第9次元:地球という生命体の方向性①

先に組織のバランスについて記載した。いかにバランス感覚が重要かが理解できたと思う。ぜひやってもらいたい。さらに、もう1つ組織のバランスで付け加えるとしたら、以前から記載している第1次元~第10次元までの視野をバランス良く持つことであろう。何せ、第1次元~第10次元までの生命体の維持・運営の仕組みを参考にすれば、第3次元:ティール組織という生命体の維持・運営の方法が全然違って見えてくるのだから!

 

ということで、今回は、第9次元:地球という生命体について見ていくことにする。地球という生命体が、今後どのような方向性に進んでいくのであろうか、それを見ていきたい。

 

・SDGsについて こちらより抜粋

世界が取り組むべきSDGsのスタートは2015年、ゴールは2030年。残された期間は9年です。その3分の1が過ぎようとする2021年現在、SDGsの取り組みは順調に進んできているのだろうか。「ハイレベル政治フォーラム(HLPF)」は国連が1年に一度、SDGsの進捗を確認するための国際会議です。2019年も7月、ニューヨーク国連本部で同会議が開催され、17の目標についての年次報告がなされた。国連 持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム(HLPF) 2019年報告書は非常に詳細なものであったが、特に重要な指摘として以下がある。

  1. よい成果として「極度の貧困の割合が低下」「予防接種の実績」「海洋保護区の倍増」などがあった。
  2. 最も大きな課題としては気候変動に歯止めがかかっていないことが挙げられた。
    • 過去4年間は記録上最も温暖となった
    • 同時に「海面上昇」「海洋酸性化」「土地の劣化」などが深刻化
    • 絶滅の危機にある動植物は100万種
  3. 他の重要課題として、「紛争」「災害」などの背景もあり極度の貧困が固定化していること、国際間および各国内の不平等が解消しないこと、世界人口の半数に医療サービスが届いていないこと、ジェンダー不平等で不利益を被る女性が減っていないこと、などが指摘された。

報告書の全文は国連ウェブサイト(英語)に掲載されている。「持続可能な開発目標(SDGs)報告2019」には報告書の主な内容がわかりやすくイラストと日本語でまとめられている。以上のように2019年は、SDGsの取り組みの全体的な遅れと気候変動への対策が急務であることが再三にわたり確認された1年となった。

 

・世界各国のSDGs達成度ランキング

「Sustainable Development Report 2019」というページで世界各国のSDGs達成度についての詳細な報告が公開されている。2019年6月発表のSDGs達成度ランキングで日本は15位でった。過去に日本は2017年11位、2018年に15位となっており、一昨年からはランクダウン、前年からは横ばいとなっている。世界全体のランキングトップ20と主な国の順位は以下の通りだ。Sustainable Development Solutions Network"Sustainable Development Report"

 

上位10か国はすべて欧州の国で、20位までに入った欧州以外の国はニュージーランド、日本、韓国、カナダの4か国のみとなっている。また、日本は世界人口ランキングで10位だが、中国、インド、アメリカなど人口が多い国トップ9か国は35位以下であることもわかる。そしてワーストランキングにはアフリカ諸国が多く並んでいる。上位を占めるのはやはり環境政策や福祉政策の先進地域である北欧諸国だ。しかし、上位国は17の目標について問題なく目標達成できているというわけではない。以下は先進国(OECD諸国)などの達成度を色で示した一覧表である。SDG Dashboard for OECD Countries

SDG Dashboard for OECD Countries

 

上記のなかで緑色は「目標達成できている」項目、他は未達成項目で、黄色・オレンジ・赤の順に達成度が低くなる。これを見ると、[2飢餓をゼロに][12つくる責任 つかう責任][13気候変動に具体的な対策を][14海の豊かさを守ろう]などで目標達成している国が1つもなく、かつ、達成度が最も低い「赤」評価がまだまだ多くなっている。このように、ランキング上位の先進国においてもSDGsへの取り組みを加速化しなくてはならないということがわかる。

 

 

SDGs達成に向けた世界の取組事例

北欧諸国は、各国それぞれにSDGsに取り組むほか、地域連携も進めている。2017年9月、北欧諸国は共同で「Generation 2030」を立ち上げた。タイトル通り、子どもや若者など次世代を主役とし、SDGsへの取り組みは次世代のために特に重要であり、次世代が変革の担い手となるアクションをサポートする枠組みとなっている。Nordic co-operation"Generation 2030"

 

北欧各国がSDGs達成度ランキングで常に上位を占めているのは、2015年のSDGsスタートよりずっと以前から持続可能な社会づくりへの意識が高く、多くの先進的な取り組みを行ってきた成果である。例えば環境負荷の少ない商品を認証する「Nordic Swan(ノルディックスワン)」を5か国共同で1989年にスタートした。国際的な多国間エコラベル制度としては世界初の導入であった。

 

 

北欧諸国では国、地域社会、企業などすべての主体がSDGs以前から「持続可能性」を強く意識し、再生可能エネルギー利用・資源リサイクルなどを推進してきた。子どものころから学校では地球環境の危機と持続可能性について教えられ、一般市民、特にミレニアル世代(1980年代~2000年代生まれ)には持続可能なライフスタイルが浸透しているようだ。そして同時に、各国とも高い生産性を維持して経済成長を続けている。今や北欧諸国は持続可能な社会のモデルを世界に先駆けて推進しつつ、SDGsの重要性を世界に発信する国際社会の主導的な役割を果たしている。

 

北欧地域では若い世代でもサステナビリティへの意識が高くなっている。そのひとつの表れが、2019年世界の注目を集めたスウェーデンの学生環境活動家、グレタ・トゥンベリさんだ。彼女が始めた気候変動への対策を求める活動は世界に広まり、国連でのスピーチを経て、同年9月27日に実施された世界一斉ストには600万人以上が参加。気候変動対策を訴えるために学校や仕事を休むことを意味する「気候ストライキ」は英英辞書「コリンズ」が選ぶ2019年の流行語大賞に選出された。

デモイメージ

では、北欧各国の取組事例について見ていこう。
・UN17 Village(デンマーク)

コペンハーゲン南部で100%持続可能な村を創るという野心的プロジェクト。エネルギーは再生可能エネルギーのみを使用し、雨水・建設資材などはリサイクル。
 
・レゴ(LEGO)(デンマーク)

おもちゃメーカーのレゴは、サステナブルな素材を使用したモデル「ツリーハウス」の販売を開始。同社は2030年までにブロック商品をサステナブルな素材に代替するという目標を発表。

 

・ベクショー市(スウェーデン)

“森林都市”ベクショーは1996年に2030年までに「化石燃料ゼロ」を達成すると宣言。石油の使用を減らし、森林資源を活用したバイオマスエネルギーなどへの代替を進めている。建設やプロダクト製造で地元産の木材を活用。同市は人口も増加傾向にあり、経済成長率もアップしている。

 

・ハンマルビー・ショースタッド地区(スウェーデン)

ゴミや生活排水を分別し、処理場でバイオマスエネルギーを産出し暖房や発電、公共交通の燃料に使用。太陽熱利用も促進し、CO2排出量を大幅に減少した。

 

フィンランド

CO2排出量削減、厳正な環境基準を満たすフィンランドの製品、飲食店等の認証「Nordic swan エコ・マーク」、廃棄物ゼロ推進などを実施。ヘルシンキ市が運営するウェブサイト「myhelsinki」では、市民および観光客にサステナブルな情報を発信している。

 

・フランス

フランスもSDGs始動以前から持続可能な社会へのアクションをしてきました。政府はSDGsに取り組むための情報を発信するサイトAgenda2030を開設し、今まで以上に対策を加速化させようとしている。Page d'accueil"Agenda2030"

フランスでもオーガニック食品や再生可能エネルギーを選ぶ動きは盛んだが、世界を牽引するファッション業界の取組が注目される。かつてファッションアパレル会社は「開発途上国の工場で安く製造して先進国で販売」というビジネスモデルであったが、今はサステナビリティが重視されている。


パリでは古着市が盛んでだ。衣類を回収するリサイクルポストが設置されていて、処理後はエコ素材に生まれ変わって再生利用される。エコでスローなライフスタイルが支持されていて、植物性原材料を使った素材を使用したエシカル・ファッションブランドに注目が集まっている。また、フランスではレジ袋が2017年までに全面廃止になっているが、これに呼応してさまざまなデザインのエコバッグが販売されヒットしている。

 

・ケリング(KERING)(パリ)

グッチ、サンローラン、バレンシアガなどを擁しているファッション企業のケリングは、2015年に環境負荷を数値化して会計に組み込む「自然資本会計」の手法をオープンソース化。2017年には「グッチ」がリアルファーの使用を廃止した。2019年、同社はダボス会議で発表された、世界の持続可能な企業を評価する「Global 100 Index」で2位にランクインしている。

 

・ドイツ

ドイツでもSDGs以前の2000年代より持続可能な開発に取り組んできた。再生可能エネルギー開発では1998年に電力市場が自由化され、環境団体グリーンピースが出資する「グリーンピースエナジー」など4社が再生可能エネルギーのみを提供している。2011年の福島原発事故の後、国を二分する議論を経て2022年を期限とする原発廃止を決定したのも記憶に新しいところであろう。

 

・Unverpackt(ウンフェアパックト)(ベルリン)

2014年に量り売りの小売店をオープン。洗剤や化粧品、菓子類、乾物など様々な商品を取り扱っており、客が自分で持参した容器や店で販売している再利用可能な器を購入して商品を持ち帰るスタイル。

持ち帰りイメージ
 
・アディタス(バイエルン州)

海洋環境保護団体「パーレイ・フォー・ジ・オーシャンズ(Parley for the Oceans)」と共同で海洋プラスチック廃棄物の回収・再生事業を推進。回収したプラスチックごみを活用したスポーツウェア、スニーカーの製造、販売をしている。

 

アメリ

アメリカ政府ではトランプ大統領が2019年11月、正式にパリ協定を離脱し、国際社会に衝撃を与えた。しかし州に一定の自治権があり多様な価値観が共存するアメリカでは、州・企業などがSDGsに引き続きコミットしている。例えば、ハワイ州は2017年、パリ協定にコミットすることを宣言。ハワイは以前から温暖化によりワイキキ・ビーチ消滅や水害の多発が懸念されており、環境意識が高いSDGs先進地域のひとつで、再生可能エネルギー利用や食料の州内調達などで実績を上げてきている。国連本部があるニューヨーク市は2018年、SDGsに取り組み、進捗報告をすることを宣言した。リサイクル活動やエネルギー政策により、実際にCO2削減の実績を上げている。この他、米国内の多くの企業や大学などもSDGsへの協力姿勢を維持している。

 

 

いかがであろうか。北欧諸国を筆頭にSDGsを意識した活動が盛んだ。日本国の各企業もいろんな取り組みを行っており、その中で創設されたのが「ジャパンSDGsアワード」である。毎年、優良企業が表彰されるのだが、「第2回ジャパンSDGsアワード」で本部長賞(内閣総理大臣)を受賞した企業は以下のような取り組みを行っている。こちらより抜粋。

  • 「食品ロスに新たな価値を」という企業理念の下に食品廃棄物を有効活用するリキッド発酵飼料(リキッド・エコフィード)を産学官連携で開発し、廃棄物処理業と飼料製造業の2つの側面を持つ新たなビジネスモデルを実現する。
  • 国内で生じる食品の残りから良質な飼料を製造し、輸入飼料の代替とすることで飼料自給率の向上とともに穀物相場に影響を受けにくい畜産経営を支援し、食料安全保障に貢献する。
  • 同社の飼料を一定割合以上用いて飼養された豚肉をブランド化し、養豚事業者や製造業、小売り、消費者を巻き込んだ継続性のある「リサイクルループ(循環型社会)」を構築する。

(出典:首相官邸「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」)

 

 

このような具体的な取り組みを1つずつ積み重ねていくことで、地球という生命体を守っていくことができるという具合だ。それゆえ、世界中の企業・団体がSDGsの17の目標を達成しようと、この方向性に向かって進んでいるのであり、そのためにも具体的な行動を自ら決め、自ら他を巻き込んだ目標設定し、実行していくということが求められるということだ。

 

今後も2030年に向けて、さらなる加速が求められるのであろうし、各企業・団体は、この17の目標に向かって進んでいくのが求められる方向性ということだ。本腰を入れて、しっかりと取り組んでいきたい。