU(約150億キロメートル)を移動するという。

 

一連の研究成果は、宇宙探査機をより速く、より遠くへ移動させるための手段の研究開発に向けた第一歩として意義がある。また、研究チームは、「このような宇宙多様体が地球の近くでどのように振る舞い、地球-月系で増加している人工物体や、小惑星や隕石との遭遇をどのように制御するのかについても、さらなる研究が必要だ」と指摘している。

 

 

このように研究には様々な英知が必要となる。単に質量や放射エネルギーなどの相互作用だけではない。時間という概念をも狂わせる。こうなると、民間企業では営利目的であるため、研究は難しい。やはり大学などの研究機関が主となり、研究を推し進めて行くしか無いのであろう。ただ、残念ながら宇宙工学の研究において、日本の大学のレベルは世界からみれば低い。宇宙工学の研究をするのであれば、アメリカへいった方が良いのかもしれない。

 

そこで、我々民間企業ができることは、日本の宇宙工学の研究レベルを底上げすることなのではないだろうか。もっとたくさんの人々に太陽系という生命体の存続危機を議論してもらい、シミュレーションや衛星等の技術開発に携わってもらう必要があるのだろう。また、シミュレーションしてもらうためには、各大学へスーパーコンピューターを納入し、使ってもらうことも必要なのだろう。スーパーコンピューターだけでなく、量子コンピュータの実用化が現実味を帯びるなどしてきて最近、欧米や中国など世界的に量子技術研究に力を入れる政府が増えている。

 

日本政府もそういった流れの中で2020年、「量子技術イノベーション戦略」を策定。この戦略に基づいて産官学が結集し、基礎研究から技術の実証、人材育成まで多角的に取り組み、海外の研究者らとも交流して国際的な研究を行う「量子技術イノベーション拠点」を創設することを決めた。選ばれたのは、量子コンピュータの開発拠点として理研、そのほか、産業技術総合研究所東京大学-企業連合、大阪大学情報通信研究機構量子科学技術研究開発機構物質・材料研究機構東京工業大学の八つだ。2018年に一足先に始まっていた文部科学省の大型研究プロジェクト「光・量子飛躍フラッグシップ・プログラム(Q-LEAP)」においてヘッドクォーターの一つを担っていた理研は、8拠点のまとめ役である「中核組織」の役割も担う。

 

我々民間企業ができることは、宇宙工学の研究、シミュレーションのレベルアップのためにも、量子コンピュータの使い手を増やすこと、さらには量子コンピュータそのものも中国やアメリカに劣ること無く、現実化させることに注力をしていけばよいのであろう。ここに人材を投資し、資金を投資していくことが小目標①となり得るのであろうと思う。