第3次元:会社という生命体の方向性①

先に組織のバランスについて記載した。いかにバランス感覚が重要かが理解できたと思う。ぜひやってもらいたい。さらに、もう1つ組織のバランスで付け加えるとしたら、以前から記載している第1次元~第10次元までの視野をバランス良く持つことであろう。何せ、第1次元~第10次元までの生命体の維持・運営の仕組みを参考にすれば、第3次元:ティール組織という生命体の維持・運営の方法が全然違って見えてくるのだから!

 

ということで、今回は、第3次元:会社という生命体について見ていくことにする。今回は、会社という生命体が、今後どのような方向性に進んでいくのであろうか、それを見ていきたい。

 

・2024年会社は無くなる?

そんなバカな!そう思った人も多いだろう。神田昌典氏は「未来から選ばれる働き方「会社がなくなる時代」のキャリア革命」にて述べている。

 

まず「会社は無くなる」と言ってもそれは旧来型の組織を持つ会社が無くなるという意味だ。会社という器自体はなくなるわけではない。しかし、会社が必要とする人材は圧倒的に変わり、それについていけない人はどんどんいらなくなり、そんな人材を抱えた会社はどんどんなくなっていくということである。グローバル化とIT化によって安い賃金の国に仕事が流れていく、そしてそれについていけない人や企業は困ることになる、そういう内容ではない!


この本で述べられている内容はもっと衝撃的である。まず会社はどのように変化するのか?

「ゼロ」から「1」を生み出せるわずかな「プロデューサー」と仕組みを生み出せる一部のオペレーターだけが存在する会社だけが生き残る社会にシフトしていく。

逆に言うとロボットやAIに簡単に置き換えられる人材を数多く抱えた会社は彼らが重荷になりどんどん衰退していく。その理由は3つのシフトに集約される。

1.社内で価値を創る時代から、社外で価値が創られる時代にシフトする
2.社内で予算を獲得する時代から、社外で資金を調達する時代にシフトする
3.AI(人口知能)技術の発展により、人間がすべて判断する時代からコンピュータが判断し始める時代にシフトする

要は上記3つの理由により、現在の会社の必要な経営資源は会社外部のアウトソーシングで調達することができるようになる。また、ロボットやAIの技術も安価に用いることができるようにもなるのでそれらの経営資源を上手に利用することができるプロデューサー型の人材さえいれば会社が成立してしまうということである。3つのシフトについて見てみよう。

 

 

1.社内で価値を創る時代から、社外で価値が創られる時代にシフトする

IT技術の進歩で、様々なサービスをアウトソーシングクラウド上で得ることができるようになってきた。例えば、HP制作は外注だし、会計システムは購入せずに毎月定額を支払い、クラウド上(ネット上)のソフトを使用している。それにより、システムを購入するよりも初期投資が少なく、様々なパソコンでそのデータを利用することができる。社内のコミュニケーションのツールもクラウドコンピューティングだ。これにより拠点が海外にあったとしてもスムーズに情報を共有できる。

 

しかし、そのような本業の周辺業務をアウトソーシングクラウドコンピューティングによる社外のリソースを利用するだけではなく、「コア・アクテビティ(業務)」ですら社外のリソースを用いるようになってきている。その代表例が「Airbnb(エアビーアンドビー)」であろう。

Airbnbのサービスとは、宿泊をしたい人と部屋を使わずに余っているお部屋を提供したい人をマッチングさせて、その手数料を徴収するサービスである。

ある意味、宿泊サービスを提供しているのでホテル業をやっているとも考えられる。宿泊サービスというコアアクティビティ(業務)ですら企業の外のリソースを利用して価値を生み出しているわけだ。それ以外にもUBER(ウーバー)のような使われていないタクシーや民間の乗用車とそれを利用したい人をマッチングさせるようなビジネスも大きな価値を生み出している。このようなプラットフォーム型の会社が大きな企業価値を生み出す時代になっている。

 

 

2.社内で予算を獲得する時代から、社外で資金を調達する時代にシフトする

クラウドファンディング」の利用だが、ネット上で個人から数千円程度の小額の融資を募集して資金の提供を求めることで、比較的簡単に資金を集めることができ、ビジネスを始めることができるようになってきている。人によってはビジネスだけではなく、世界一周の資金をこの「クラウドファンディング」で集める人も現れている。面白い事業計画や企画さえあれば、お金が集まってくる世界がもうここまで来ている。

 

 

3.AI(人口知能)技術の発展により、人間がすべて判断する時代からコンピュータが判断し始める時代にシフトする

確かに定型的な仕事や、弁護士や会計士・税理士など過去の判例や法律、会計基準などルールが明確な分野はロボットやAI(人口知能)に仕事を奪われやすいということは前からよく言われていた。しかし「判断」に関する部分についてはロボットやAI(人口知能)が携わることができず簡単には取って変わられることはないと考えていたであろう。しかし、人工知能技術の発展により、経営判断もコンピュータができるようになってきている。

近い将来、タクシー会社は、AIが自動でビッグデータの解析による利用状況をもとに、「いつまでに、どの地域にタクシーを何台投入すれば、採算があい、事業を目標を達成できるか」というシュミレーションを行い、「この地域には車を2台増やした方がいい」などと最適な車の台数をはじき出すようになるだろう。そして「新たに5台車を発注する」といった結論を導き出す。さらにその結論を基に自動的に発注をかけ、自ら稼いでプールをしておいた資金で支払いを済ませる。その発注は完全に自動制御された工場に届き、自動的に生産ラインが動き出し、タクシーを製造、指示された地域にその無人タクシーが投入され、勝手に稼ぎ出すようになるという。

現時点でもかなりの部分について技術的に可能とのことだ。現実的に経営判断もAIができるということだ。これらの変化は既に起こっている。そしてその変化は私たちの生活の中にいつの間にか入ってきて会社のあり方や私たちの働き方そのものも変化していくことは不可避であろう。そういう意味で旧来型の組織を持つ会社は無くなり、これらの技術を導入した会社が世の中を席巻するようになるのだろう。

 

 

・プロデューサー型の人間でないと生き残れない。

今後、ますますプロデューサー型の人の価値は上がり、そうでない人の価値は下がり続けるだろう。そして、プロデューサー型の人にとってはますます面白い世の中になっていくのだろう。経営コンサルタント大前研一氏は次のように言っている。

会社に必要な経営資源は変わった。

一昔前は「ヒト、モノ、カネ、(情報)」だった。
しかし今は「ヒト、ヒト、ヒト」になっている。

 

お金は(あるところには)余っている。そして、カネやモノは優秀なプロデューサー型の人がいれば集まってくる。そして彼らは大きな組織を持たずにITやAIと外部のリソースを使い、大きなプロジェクトを遂行することになるのだろう。自分たちが面白いと思える事に勝手にお金や人が集まってきて、大きな組織がなくてもそれを実現できる世の中になる。

 

望むにせよ、望まないにせよ、そんな社会はもうすぐそこまで来ている。会社の形態も大きく変わっていくということだ。まさにティール組織での”ゆらぎ”をどれだけ発生させ、その”ゆらぎ”をプロジェクトチームに昇格させることが出来る人こそが、プロデューサー型の人間なのであろうし、そういう人が今後求められるということだ。パート社員であろうが、業務委託社員であろうが、正社員であろうが、関係なく皆が”ゆらぎ”を起こし、プロジェクトチームを創っていく役割が求められるのだから。