第10次元:太陽系という生命体の方向性⑤

先に組織のバランスについて記載した。いかにバランス感覚が重要かが理解できたと思う。ぜひやってもらいたい。さらに、もう1つ組織のバランスで付け加えるとしたら、以前から記載している第1次元~第10次元までの視野をバランス良く持つことであろう。何せ、第1次元~第10次元までの生命体の維持・運営の仕組みを参考にすれば、第3次元:ティール組織という生命体の維持・運営の方法が全然違って見えてくるのだから!

 

ということで、今回は、第10次元:太陽系という生命体について見ていくことにする。太陽系という生命体が、今後どのような方向性に進んでいくのであろうか、それを見ていきたい。

 

水星について 

太陽系で最小の惑星が、水星である。水星の赤道面での直径は4879.4 kmと、地球の38パーセントに過ぎない。木星の衛星の1つのガニメデや、土星の衛星の1つであるタイタンよりも小さい。なお、水星に衛星や環は無い。水星には半径 1,800 km 程度の核が存在する。これは惑星半径の3/4に相当し、水星全体では質量の約 70 % が鉄やニッケル等の金属、30 % がケイ酸塩で出来ている。平均密度 5,430 kg/m3は地球と比べわずかに小さい。核の比率が大きい割に密度がそれほど高くないのは、地球は自重によって惑星の体積が圧縮され密度が高くなるのに対し、小さな水星は圧縮される割合が低いためである。

 

地球中心部の圧力は366万気圧に達するのに対し、水星中心部は約25から40万気圧にとどまる。しかし、天体の大きさと平均密度の相関関係では、水星は唯一他の地球型惑星が示す傾向から60%程度重い方向に外れている。自重による圧縮を除外して計算された平均密度は、水星が 5,300 kg/m3、地球が 4,000-4,100 kg/m3となり、水星のほうが有意に高い値をとる。

 

水星の体積は地球の 5.5 % に相当する。しかし地球の金属核は 17 % にすぎないのに対し、水星の金属核はその 42 % を占める。核は地球の内核外核のように、固体と液体に分離していると見られている。核の周りは厚さ 600km 程度の岩石質マントルで覆われているが、これは他の岩石惑星と比べごく薄いためマントルの対流が小規模となり、惑星表面に特有の影響を及ぼした可能性が指摘されている。地殻は、厚さ 100-300km と推測されている。

 

水星は太陽系の他のどの天体よりも鉄の存在比が大きい。この高い金属存在量を説明するために、主に3つの理論が提唱されている。

  • 1つ目は、水星は元々ありふれたコンドライト隕石と同程度の金属-珪酸塩比を持ち、その質量が現在よりも約2.25倍大きかったが、太陽系形成の初期に水星の 1/6 程度の質量を持つ原始惑星と衝突したために元々の地殻とマントルの大部分が吹き飛んで失われ、延性を持つ金属核は合体したために比率が高い現在の姿になったという理論である。これは地球の月の形成を説明するジャイアント・インパクト理論と同様なメカニズムであり、「巨大衝突説」と呼ばれる。また、このような現象は原始惑星形成時から起こり、水星軌道では選択的に金属が集まりやすかったという「選択集積説」も有力な仮説として唱えられている。
  • 2つ目は、水星が原始太陽系星雲の歴史のごく初期の段階に形成され、その時には未だ太陽からのエネルギー放射が安定化していなかったことが原因という理論である。この理論では、当初水星は現在の約2倍の質量を持っていたが、原始星段階の太陽が収縮するにつれて活動が活発化してプラズマを放出し、このために水星付近の温度が 2,500 - 3,500 K、あるいは 10,000 K 近くにまで加熱された。表面の岩石がこの高温によって蒸発して岩石蒸気となり、これが原始太陽系星雲風によって吹き飛ばされたために地殻部分が痩せ細って薄くなったという。これは「蒸発説」と呼ばれる。
  • 3つ目は、原始太陽系星雲からの太陽風が水星表面に付着していた軽い粒子に抗力を生じさせ、奪い去る現象が重なったという理論である。他にも、水星は地殻部分がコアとマントルの冷却よりも先に形成されたため、これが影響したという説もある。

 

・水星の表面温度

表面の平均温度は 452K(179 ℃)であるが、温度変化は 90-100 K から 700 K におよぶ。水星は公転と自転が共鳴しているため、近日点において特定の2箇所が南中を迎え最高温度の700Kに達する。この場所は「熱極」と呼ばれ、カロリス盆地とその正反対側が当たる。遠日点では500K程度になる。日陰部の最低温度は平均110Kほどである。太陽光は地球の太陽定数の4.59-10.61倍に相当し、エネルギー総計では 3,566 W/m2 となる。

 

このような高温に晒されながら、水星には氷の存在が確認されている。北極と南極に近く深いクレーターの中には太陽光が当たらない永久影となる部分があり、温度が102K以下に保たれている。この反射現象は他にも原因を考えうるが、天文学者は水の氷が存在する可能性が最も高いと考えている。2012年6月、メッセンジャーが撮影した極地の画像により、氷が存在する可能性が裏付けられたと、ジョンズ・ホプキンズ大学などの研究チームが発表した。この氷の量は 10×1014 - 10×1015 kg 程度であり、レゴリスが覆うことで昇華から防がれていると考えられる。なお、地球の南極に存在する氷は4 ×1018kg、火星の南極には10×1016kg程度の水の氷があると言われる。

 

水星に氷があるとしたら、まずその水分はどうやってこの星にやってきたのであろうか?これまでの有力な説は小惑星が水星に水を運んできたというものである。しかし、では小惑星はどうやって水を得たのかという問題が生まれる。水星は常に強い太陽風の中にある。水星の磁場は地球の1%程度しかないが、この太陽風との影響により、惑星表面には強力な磁気竜巻のようなもので包まれている。

 

ここでは太陽風で運ばれた陽子(水素陽イオン)が大規模に取り込まれ水星の地表へと取り込まれていく。こうして水星の土壌には取り込まれた陽子は、鉱物中にヒドロキシル基(OH)を形成する。これが小惑星の衝突などで巻き上げられたとき、強力な太陽光線の熱によって分解、再結合されて水分子(H2O)と水素(H)を作り出すのだ。こうして生まれた水分子は、太陽風と水星の磁場で生まれる激しい磁気に飛ばされて、水星を巡ることになる。そして一部は、極点近くのクレーターの中に落ちる。そこには永久的な太陽の影ができており、そこで水は氷になって留まることになるのである。

氷のできたクレーターの概念図。/Credits: UCLA/NASA

 

水星は太陽系惑星ではもっとも小さく、実際月より多少大きい程度のサイズしかない。見た目も月にそっくりで、表面が凸凹しているが、これは水星が大気を持たないため、小惑星の衝突を防ぐことができないからである。水星は太陽に近いため日中温度は400℃に及ぶ。しかし、夜間の温度は逆に-200℃まで低下する。極端な温度環境では、いくら極点といえど、永久的な水氷が生まれることは難しいようにも感じられるが、この高温環境が水を作り出し、ボコボコのクレーターが極点に永久的に太陽光の届かない日影を作り出しているのである。水星は大気が存在しないため、日影に入り込んだ場合、そこに熱を伝える手段がない。そのため、永久的な影には永久氷河が出来上がるのである。

 

地球よりもさらに近い水星は、最も太陽に近いので太陽風の影響を強く受けてしまい、大気が吹き飛ばされてしまう。一方、地球には重力があるため、地表に立つことができているが、この重力には大気をとどめておく役割がある。だが、水星には質量が少なく、重力もあまりない。そのため、水星の表面の温度は差が激しくなってしまうのだ。

 

 

これは、第3次元:会社という生命体にも大いに当てはまる。太陽の役割を社長が担い、水星の役割をシステム部が担うとしよう。すると、システム部は近すぎるため強烈な太陽風を浴びて大気が吹き飛ばされてしまう。つまりは、システム部が独自の大気を纏い、独自で思考していくということは難しいと言うことだ。さらに、社長が強烈に推し進める分野には強烈な光を浴びて熱極になるが、社長が気にとめない分野に関しては、それが社会的に重要な分野であったとしても光を浴びず永久氷河となってしまう。

 

これが大気を纏わない惑星の宿命なのだ。大気を纏わないゆえに、他の小惑星の衝突も防ぐことが出来ないため、地表はボコボコになっている。まるでシステム部はサンドバックかのように、他の部署からの衝突を防げないのだ。これが、宇宙の仕組みなのだから。それゆえ、大気を纏っている木星(製造部としよう)や土星(設計部としよう)などの惑星が自我を貫くことができるのに対し、水星(システム部としよう)や金星(財務部としよう)や火星(企画部としよう)は実直に、他の部署との関係を構築していかねばならないということだ。

 

本当に宇宙の仕組みは、会社の仕組みによく当てはまる。とても参考になる。