第3次元:会社の理念について(40-64年目)

先に組織のバランスについて記載した。いかにバランス感覚が重要かが理解できたと思う。ぜひやってもらいたい。さらに、もう1つ組織のバランスで付け加えるとしたら、以前から記載している第1次元~第10次元までの視野をバランス良く持つことであろう。何せ、第1次元~第10次元までの生命体の維持・運営の仕組みを参考にすれば、第3次元:ティール組織という生命体の維持・運営の方法が全然違って見えてくるのだから!

 

ということで、今回も、第3次元:会社という生命体について見ていくことにする。今回は、会社という生命体が、今後どのような方向性に進んでいくのであろうか、それを見ていきたい。

 

・会社の理念について(40-64年目)

会社の理念について、40-64年目までの会社の場合について見ていきたい。これほど長く続いている会社の場合は、また先とは違った理念になってくる。

 

成熟期という段階にはいってくると、会社の土着性(レール)が定まり始めるのだ。どういうことかというと、地域に根付きはじめ、地域住民から支えてもらったり、商品を買ってもらったり、就職したいと人が集まったり、するということだ。その地域になくてはならない会社として成熟しているということだ。その地域の人々から認知されている会社のカラーというか、方向性が”レール”ということになる。

 

この成熟期になると、社長も交代しつつ、7代目、8代目などと、入れ代わっていることも多いだろう。そうすると、0~39年目までの間に積み上げた、各社長の”個性”や”生涯レール”などの性質が入り込みこれが良い習慣となっていれば、良いのであるが、そうでない場合、会社のカルマとして40年目以降の社長に託されることになる。つまり、初代、2代目~8代目等の社長がクリアできずに課題に思っていた文化や習慣がカルマという怨念のようになって、残っているのである。

 

よって、まず、会社の使命を考えると、以前から記載しているとおり、40年目以降の会社という生命体

に入り込んでいる初代、2代目~8代目等の社長の怨念がカルマという形で残っており、これを解消

することこそが会社の使命である!そして、40年目以降になると、人間でいえば、”グループ”が薄れ

て、生涯レールが表出する時期である。これと同じように考えれば、20~39年目の会社の”グループ”

が徐々に薄まっていき、今度は、”レール”と呼ばれる性質が表出してくるのである。

 

ではこの、会社の”レール”とはどんなものなのであろうか?それは地域の住民から認知される方向性ということになる。例えば、”あそこの会社は技術力はぴかいちだ!”と風評が広がれば、方向性は”水”ということだ。小松製作所日立製作所のように、地域で優秀な人が、こぞって就職していくような土着性はまさに”水”の方向性の経営といえる。他には、”あそこの会社は独特で、誰かの紹介がないと入れない!”と風評が広がれば、方向性は”木”ということになる。伊那食品工業のように微動だにもせず年輪を重ねていく経営はまさに”木”の方向性の経営といえる。

 

他には、”あそこの会社はじいちゃんの代から代々続く家族経営で、まじめにコツコツやってるよ!”と風評が広がれば方向性は”土”ということになる。町工場のように部品を製造しつづけ、50年60年という会社も多いのであろう。木火土金水の方向性をしっかり確認していけば、自ずと40年目以降の会社の方向性は見えてくるのではないかと思う。そうして、方向性が自然と認知されれば、後は、その方向性に則って理念を修正していけばよい。

 

〇会社の理念について

・ミッション(日々果たすべき使命)としては、カルマの解消が使命となるべきであり、”悪しき文化”をクリアしていくようなミッションにする必要があるのだろう。例えば、地域に恥じない人になる、などの悪しき文化からの脱却をイメージさせるような言葉がよい。

 

・ビジョン(実現したい未来)としては、”悪しき文化”という課題をクリアした先の未来がどうなっていくのか、その未来のイメージをビジョンとすればよい。

 

・バリュー(約束する価値・強み)としては、会社の方向性が入ればよい。地域の人々から認知されている方向性を汲むような言葉を入れていく。”土”の性質であれば、優しさ、慈悲心、安全・安心という言葉を

強みにすればよい。”水”の性質であれば、開発力、発展性、技術力、などの言葉を強みとして強調しても良い。

 

・スピリット(大切にすべき精神)としては、会社の方向性が入って来る。”金”の性質であれば、実直、目標へむかって一直線、組織が一丸となって、清く正しく。これが、”金”の性質だから、会社のスピリットも同様にすれば、上手く回っていくということだ。

 

・スローガン(ブランドの合い言葉)としては、”使命”、”カルマの解消”、”レール(土着性)”のそれぞれが

合い言葉で表現されるように、短い言葉でまとめればよい。

 

このような理念をかかげることで、社長は、地域の人々を十分に配慮した理念となっていることに賛同を

得られ、より多くの協力者が現れるということになるだろう。地元から愛され、永続的に続いていく企業となりえるのである。ここで、間違ってはならないのが、会社が思い込んでいる方向性と地域の人々が認知している方向性がズレていることが無いようにせねばならないということだ。

 

よくあるケースとして、家族経営で代々受け継いできた技術や味などを、息子の代でがらっと変えてしまうということだ。地域の人々は、代々続く技術や味に賛同して、この会社はこういう方向性だと認知しているにも関わらず、社長が息子になってから、ガラッと方向性を変えて、新たな技術や味に豹変させてしまうのだ。飲食店でいうと、代々続く”おでん”の味が、息子になって変わってしまい、常連客が離れていってしまったというケースは良く聞くだろう。また、繊維会社であれば、代々、本当にセンスのよい、時代を先取りした生地を提供し続けてくれていたのに、息子が社長になったとたんに、トンチンカンなセンスで、生地を提供してしまい、常連顧客から見放されてしまうというケースもよく聞くだろう。

 

新たに社長に就任したら、自分のカラーを出したいという思いは良くわかる。しかし、それがお客様を無視した、自分本位のカラーであれば、常連客は離れていってしまうということだ。大塚家具の事例も同じようなケースであろう。常連客や昔からのお客さまは、大塚家具といえば”高級家具”であり、本当に高くて

安心できるよい家具という認知であった。それを、今の時代にあわせて、安価でより便利な家具へ!と方向転換しようとしたら失敗に終わったと言う具合だ。

 

40年以上続く会社になると、もはや社長の独断で方向性を変えられるほど簡単ではなくなる。しっかりと地域に根差した土着性があり、それを無視できなくなるのである。これを十分知っておかねば、経営者が変わったタイミングで失敗することになりかねない。

 

 

いかがであろうか。これが、40年目以降の会社の理念という話であった。単に理念という言葉を並べたり、社長の思いのみを反映させても上手くいかない。”レール”と呼ばれる土着性を鑑み、地域の人々を大切に考えて、言葉にしていかないと、賛同が得られないということになってしまうのだ。