第6次元:日本国の方向性とは①

先に組織のバランスについて記載した。いかにバランス感覚が重要かが理解できたと思う。ぜひやってもらいたい。さらに、もう1つ組織のバランスで付け加えるとしたら、以前から記載している第1次元~第10次元までの視野をバランス良く持つことであろう。何せ、第1次元~第10次元までの生命体の維持・運営の仕組みを参考にすれば、第3次元:ティール組織という生命体の維持・運営の方法が全然違って見えてくるのだから!

 

ということで、今回は第6次元:日本国という生命体について見ていくことにする。日本国という生命体が、今後どのような方向性に進んでいくのであろうか、それを見ていきたい。

 

・西洋思想と東洋思想

これまでの世界の主流の考え方は、西洋型の考え方であった。西洋型の考え方は基本的に枝葉末節論が多い。なぜかというと、要素還元主義だからだ。「突き詰めて、区分していく」思考法ゆえに、当然ながら細かいところへと向かっていく。だから枝葉の論議が多くなる。また、「分析専門主義」とも言える。医学でいえば、「心臓専門医」といった特定の臓器を対象とする専門家はたくさんいるが、医学の本質であると思われる「人間自体」や「心と身体」を対象とする専門家はあまりいない。

 

加えて言えば、「計数至上主義」という側面も強い。なにごとも計数で評価するようになったために、「得点至上主義」を生み、得点を手早く挙げるための「効率主義」をもたらした。そのため、本来は「効率」で測ってはならない「教育」や「医療」の現場にも、効率主義がはびこるようになった。「立派な人間を育てたか」「健康体に戻したか」といった本質を忘れ、「教科書をすべて終わらせたか」「何人の患者を診察したか」といった数量を重視するようになってしまったところがある。

 

それに対して、東洋型の思考は、その対象が何であっても、「根本に還る」考え方である。「その根本は何だろう?」「この問題の根本には何があるのだろう?」と考えていく。「区分」「専門化」していくのではなく、全体を全体として捉え、その根本に何があるかを考える。 枝葉に向かうのか、根本に向かうのか──ここが西洋型と東洋型の思考法の大きな違いであろう。

 

また、視点を変えるだけで解決策が出てきたりする。世の中を見るときにも、「こちらから見てみたら?」「反対側から見ると?」「今度は上から見てみよう」と、視点を変えるだけで全く新しい解決策が見えてくる。だから、思考回路はできるだけ豊富に持っていたほうがいい。その意味でも、東洋思考という、東洋的な考え方が役に立つ。

 

たとえば、「プロフェッショナルという言葉を日本語では何というだろう?」と質問することがある。そう聞かれたときに、どうやって考えるか? 西洋的な考え方は、テーマに対してがむしゃらに何度も当たっていく感じだ。「あれかな」「これかな」とぶつかっていく。東洋思考ではどう考えるかというと、「プロ、これは陽だ」「では、プロの陽に対して陰は何かな?」と考える。「アマチュア」だよな。そうすると、「アマチュアは日本語で何と言うか? 素人だ。あ、そうか、じゃプロは玄人と言うんだ」と答えが出る。

 

この「東洋思考」という、東洋的な考え方、東洋的な思考回路を持っていることがものすごく大切である。何でもそうやって「対比的陰陽」を見る。「こちらがこうだったら、対は何かな?」と考えるのだ。すると、意外なほどすぐに答えが出て来ることが多い。東洋思想の根幹を成すのが、陰陽五行説であり、これを熟知することこそが、「政治」「経済」「道徳」「医療」「暦」「建築」「都市設計」「食」「天文学」「易学」にいたるまで、ありとあらゆる派生学問に繋がるのである。そして日本独自の「算命学」などの派生学問が大成していったのである。これからは、東洋思想が西洋思想にとって代わることになるのではないかと、当方は思う。

 

・陰陽五行説 以下、こちらより抜粋。

陰陽師は、古代日本の律令制下において中務省陰陽寮に属した官職の1つで、陰陽五行思想に基づいた陰陽道によって占筮(せんぜい)及び地相などを職掌とする方技(技術系の官人。技官)として配置された者を指す。

 

大政奉還がなされ明治時代になると、明治維新の混乱に乗じて、陰陽頭土御門晴雄は陰陽寮への旧幕府天文方接収を要望してこれを叶え、天文観測や地図測量の権限の全てを収用した。その後、明治政府が西洋式の太陽暦グレゴリオ暦)の導入を計画していることを知った土御門晴雄は、旧来の太陰太陽暦の維持のため「明治改暦」を強硬に主張したものの、晴雄本人の薨去によりこの案が取り上げられることはなかった。晴雄のあとに就任した陰陽頭晴栄はまだごく幼少であり、自発的な反論ができない状況にあった。この期に乗じて、明治政府は明治3年(1870年)に陰陽寮廃止を強行し、その職掌であった天文・暦算を大学校天文暦道局や海軍水路局、文部省天文局、天文台に移管した。

 

現在では、自分自身の行動指針全般を陰陽道または陰陽師の術式に頼る人はほとんど見られず、かつて興隆を誇った陰陽道または陰陽師の権威の面影はなく、土御門家の旧領若狭国名田庄にあたる福井県西部のおおい町天社土御門神道本庁の名で、平安時代中・後期の陰陽道とはかけ離れてはいるものの陰陽道の要素を色濃く残す宗教団体として存続しているほか、高知県香美市(旧物部村)に伝わるいざなぎ流などの地域陰陽師の名残が若干存続しているのみであるが、平安時代の宗教化・呪術化した陰陽師が持つオカルトなイメージをもとに、強烈に批判されていった。

 

しかし、元々は、宗教的な要素とは無縁の日本国の官人であり、陰陽五行説を熟知した技官なのであった。その権限を剥奪し、宗教化・オカルト化させたのが明治政府なのであり、西洋主義者なのであるのだ。よって、明治以降、一気に日本国の思想は、東洋思想から西洋思想へと激変していったという背景である。しかし、現在はというと、また東洋思想への回帰の流れが起こりつつある。西洋の数値至上主義、神か神以外かという二極化主義から、東洋の陰陽五行主義、誰もが尊重されるべき神であるという多神教主義、へと移り変わっているのであろう。

 

・陰陽五行説​について

小学校から大学まで、私たち日本人が学ぶ学問は、近世以降西洋で発達した近代自然科学、人文科学が主流である。学校で学ぶ数学、理科、社会といった学問は、みな、西洋で生まれた理論、哲学、思想が原点にある。一方、東洋では、紀元前数千年前から、独自の理論、哲学、思想が育まれてきた。それが、《陰陽五行説》と呼ばれるものである。古来より東洋において国家および人々の暮らしを支えてきた「政治」「経済」「道徳」「医療」「暦」「建築」「都市設計」「食」「天文学」「易学」・・・それらすべては、この《陰陽五行説》に基づいて営まれてきた。

 

《陰陽五行説》は、人間と自然とを“対峙”した関係と捉える西洋の考え方とは異なり、人間は森羅万象の大いなる営み、摂理と“連動”した存在であるとする、普遍的かつ哲学的な示唆に富んだ理論、思想である。しかし、私たちは、この《陰陽五行説》を学校で一度も教わることなく、ともすれば一生触れずに終わる人も少なくない。それは、東洋に生まれた人間として“もったいないこと”だと思う。

 

太陽があり、月がある。男がいて、女がいる。天があり、地がある。左があり、右がある。私たちが生きている世界は、“対の関係”で満ちている。森羅万象を「陰なるもの」と「陽ようなるもの」の“対の関係”で捉える考え方を、「陰陽学説」という。この陰陽学説は、後に述べる五行学説と ともに古代の自然哲学として、東洋の伝統的な世界観に深く根付いており、漢方医学では、人体の生理機能や病理状態、薬の薬能を説明するのに応用されている。


陰陽とは、元来、山の日陰と日向、太陽と月のことをさした。これは天体の運行や四季の推移から考えられた「自然界の仕組みや法則」で、自然界のすべてを‘陰’と‘陽’に分けることができるという考え方に 基づいている。「陰なるもの」と「陽なるもの」、相反する属性を持つ二つのものの関係から、物事の特性やバランスを説明するという、東洋で古代から続く自然観と宇宙観である。

 

 

陰陽学説の観点から「食養生」を考えると、体の状態が陰陽どちらにも傾きすぎず、その人にとって‘平穏なバランス’を保つことが、健康を維持することになる。たとえば、旬の食事は、その土地でとれたもの、その季節に自然にとれるものを中心に食べることになるので、おのずと、暮らしている場所の気候・風土に適応し、季節の変化についていくことができるわけである。食養生を実践するためには、食材毎の陰と陽の属性を知らなければならない。簡単にいえば、体を温める食材は陽のもの、冷やす食材は陰のものと考えられている。このことは食養生の観点から体に合う食材を組み合わせるときの大きなポイントになる。

陰陽太極図

 

道教のシンボルなどに見られる、白(陽)と黒(陰)の曲線から構成されるこの図。「天地自然之図」「先天太極図」となど呼ばれることもあり、「陰極まれば陽に至り、陽極まれば陰に至る」「陽の中に陰あり(陽中陰)、陰の中に陽あり(陰中陽)」という、陰陽学説の本質的なメッセージが込められている。矩形がなくすべてが曲線で構成されているのも、連続性、流動性の中で世界を捉える東洋的な観念、哲学の顕われといえる。

 

たとえば、「冷たい海鮮料理は体を冷やすので、温める作用のある生姜や紫蘇を添えて食べるのが良い」、「夏バテにはニガウリなどの冷やす性質の食材を食べるのが良い」などといった生活の智慧がある。これらは‘温める’という陽の食材を利用して、陰の過剰を抑えたり、‘冷やす’という陰の食材を利用して、夏の‘暑さ’という陽の過剰を抑えたりすることで、陰と陽のバランスをとり体調を調えるという考え方である。偏った食事をしていると、病気になりやすい体になる。食養生でいう「偏った食事」というのは、栄養学的な話ではなく、「陰陽のバランスが悪い食事」という意味合いである。

 

●陽を養う食材の代表例
唐辛子、シナモン、山椒、丁子、生姜、紫蘇、フェンネル、葱

●陰を養う食材の代表例
ミント、セリ、セロリ、白菜、レタス、梨、キュウリ、牛蒡、スイカしじみ、あさり、蟹、ニガウリ、クチナシニンゲンの体と陰陽のリズム


人間、眠り続けられる人も、活動し続けられる人もいない。どんなに活発な人でもいずれ必ず「眠気」が訪れ、どんなに爆睡してもいずれ必ず「目が覚め」る。人間そのものが、「陰極まれば陽に至り、陽極まれば陰に至る」という陰陽学説に基づいた存在なのである。また、陰陽学説では月(隠)の周期と体のリズム(月経)が連動する女性は「隠の性」、太陽(陽)の周期と体のリズムが連動する男性は「陽の性」とされる。

 

●「五行学説」とは

「陰陽学説」とならび、漢方医学を学ぶうえでの基本原理が「五行学説」である。五行の‘行’は、「行動・動かすこと」を意味する。人体を構成する五つの‘行’が互いに影響を与え合い、その相互作用によって健康状態が変化していく、という考え方が漢方医学の根底にある。

 

 

五行学説とは、自然界を「木」「火」「土」「金」「水」の5種類の基本元素から構成され、森羅万象を「木なるもの」「火なるもの」「土なるもの」 「金なるもの」「水なるもの」の5つに分類し、それぞれの相互関係性の中で事象を捉えていくという、自然哲学から派生した概念である。


たとえば、人間の体を考える時、西洋医学では、組織・器官の機能に基づき「循環器系」「消化器系」「泌尿器系」「呼吸器系」「脳神経系」…といったように分類するが、漢方医学では、五行学説に基づき、「肝系(木なる器官)」「 心系(火なる器官)」「 脾系(水なる器官)」「 肺系(金なる器官)」「腎系(水なる器官)」の五つに分類する。それぞれに分類された器官が相互に関係し合うことで体全体のバランスが保たれているという考え方が、漢方医学の基本にある。


五行学説は、自然界の生死・盛衰、天地万物の変化・循環を説明する哲学思想であるため、医学や食養生のみならず、様々な学問、自然の営み、人間の営みを説く際の基盤となる概念である。四季の変化も五行の推移によって起こると考えられ、方位、農作物の成長と実り・収穫、色、 味など、あらゆる物事に五行学説が適用される。


・五行の相互関係相生の関係
五行の各々の相対関係を示す言葉として、「相生」という言葉がある。「相生」とは、相手を「生かす」「強める」影響を与える関係を指し、たとえば、「金」は「水」を強める関係にあり、『金生水』と表記する。五臓に当てはめると、「金」の臓である「肺」は、「水」の臓である「腎」を強める関係にある。したがって、腎の機能が弱っている症状がみられた場合、肺の機能衰退に起因しているかもしれない、と考える。

・相生関係ー促進関係
相手の要素を補い、強める影響を与える木火土金水木

・相克関係ー抑制関係
相手の要素を抑え、弱める影響を与える木土水火金木

 

相克の関係
五行の各々の相対関係を示す言葉として、「相克」という言葉があります。「相克」とは、相手を「抑える」「弱める」影響を与える関係を指し、たとえば、「木」は「土」を弱める関係にあり、『木克土』と表記する。五臓に当てはめると、「木」の臓である「肝」は、「土」の臓である「脾」を弱める関係にあります。したがって、脾の機能が弱っている症状がみられた場合、肝の機能亢進に起因しているかもしれない、と考える。

 

 

いかがであろうか。これが陰陽五行説の概要だ。これからの時代、日本国は東洋思想へ回帰していくのであろうか。それとも、やはり西洋思想のままなのであろうか。日本国の未来は、我々個人が決めるはずだ。政治家が決める訳ではない。我々個人がどこへ進み、どのような方向性を持つのか、一人一人がしっかりと考えて行かねばならないのだから。