第9次元:地球という生命体の方向性③

先に組織のバランスについて記載した。いかにバランス感覚が重要かが理解できたと思う。ぜひやってもらいたい。さらに、もう1つ組織のバランスで付け加えるとしたら、以前から記載している第1次元~第10次元までの視野をバランス良く持つことであろう。何せ、第1次元~第10次元までの生命体の維持・運営の仕組みを参考にすれば、第3次元:ティール組織という生命体の維持・運営の方法が全然違って見えてくるのだから!

 

ということで、今回も、第9次元:地球という生命体について見ていくことにする。地球という生命体が、今後どのような方向性に進んでいくのであろうか、それを見ていきたい。

 

・目標14のターゲット(SDGs) 以下、こちらより抜粋

以下は、2012年6月に開催された「国連持続可能な開発会議」(「リオ+20」)で示された、海洋汚染に関わるデータである。

  • 世界の海洋汚染の約80%は、陸の活動で発生した汚染(農業活動による流出物、栄養素や農薬の排出、プラスチックを含む未処理の下水など)によるもの。処理されることなく排出される農業排水、沿岸の観光、港湾の開発、河川のせき止め、都市開発と建設、鉱業、漁業、養殖業、および製造は、沿岸および海洋にくらす生き物の生態を脅かす海洋汚染の原因となっている。

  • 下水や農業排水に含まれる過剰な栄養素が海に流出することで、ほとんどの海洋生物が生存できなくなる「デッドゾーン」と呼ばれる低酸素(貧酸素)地域の数が増えている。現在、世界中で500近くのデッドゾーンが確認されており、その面積は24万5000km²以上に及び、イギリスの国土の広さとほぼ同じくらいである。

  • 毎年2億2000万トンを超えるプラスチックが生産されている。プラスチックは、非常に便利なもので、とても軽いので、様々なもののパッケージに利用されるほか、電話、コンピューター、医療機器などにも欠かせない。しかし、適切な廃棄方法が検討されていないことがよくある。

  • 国連環境計画は2006年に海の1平方マイルごとに4万6000個の浮遊プラスチックが含まれていると推定した。廃棄されると、プラスチックは風化し、マイクロプラスチックと呼ばれる非常に小さな破片になる。これらは、プラスチック製のペレットとともに、世界中のほとんどの海岸ですでに見られる。プラスチックの破片により、毎年100万羽以上の海鳥と10万以上の海洋哺乳類が死んでいる。

世界の下水処理の現状

高所得国では、平均して、生活排水や産業排水の約70%を浄水処理してから排出している。しかしその比率は、中所得国の中でも上位の国では38%、中所得国の中でも下位の国では28%にまで低下している。そして、低所得国では、わずか8%しか浄水処理がされていない。世界全体で見てみると、家庭からの排水や産業排水の約80%が未処理のまま、川や海に垂れ流しになっていることになる。高所得国では、環境を守るため、そして水不足の時には浄水した水を再利用できるようにするために、高度な浄水処理を整えている。しかし、そうしたインフラを整える資金や技術がなかったり、排水を規制する法律や制度がなかったりする開発途上国では、生活排水や産業排水を未処理のまま川や海に垂れ流すことは、一般的な慣行であり続けている。

 

海洋資源は尽きることはない?

1960年から1990年にかけて、世界の漁獲量は急激に増加した。しかし、1990年以降、その増加は頭打ちになっている。なぜであろう?魚やエビ、貝などの海洋資源は生き物だから、卵を産み、繁殖することで、その数を増やしたり、保ったりしている。しかし、魚やエビ、貝などの海の生き物を人間がとりすぎてしまうと、海の生き物は繁殖するチャンスを失って、個体数が減ってしまう。そうなると、人間がいくらがんばって漁をしても、網にかかる生き物は減っていくのである。現在では、絶滅が心配されるような魚介類まで出てくるようになってしまった。

 

生き物が繁殖していくスピードや個体数の把握など科学的な知識を生かし、とりすぎないように管理していけば、海の恵みは「持続可能」な資源になりえる。しかし、世界の国々が協力して上手に管理できず、奪い合うように海の生き物をとると、海の恵み(海洋資源)はいつか「枯渇」してしまうかもしれない。そうなると、海の恵み(海洋資源)をいただく私たちも、海で漁をして生計を立てている人たちも大変困ることになる。そして、残念なことに、生物学的に「持続可能」な水準にある魚類資源の割合は1974年の90%から、2015年には67%へと減少してしまっている。国連ホームページ "SDGs Report 2019 -Goal14"9


海の恵み(海洋資源)を守るために、漁獲量を管理し、調整することが大切だが、一国だけが漁獲量を調整しても、他の国がその魚を乱獲しては、いずれその魚が海から消えてしまうかもしれない。世界は海でつながっているので、海洋資源を守るためには国際社会で協力していくことが必要不可欠である。

 

 

ここで改めて確認すると、目標14の各ターゲットは以下の通りとなっている。

ターゲット

14.1

2025年までに、海洋ごみや富栄養化※など、特に陸上の人間の活動によるものをふくめ、あらゆる海の汚染をふせぎ、大きく減らす。(※富栄養化:水の中に、プランクトンなどの生物にとって栄養となる成分(リンやちっ素など)が増えすぎてしまうこと。赤潮の原因になるなど、生態系に影響を与えるといわれている。)

14.2

2020年までに、海と沿岸の生態系に重大な悪い影響がでないように、回復力を高めることなどによって、持続的な管理や保護をおこなう。健全で生産的な海を実現できるように、海と沿岸の生態系を回復させるための取り組みをおこなう。

14.3

あらゆるレベルでの科学的な協力をすすめるなどして、海洋酸性化※の影響が最小限になるようにし、対策をとる。(※海洋酸性化:人間の活動によって大気中に放出された二酸化炭素を海が吸収し、海水がより酸性になること。これによってたとえばサンゴが育たたなくなると、サンゴをすみかにしているさまざまな生き物も影響をうけるなど、海の生態系に大きな影響をおよぼすといわれている。)

14.4

魚介類など水産資源を、種ごとの特ちょうを考えながら、少なくともその種の全体の数を減らさずに漁ができる最大のレベルにまで、できるだけ早く回復できるようにする。そのために、2020年までに、魚をとる量を効果的に制限し、魚のとりすぎ、法に反した漁業や破壊的な漁業などをなくし、科学的な管理計画を実施する

14.5

国内法や国際法を守りながら、手に入るもっともよい科学的な情報に基づいて、2020年までに、少なくとも世界中の沿岸域(海岸線をはさんだ陸と海からなる区域)や海域の10%を保全する

14.6

2020年までに、必要以上の量の魚をとる能力や、魚のとりすぎを助長するような漁業への補助金を禁止し、法に反した、または報告や規制のない漁業につながるような漁業補助金をなくし、そのような補助金を新たに作らないようにする。その際、開発途上国やもっとも開発が遅れている国ぐにに対する適切で効果的な、特別な先進国と異なる扱いが、世界貿易機関WTO)の漁業補助金についての交渉の重要な点であることを認識する。

14.7

漁業や水産物の養殖、観光を持続的に管理できるようにし、2030年までに、開発途上の小さい島国や、もっとも開発が遅れている国ぐにが、海洋資源を持続的に利用することで、より大きな経済的利益を得られるようにする

14.a

より健全な海をつくり、開発途上国、特に開発途上の小さい島国や、もっとも開発が遅れている国ぐにおいて、海洋生物の多様性がその国の開発により貢献できるように、ユネスコ政府間海洋学委員会の基準・ガイドラインを考えに入れながら、科学的知識を増やしたり、研究能力を向上させたり、海洋技術が開発途上国で使えるようにしたりする

14.b

小規模・伝統的漁業者に対する、漁業および市場へのアクセスを提供する。

14.c

「私たちが望む未来」※で言及されたように、海と海洋資源保全と持続可能な利用のための法的な枠組みを定めた国際法国連海洋法条約)を実施して、海と海洋資源の保護、持続可能な利用を強化する。(※「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」で採択された文書。158段落目で国連海洋法条約や海洋保全の大切さを述べている。)

 

 

いかがであろうか。目標14に対して、意識している人や企業は以外に少ない。今後、意識を高め、取り組みを実際にしていかねばならない。そのためにも、多くの発信を行い、仲間を募り、成果をだしていくという動きが必要となる。2030年に向けて、さらに加速して行動を起こしていかねばならないのだから。以下に、企業の取り組み事例の1つをご紹介したい。

 

■取り組み事例①:大手ホテルチェーンの決断

インターコンチネンタル フィジー ゴルフリゾート&スパは、環境保護のためにプラスチック製ストローを使用しないことを目的とした「プラスチックストローフリー」キャンペーンを2018年に開始した。この取り組みにより、ホテル全体で年間5万本以上のプラスチック製ストローを使用する必要がなくなった。インターコンチネンタル フィジー ゴルフリゾート&スパの南太平洋地区総支配人は次のように述べている。「このプラスチックストロー廃止キャンペーンの導入により、私たちはプラスチックをより賢く管理、使用することで、より多くのホスピタリティ事業者に刺激を与えることができると考えています。生分解性の紙製ストローがプラスチック製ストローの代わりとなり、すべての店舗でお客様のご要望に応じて提供されることになります」

 

今回の発表は、インターコンチネンタル・ホテル・グループ(IHG)の各施設で行われているエネルギー消費の節約など、既存の環境対策に加えて行われたもの。また、インターコンチネンタル フィジーでは、「サンゴの植樹」や「サンゴ礁学」などの海洋保護活動を含む、地域の小規模なプロジェクトを推進している。これらの活動では、リーフサファリのチームが、サンゴ礁の重要性や海洋生態系に影響を与える問題についての教育を提供している。インターコンチネンタル フィジーは、世界的に有名なフィジーの温かさとホスピタリティを超えたサービスを提供し、フィジーを代表するホテルとしてSDGsへの取り組みを強化している。

 

 

■取り組み事例②:ポイ捨て禁止

”ペットボトル1本が完全に分解されるまでには、約450年もかかる。” フィジーではプラスチックがどのような影響を及ぼすかを考えずに、無造作に捨てられた廃棄物がそのまま多く残っている。特に問題となったのはゴミを不当に放置する習慣である。このような状況から、2008年には「Litter Act 2008」が制定された。これは車両からのポイ捨て、危険なポイ捨てを放置した場合など、さまざまな犯罪に対する罰則を定めた取り組みの一環だ。そしてこの2008年のLitter Actとその施行から10年以上が経過した。しかしその効果は非常に限定的であったと言われている。

 

水路・環境大臣もその効果について、この法令の実施は非常に困難であったと認めている。現在フィジーでは、市民の消費者意識の変革が最も重要だとし、国としてこの意識改革に取り組んでいる。廃棄物削減に向けた取り組みについては、こちらの記事にもまとめてある。SDGs|目標12|つくる責任 つかう責任|深刻化するフィジーの廃棄物問題

 

 

■取り組み事例③:日本水産株式会社

水産資源を調達し加工する事業を展開している日本水産株式会社では、水産資源を持続して利用できるような取り組みを行っている。水産物の消費は、世界中で拡大している。水産資源の利用可能性を考えるなら、養殖による供給も重要だ。日本水産では、国内外にいくつもの養殖拠点を設置している。AI・IoT技術を使った養殖魚の管理、自然に優しく消化しやすいEPペレット(飼料)、陸上養殖の実現など、安全でおいしい魚を持続して提供できるような取り組みを実施している。

 

 

■取り組み事例④:「捨てる」という概念を捨てる!容器再利用プラットフォーム「Loop」

アメリカのリサイクルベンチャーのテラサイクルジャパン(合)は、2021年3月よりイオンやP&G、味の素、キリンビール大塚製薬などが参加する容器再利用・リサイクルのショッピングシステム「Loop(ループ)」を開始すると発表した。大手メーカー21社の食品や飲料、洗剤、シャンプー、化粧品などをイオン店頭やECサイト「Loop」にて販売予定である。

 

「Loop」は、日用品の容器を使い捨てからリユース可能で耐久性のある機能的なデザインに変える循環型のショッピングプラットフォーム。簡単に言うと牛乳配達のようなビジネスモデルである。ユーザーが専用のウェブサイトから商品を注文すると商品が自宅に配達される。そして使用後に空き容器専用のバッグに入れて返送。再び商品を購入すると、洗浄して充填された商品が届く。商品購入の際に商品の金額に加えてデポジット(預り金)を支払い、容器を返却するとデポジットが返金される、という仕組みになっている。

 

かつて多くの商品は、ガラス瓶で家まで配達され、使用後に回収・再利用されていた。しかし、安くて便利な使い捨ての文化が一般的になるにつれて、ゴミ問題が台頭してきた。ゴミ問題の本質は、容器を軽く・安く作ったことで原料価値が減り、コストをかけてリサイクルする経済合理性がなくなったという点。そのため、便利さとコストの問題を同時に解決する必要がある。

 

10円で使い捨て容器を作るより、50円かけて30回使い回せる容器を作ったほうがコストを抑えられる。テラサイクルでは容器包装会社と協働し、「Loop」専用の容器の作り方やノウハウをメーカー側に伝えている。また、「Loop」では洗わずに捨てるのと同じ感覚で回収バッグに入れるだけでよい仕組みを創ることで、ユーザーにとっての利便性も叶えている。

 

アメリカでは既に多くのユーザーに「Loop」が利用されているが、何よりもまず便利でデザイン性が高いという理由で「Loop」を使っているという声が多いそうだ。日本での提供開始が待ち遠しいサービスである。https://loopjapan.jp/

 

 

ほかにもいろんな事例があるが、一人一人が行動していくことが重要となる。今後も、進んで行動していきたい。