第9次元:地球という生命体の方向性④

先に組織のバランスについて記載した。いかにバランス感覚が重要かが理解できたと思う。ぜひやってもらいたい。さらに、もう1つ組織のバランスで付け加えるとしたら、以前から記載している第1次元~第10次元までの視野をバランス良く持つことであろう。何せ、第1次元~第10次元までの生命体の維持・運営の仕組みを参考にすれば、第3次元:ティール組織という生命体の維持・運営の方法が全然違って見えてくるのだから!

 

ということで、今回も、第9次元:地球という生命体について見ていくことにする。地球という生命体が、今後どのような方向性に進んでいくのであろうか、それを見ていきたい。

 

・目標12のターゲット(SDGs) 以下、こちらより抜粋

フードロス:それぞれの食べ物が捨てられる量

世界で生産されている食料のうち3分の1が、生産から消費にいたる道筋のなかで、捨てられてしまっている。食材別の状況を見てみよう。

 

・肉類20%:世界で2億6300万トンのお肉が生産され、そのうち、約20%が捨てられている。これは7500万頭の牛に相当する。

 

・いも類45%:北アメリカとオセアニアだけで、581万4000トンのいも類が、実際に買ったり食べたりする段階だけで捨てられている。10億袋分以上のジャガイモに相当する。

 

・果物・野菜45%:果物や野菜はすべての食べ物の中でも捨てられている割合が高い食料である。リンゴでいうと、3.7兆個のリンゴに相当する。

 

・乳製品20%:ヨーロッパだけでおよそ20%、2900万トンの乳製品が毎年捨てられている。これは5740億個の卵に相当する。

 

穀物30%:先進工業国では、2億8600万トンの穀物が捨てられている。これは全体のおよそ30%に相当する。

 

・魚介類35%:漁業で網にかかった魚のうち8%は、市場へ出ることなく海へ返される。その多くは死んでしまったり、死にかけていたり、ひどく傷ついたりした魚だ。30億匹のアトランティック・サーモンに相当する。

 

世界全体で、昔と比べ経済は成長し、技術も大きく発展してきた。しかし、その裏では膨大な自然破壊が伴っている。食べ物や水といった生活する上で必要なあらゆるものを与えてくれている地球は、限界に近づいている。大量に生産し、大量に消費する。今これを変えなければならない時が来ているのだ。

 

こうした状況を変えるためには、生産者が限られた資源を効率よく使い、地球に優しい方法でものづくりをしていくこと。そして、消費者もゴミを減らす(Reduce)、繰り返し使う(Reuse)、資源を循環する(Recycle)という“3R”を実践することが求められている。

 

万能の解決方法は存在しないが、一部の町やコミュニティにおけるウェイスト・ゼロ・シティー(廃棄物ゼロ型都市)の取組みが、廃棄物問題に対して経済的に健全で効果的な解決方法であり、また、分別、使い捨てプラスチックの禁止、市民参加の奨励などを通して大きな経済的、社会的、環境的利益をもたらしていることを示している。以下、こちらより抜粋

2018年度にリサイクル率80.7%を達成した山村、上勝

徳島県勝浦郡上勝町は、徳島市中心部から車で1時間ほどの距離にある、人口約1500人の小さな町だ。この町では、ゴミ収集車は走らない。住民は、生ゴミは自宅のコンポストで堆肥にし、びんや缶、プラスチック類や紙、布などは、自らゴミステーションに持ち込んで分別する。分別は実に13種類45品目に及ぶ。町を挙げての努力の甲斐あって、2018年度にはリサイクル率80.7%を達成した。ちなみに、全国平均は19.9%だ(環境省:平成30年度一般廃棄物処理実態調査)。

 

上勝町のゴミ対策の歴史は長い。ゴミ焼却場を持たない上勝町では、1997年まで野焼きを行っていた。1998年に小型焼却炉を2基設置するが、ダイオキシンの排出基準を満たせなくなり、3年後に廃止を余儀なくされる。「このとき、新たに焼却炉を設けるのではなく、ゴミそのものを減らす方針に転換したのです」と、町役場は説明する。ゴミ処理費の増大を回避するための、苦肉の策でもあった。2001年には35分別を開始、2003年の「ゼロ・ウェイスト宣言」に至る。上勝町は2003年に日本初の「ゼロ・ウェイスト(ごみ排出ゼロ)宣言」を行い、ゴミの焼却・埋め立て量の削減や、リサイクル率の向上に取り組んできた。

 

「ゼロ・ウェイスト宣言」の前文にはこうある。「上勝町は、焼却処理を中心とした政策では次代に対応した循環型社会の形成は不可能であると考え、先人が築き上げてきた郷土『上勝町』を21世紀に生きる子孫に引き継ぎ、環境的、財政的なつけを残さない未来への選択をまさに今、決断すべきであると確信いたします。」 2005年にはNPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーが発足、町から業務委託を受けてゴミステーション<WHY>を運営するなど、官民連携によるゼロ・ウェイスト推進が始まったのだ。

 

<WHY>には、ゴミステーションのほかに5つの機能がある。町民がまだ使える不要品を持ち込み、欲しい人が無料で持ち帰れる「くるくるショップ」。町民の憩いの場であり、レンタルスペースとして講演会やワークショップにも利用できる「ラーニングセンター&交流ホール」。企業や研究機関との協働を目指す「コーポレーティブラボラトリー」。町民の要望で設置した「コインランドリー」。そして、宿泊体験施設「HOTEL WHY」だ。<WHY>のために設立された会社BIG EYE COMPANYは、指定管理者としてゴミステーション以外の運営を担うが、町から指定管理料は受け取らず、施設から得る収益で、独立採算で事業を営む。「まだリサイクルしきれていない、残り20%のごみをどうするか、企業や研究機関と一緒に取り組みたい」と意気込みを語る。

 

例えば、上勝町で焼却・埋め立てされる20%のごみの中には、使い捨てのおむつや生理用ナプキン、ペットシートなどがあり、それらは製品そのものがリサイクルできない構造だ。自治体によってはバイオマスエネルギーに変換しているところもある。今後<WHY>では、上勝町とともにリサイクル率100%に取り組んでいただけるアイディアや意欲をお持ちの企業のサテライトオフィスを誘致し、ごみのない社会を目指していきたいと考えているという。

 


ここで改めて確認すると、目標12の各ターゲットは以下の通りとなっている。

ターゲット

12.1

持続可能な消費と生産の10年計画※を実行する。先進国がリーダーとなり開発途上国の開発の状況や対応力も考えに入れながら、すべての国が行動する。(※持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み:2012年の国連持続可能な開発会議(リオ+20)で決められた。各国からの拠出金で設立された基金を通じて、二酸化炭素の排出を減らすライフスタイルと持続可能な消費と生産を実現する社会の仕組みを作ることを目指した計画)

12.2

2030年までに、天然資源を持続的に管理し、効率よく使えるようにする。

12.3

2030年までに、お店や消費者のところで捨てられる食料(一人当たりの量)を半分に減らす。また、生産者からお店への流れのなかで、食料が捨てられたり、失われたりすることを減らす。

12.4

2020年までに、国際的な取り決めにしたがって、化学物質やあらゆる廃棄物(ごみ)を環境に害を与えないように管理できるようにする。人の健康や自然環境に与える悪い影響をできるかぎり小さくするために、大気、水、土壌へ化学物質やごみが出されることを大きく減らす

12.5

2030年までに、ごみが出ることを防いだり、減らしたり、リサイクル・リユースをして、ごみの発生する量を大きく減らす。

12.6

とくに大きな会社やさまざまな国で活動する会社に、持続可能な取り組みをはじめ、会社の成果を報告する定期的なレポートに持続可能性についての情報をふくめるようにすすめる。

12.7

国の政策や優先されることにしたがって、国や自治体がものやサービスを買うときには、それが持続可能な形で行われるようすすめる。

12.8

2030年までに、人びとがあらゆる場所で、持続可能な開発や、自然と調和したくらし方に関する情報と意識を持つようにする。

12.a

開発途上国が、より持続可能な消費や生産の形をすすめられるよう、科学的および技術的な能力の強化を支援する。

12.b

地域に仕事を生み出したり、地方の文化や特産品を広めるような持続可能な観光業に対して、持続可能な開発がもたらす影響をはかるための方法を考え、実行する。

12.c

資源のむだづかいにつながるような化石燃料(石油など)に対する補助金の仕組みを変える。そのために、各国の状況に応じて、税金の制度を改正したり、有害な補助金があれば環境への影響を考えて段階的になくしたりして、化石燃料が適正に売り買いされるようにする。そのとき、開発途上国の状況や必要としていることなどを十分に考え、貧しい人や影響を受けるコミュニティが守られるようにして、開発にあたえる影響をできる限り小さくする

 

 

いかがであろうか。目標12に対して、意識している人や企業は以外に少ない。今後、意識を高め、取り組みを実際にしていかねばならない。そのためにも、多くの発信を行い、仲間を募り、成果をだしていくという動きが必要となる。2030年に向けて、さらに加速して行動を起こしていかねばならないのだから。以下に、企業の取り組み事例の1つをご紹介したい。

 

■取り組み事例①:土に還るプラスチック(GSアライアンス )

資源のサイクルを閉じる製品デザインをご紹介しよう。兵庫県に本社を置く会社であるGSアライアンス株式会社 はナノ・サクラ という100%天然バイオマス系素材の生分解材料でできたプラスチックを開発した。会社HPによると、

セルロースナノファイバーや植物、木材、廃木材、間伐材、竹、古紙などの、あらゆるバイオマス系リサイクル材料を複合化させた生分解性樹脂材料や、デンプン、及び非可食性バイオマスであるセルロース系の生分解性樹脂など、NANO-SAKURA には、さまざまな種類の新素材があります。

GSアライアンス株式会社ウェブサイト

これにより、石油の使用料ゼロ、生産・使用・廃棄の過程でCO2の排出ゼロを実現している。現在、海に捨てられたプラスチックごみが生態系を壊し、細かくなったマイクロ・プラスチックが私たちの食す魚介類の中に入っていることなどが注目を集め、次世代の環境にいいプラスチックが求められている。

 

■取り組み事例②:茶殻リサイクル(伊藤園

資源のサイクルを閉じる、つまり、廃棄物の活用やリサイクルを通して資源を循環させる事例を紹介しよう。伊藤園では3R(リデュース、リユース、リサイクル)に取り組み、廃棄物の削減に努めている。その一例として、茶殻を資源に変える「茶殻リサイクルシステム」がある。伊藤園のウェブサイトによると、

製造工程で排出される茶殻の大部分は堆肥や飼料として再利用していますが、さらに伊藤園では独自の「茶殻リサイクルシステム」を開発しました。茶殻の一部を紙製品・建材・樹脂などに配合し、協力企業でさまざまな製品を製造販売しています。これにより原材料の使用量が削減でき、省資源化が図れます。
また茶殻を、水分を含んだまま、紙などの資材に配合するため、茶殻乾燥時の石油資源消費などに伴うCO₂発生が抑制され、省資源・CO₂ 削減・リサイクルという3つの環境配慮の特色があります。

伊藤園ウェブサイト

廃棄物をまだ使える資源とみて、循環させることで、資源のサイクルを閉じることに成功している。

ほかにもいろんな事例があるが、一人一人が行動していくことが重要となる。今後も、進んで行動していきたい。