第9次元:地球という生命体の方向性②

先に組織のバランスについて記載した。いかにバランス感覚が重要かが理解できたと思う。ぜひやってもらいたい。さらに、もう1つ組織のバランスで付け加えるとしたら、以前から記載している第1次元~第10次元までの視野をバランス良く持つことであろう。何せ、第1次元~第10次元までの生命体の維持・運営の仕組みを参考にすれば、第3次元:ティール組織という生命体の維持・運営の方法が全然違って見えてくるのだから!

 

ということで、今回も、第9次元:地球という生命体について見ていくことにする。地球という生命体が、今後どのような方向性に進んでいくのであろうか、それを見ていきたい。

 

・目標15のターゲット(SDGs) 以下、こちらより抜粋

SDGsの17の目標をウエディングケーキの形で説明した「SDGsウエディングケーキモデル」の土台に位置付けられているのが“生物圏”の概念だ。“生物圏”にあたる4つの目標(6、13、14、15)の中から、今回は目標15「陸の豊かさも守ろう」にスポットが当てる。まず、よく見てほしいのは『陸の豊かさ“も”守ろう』になっていることだ。その前の目標14が『海の豊かさを守ろう』になっていて、海を守るし、陸も守る、ということ。全部つながっているとわけだ。

 

目標15が言っているのは陸上の生態系。森であるとか、木であるとかいろいろあるが、そうした陸の生態系を守ろうということだ。陸は植物であり、生き物がいっぱいいるところ。アマゾン熱帯雨林が毎年減ってしまっているとか、インドネシアの森林が伐採されてしまっているとか、ニュースでもよく見ると思うが、森林でいうと毎年1300万ヘクタール、つまり東京都の59から60個分くらいの森林が毎年なくなってしまっている現状。南米のアマゾン、インドネシアの森林、アフリカのジャングルなどが失われている。この話は貧困とも密接に関係があって、農業をするよりも木を切り倒してそれを売ってしまうとか、その木を植え直さないで切り続けてしまうとか、そういったことが行われている。

 

ブラジルやペルーなど南米7カ国に広がるアマゾンは、日本の国土の約15倍に及ぶ550万平方キロメートルもの面積を誇り、それが失われている現状は、なかなか日本では実感しにくい部分でもある。ただ、地球上の酸素の2割を生み出しているといわれるほど、アマゾンは重要な役割を果たしており、生態系に及ぼす影響も計り知れない。世界最大の熱帯雨林であるアマゾンは『地球の肺』とも呼ばれているが、どんどん危険な状態になっている。これが失われると、温暖化にもつながっていき、大変な状況なのだ。

 

 

あとは、野生生物。年間4万種類の生物が絶滅していっている。生物って、その生き物を食べて生きている生き物もいて、全てが回っている。絶滅することで、生き物の循環自体がおかしくなってしまう面もある。また、生態系の保護は、新型コロナウイルスなど感染症パンデミックとも関わりがある。人間がどんどん開発を進めていけば、人間と動物の距離が近づいていき、動物だけの感染症だったものが人間にも広がってしまう。人間は移動する距離も多く、どんどん伝わってしまう。だから2000年以降、エボラ出血熱SARS(重症急性呼吸器症候群)など、動物が持っていたものが人間に広がっていく感染症が、非常に増えているのだ。それは、人間がどんどん自然を侵略していっている結果であろう。

 

目標15は、実は、今のコロナ禍にもつながっている非常に重要な目標でもある。例えば、森を守る『FSC認証』というマークがあるのだが、その認証されたものを買う、使うというのが一つの方法だと思う。ティッシュペーパーやトイレットペーパー、ノートにも認証紙というのがあるのだ。最近は洋服などのブランドでも、毛皮を無駄に使わない、絶対に使わないというところも出てきている。

あとはリサイクルやリユースを意識することであろう。最近、ファッション関係だとアップサイクル(本来捨てられるはずの廃棄物にデザインなど付加価値を持たせることで、別の新しい製品にアップグレードして生まれ変わらせること)というのもあって、リサイクル素材でプラスチックのペットボトルを服に代えていくとか、そういうものが出てきている。あとは地産地消であろう。最近、産地が書いてあったり、生産者の顔が写真で載っていたりする商品も増えているが、物が遠くに運ばれるということは、それだけCO2の排出が多くなるということ。地産地消なら、そこの部分をカットできるのも大きい。そして、地元も元気にする。


ここで改めて確認すると、目標15の各ターゲットは以下の通りとなっている。

<目標15のターゲット>

15.1 森や野原、川や湖の生態系を保全し、回復させよう

2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。

15.2 森林の劣化と減少を止め、豊かな森を未来に

2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。

15.3 砂漠化を食い止め、劣化した土地を回復させよう

2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する。

15.4 めぐみゆたかな山の生態系を守ろう

2030年までに持続可能な開発に不可欠な便益をもたらす山地生態系の能力を強化するため、生物多様性を含む山地生態系の保全を確実に行う。

15.5 多様な生物とその住処を保護し、絶滅の危機から救おう

自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる。

15.6 生物の遺伝子がもたらす利益を、公平に分け合おう

国際合意に基づき、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を推進するとともに、遺伝資源への適切なアクセスを推進する。

15.7 密猟や違法取引を、そろそろ撲滅しよう

保護の対象となっている動植物種の密猟及び違法取引を撲滅するための緊急対策を講じるとともに、違法な野生生物製品の需要と供給の両面に対処する。

15.8 外来種の侵入を防ぎ、地域の生態系を守ろう

2020年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海洋生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または根絶を行う。

15.9 生物多様性と豊かな生態系を維持し、私たちの暮らしに役立てよう

2020年までに、生態系と生物多様性の価値を、国や地方の計画策定、開発プロセス及び貧困削減のための戦略及び会計に組み込む。

15.a 生物多様性と生態系を守るための資金を、もっと調達しよう

生物多様性と生態系の保全と持続的な利用のために、あらゆる資金源からの資金の動員及び大幅な増額を行う。

15.b 開発途上国の森林を守るために、十分なインセンティブ

保全や再植林を含む持続可能な森林経営を推進するため、あらゆるレベルのあらゆる供給源から、持続可能な森林経営のための資金の調達と開発途上国への十分なインセンティブ付与のための相当量の資源を動員する。

15.c 密猟や違法取引に手を染めずに生活できるようにサポートしよう

持続的な生計機会を追求するために地域コミュニティの能力向上を図る等、保護種の密猟及び違法な取引に対処するための努力に対する世界的な支援を強化する。


2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。確かに「2020年までに」という文言が多く散見されるが、残念ながら世界的に、2020年までにこれは達成できていない。今、その次の目標を生物多様性国際会議で決めるところなので、それが決まると、この2020年までの目標というのも、新しい目標とリンクするようになるのだろう。

 

 

SDGsが掲げる17の目標全てに影響を及ぼす生物圏の課題

SDGsには17の目標があるが、それぞれが補完し合っている。今回のテーマは『陸の豊かさも守ろう』だが、それを支えるためにはいろいろなことができる。動物園でも、レストランで出しているストローを紙に変えるとか、地元の食材を使うとか、野生動物との関わりを考えてつくられ認証を得ているパームオイル意識的に使うとか、そういう形で生物多様性を守ることも必要だろう。

パームオイルは調理のほか、リップスティック、絵具、シャンプーなど多岐にわたって使われ、地球上で最も消費される植物油といわれている。このパームオイルを生むアブラヤシを植林するため、オランウータンの生息地である湿地林の原生植物が伐採されている現状が問題となっている。ちゃんとしたパームオイルを使うことで、オランウータンが守られる。オランウータンを守るためには、どうつくられたパームオイルかを意識しながら使うと、思わぬところで保護にもつながるのだ。

そして、そのことがパンデミックを防ぐことにもつながっていく。最近『ワンヘルス』という言葉が良く使われるのだが、「ワンヘルス(One Health)」とは、動物から人へ、人から動物へ伝播可能な感染症人獣共通感染症)は、全感染症の約半数を占めており、医師及び獣医師ら人、動物、環境衛生に関わる者が分野横断的に連携して取り組むという考え方。世界的に広がってきている。

『ワンヘルス』については、日本獣医師会日本医師会が覚書を交わし、一緒になって人の健康も動物の健康も、生態系の健康も守っていこうとしている。今までは動物の病気は獣医師さん、人間の病気は人のお医者さんに分けられてきたが、それだけでは本当の健康は守れないと気が付いたのであろう。そこで『ワンヘルス』という言葉のもとに、関連している業種の人が協力をして、地球全体の健康を守ることが、ひいては人の健康を守ることになるということに気が付いたのだ。

 

「人間も生態系の一部だということだ。」

 

いかがであろうか。目標15に対して、意識している人や企業は以外に少ない。今後、意識を高め、取り組みを実際にしていかねばならない。そのためにも、多くの発信を行い、仲間を募り、成果をだしていくという動きが必要となる。2030年に向けて、さらに加速して行動を起こしていかねばならないのだから。以下に、企業の取り組み事例の1つをご紹介したい。

 

■企業の取り組み事例「住友林業」|人工林を再生させ、森林の循環を促す

森林には「天然林」と「人工林」があるのをご存知だろうか?

【それぞれの違い】
・天然林:長い年月を掛けて、土地に適合するように自然とできた森林。
・人工林:人が苗木を植えるなどして作られた森林。同じ種類の草木が飢えられていることが多く、適切な管理が必要。

日本では、60~70年程前に人工林を作ったものの、海外から木材を輸入することが一般的となったため、管理が適切にされなくなり多くの人工林が荒れた状態で放置されてしまっている。住友林業では、人工林を適切に管理し、森林の循環を作ることを目指した取り組みを続けてきた。

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上質な木材を確保するために育ちの悪い木を間引くことで、栄養を行き渡らせて森林を元気にしたり、伐採した木を補う形で新たな苗木を植えたりと、気が遠くなるような管理を人の手で行っている。効率化を目指し、近年では最新技術も導入しているんだそう。全国に6ヶ所ある苗木を育てる施設から森林へ苗木を運ぶのはドローン!さらにパソコンを使った管理も進められているとのこと。最新の技術が林業を進化させているようだ。

 

ほかにもいろんな事例があるが、一人一人が行動していくことが重要となる。今後も、進んで行動していきたい。