第4次元:農業の方向性を見抜く

先に組織のバランスについて記載した。いかにバランス感覚が重要かが理解できたと思う。ぜひやってもらいたい。さらに、もう1つ組織のバランスで付け加えるとしたら、以前から記載している第1次元~第10次元までの視野をバランス良く持つことであろう。何せ、第1次元~第10次元までの生命体の維持・運営の仕組みを参考にすれば、第3次元:ティール組織という生命体の維持・運営の方法が全然違って見えてくるのだから!

 

ということで、今回、第4次元:業界という生命体について引き続き見ていくことにする。今回は、農業という生命体が、今後どのような方向性に進んでいくのであろうか、それを見ていきたい。

 

Society 5.0では、気象情報、農作物の生育情報、市場情報、食のトレンド・ニーズといった様々な情報を含むビッグデータをAIで解析することにより、「ロボットトラクタなどによる農作業の自動化・省力化、ドローンなどによる生育情報の自動収集、天候予測や河川情報に基づく水管理の自動化・最適化などによる超省力・高生産なスマート農業を実現すること」「ニーズに合わせた収穫量の設定、天候予測などに併せた最適な作業計画、経験やノウハウの共有、販売先の拡大などを通じた営農計画の策定すること」「消費者が欲しい農作物を欲しい時に入手が可能になること」「自動配送車などにより欲しい消費者に欲しい時に農産物を配送すること」といったことができるようになるとともに、社会全体としても食料の増産や安定供給、農産地での人手不足問題の解決、食料のロス軽減や消費を活性化することが可能となるとしている。

 

 

 

内閣府 戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)は、科学技術イノベーション総合戦略及び日本再興戦略(平成25年6月閣議決定)に基づいて創設された。SIPは、総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が司令塔機能を発揮し、社会的に不可欠で日本の経済・産業競争力にとって重要な課題を選定し、基礎研究から実用化・事業化まで一気通貫で研究開発を推進し、府省・旧来分野の枠を超えて科学技術イノベーションを実現を目指すプログラムである。2014年から始まったSIP第1期は2019年3月末に終了し、現在はSIP第2期として、12の課題に取り組んでいる。

 

農業分野は、第1期では「スマート農業」と「農林水産物の高付加価値化」という課題に取り組んでいた。第2期では「スマートバイオ産業・農業基盤技術」の中で、農業のサステナビリティとして以下の個別開発技術展開を図っている。

  • 少人数オペレーションによる生産性の向上
  • 環境負荷の低減
  • 新規就農者の増加

 

【バイオ・農業研究開発データ・情報利活用基盤構築】

SIP「次世代農林水産業創造技術」の成果である農業データ連携基盤(WAGRI)をサプライチェーン全体へ拡張すると共に、本SIPで得られるバイオ関連データ及び国内外のオープンデータベースとも連携した「データ・情報利活用基盤」として実装していく。現在、WAGRIは気象や農地、地図情報等のデータ・システムを農業関連サービスベンダーに提供することで、農業従事者の生産・収穫を支援している。スマートフードシステムのデータ・情報利活用基盤は、連関する情報の範囲を一次加工から消費を含む食サプライチェーン全体、さらには生産の前段階にあたる育種情報や、バイオ資源の活用、素材化情報まで拡張していく。

▼スマートフードシステムにおけるデータ・情報利活用基盤(WAGRIの拡張)

第2期SIPにおけるWAGRIの拡張領域

 

最終利用者としては、農業生産者、就農希望者、加工・食品メーカー、流通・小売事業者、輸出入業者、素材メーカー等の実務者と該領域の研究者を想定している。最終利用者は、利活用しやすい形でデータそのものやデータの分析・情報サービス及び各種開発技術を提供する企業や機関を通じて技術、製品、サービスを受ける。なお、その利用に関して、利用規約(ライセンス契約)、システムを財務的に支えるために必要な機能(利用回数カウント、決済など)を併せて整備することで自走する仕組みを構築していく。研究者向けには、オープンサイエンス促進を目的とした情報提供やトレーニングを開発していく。

 

スマートフードシステムの社会実装

スマートフードシステムを通じて提供されるデータ・情報、開発技術の提供は、最終利用者たる農業生産者、就農希望者、加工・食品メーカー、流通・小売事業者、輸出入業者、素材メーカーへ、各々のニーズに応じた形の商品・サービスを基盤(プラットフォーム)上への展開によって提供する提供主体者(参画企業や組織体)によって行うことを想定している。そして、各提供主体と最終利用者間の価値交換を運営資源とし、提供主体者から対価をいただくことでの自走を想定している。なお、このプラットフォーム上にある提供主体間の情報の「交流」「交差」「融合」による新たな価値の創造も期待できる。

 

▼スマートフードシステムの社会実装イメージ

スマートフードシステムの社会実装イメージ

 

また、データは一方通行ではなく、最終利用者や研究者から対価を伴う形でデータを提供いただくことも検討しており、データ・情報の流通の活性化も図る。以上の構想をユースケースの実装試験により検証し、下記の目標の実証を行う。

  • 農業現場の効率化・農業経営効率の向上
  • フードロス・フードウェイストの削減
  • 高付加価値食材・食品の開発
  • 輸出拡大による一次産業の発展
  • 農産物(非可食部含む)を原料としたバイオ技術による新素材開発
  • 環境に負荷をかけない新農法の開発

スマートフードシステムが自走可能な「食関連」の知の創造、知の社会実装、知の国際化に資する「データ・情報」利活用と個別開発技術の展開モデルとなることで、SIP第2期終了後も「食」の新たなビジネス創出を促進するエンジンとして機能していく。これにより、バイオ関連データの利活用の活性化、異分野やベンチャー企業等の食領域事業への参入促進、海外輸出も含めた日本の農産物や加工食品による農業の成長産業化に貢献する。

 

 

オランダの実例 こちらより抜粋。

オランダはいち早く、自動制御技術を活用し、世界第2位の農業大国になった。オランダは日本の九州と同じ広さだが、農地面積は日本より小さく、約450万ヘクタールの日本に対してオランダのそれは約184万ヘクタールだ。

日本オランダ

 

土地は痩せており、日照時間も短く、農業に適した国土とは必ずしも言えない。オランダが農業の国とイメージされることも、今まであまりなかったであろう。しかし、ICT技術を用いたスマート農業によって改革が起こります。国連食糧農業機関(FAO)の統計では、2013年のオランダの農産物の輸出額は909億ドルと、アメリカに次ぐ世界第2位となっていった。

輸出国

 

オランダでは、約8割以上の一般農家が自動制御システムを搭載したコンピューターを導入していると言われている。

ビニールハウス

 

アグリポートA7は、オランダの北ホランド州にあり、トマトやパプリカ、メロンなどを栽培している。このハウスのすぐ近くに、生産者、研究機関、商社、コンサルタント会社などが集まっており、センサーで吸い上げられたデータがそのオフィスへと送られ、24時間体制で適切な環境を保っている。生産者は、1日の仕事の大半を別に設けられているオフィスで管理し、ハウスに行くことはほとんどない。従来の農業は肉体労働を主にしていたが、ホワイトカラーな労働環境は人材を集めることにも功を奏しているようである。

 

 

自然栽培法

一方、このようなAIによる徹底管理手法の農業とは全く異なる方法の農業もある。それが奇跡のりんごで有名な木村先生による自然栽培だ。こちらを参照。
 
木村先生が、なぜこの自然栽培をひろめているかというと、大きな目的としては地球を修復したいという思いからなのである。肥料や農薬によって、土が汚れ、川が汚れ、海が汚れていくことで、温暖化が進みんでいる。解決方法はいろいろあると思うが、木村先生は、肥料・農薬・除草剤を使わない農業をひろげることで温暖化に歯止めをかけたいと、奔走しているところだ。効率重視の現代社会に「農」の価値を問いかけているのだ。
 
自然栽培に切り替えると、田んぼに本来の生態系が戻ってくる。岡山県の自然栽培に転換した田んぼでは、いままですがたを見なかったレンゲの花が咲くようになり、そこにミツバチを放つと、どんどん巣箱が増えていくほどだ。以下、こちらより抜粋。
 
自然栽培は「農薬を使わない」こともさることながら、肥料をやらずに栽培することが、他のどの栽培法よりも特徴的である。「無農薬」「減農薬」であっても肥料は使っている、育苗時だけは肥料や薬を使っている、自然由来の資材(EMや酵素、米ぬか等)だけは使用している…など、実は農家によって栽培過程に小さな違いが散見されている。このことは、世間一般でも、農家のあいだでさえ、曖昧な解釈をされたまま議論されている場面を見ることがある。自然栽培の農作物は、有機栽培の農作物と同様のものと思われがちだが、作物が自然界の有機物質を利用しながら生長する点において「有機栽培」の範疇であると解釈される一方で、家畜糞尿や植物の搾りかすなどを原料にしている有機肥料を土壌に持ち込まない点で、「有機栽培野菜」などと呼ばれて流通している作物とは、その中身は違っている。
 

自然栽培は農薬を使わないこともさることながら、肥料をやらずに栽培することが、他のどの栽培法よりも特徴的である。では、なぜ肥料をやらないのに作物が育つのであろうか。

※写真はイメージです
※写真はイメージです

植物を育てるHow to本を手に取ると、必ずといっていいほど、次の言葉が出てくる。

 

●窒素(含まれる元素N)

●リン酸(含まれる元素P)

カリウム(含まれる元素K)

 

これらは、植物が育つために大切な3大栄養素と言われている。特に、窒素は種が発芽したあと、葉や茎を生長させるのに大切とされている。ところで、植物は、窒素をそのまま栄養素として取り込むことができない。窒素はまず、ごく限られた微生物(根粒菌や放線菌)の活用によって、アンモニア態窒素という形態になる。でもまだ、これだけでは吸収することができない。さらに、硝化菌という生物によって、硝酸態窒素という形態にされる。硝酸態窒素は、土壌中にある微量金属と結合して、結晶となる。 この結晶を 「硝酸塩」といい、結晶が液体に溶けたものを「硝酸イオン」という。植物は、「硝酸イオン」になって初めて、 水と一緒に根から吸収することができるのだ。 吸収された「硝酸イオン」は、体内の酵素光合成の働きによって、生長に必要なアミノ酸やタンパク質に合成されていくわけである。

 

ただし、この硝酸態窒素が高濃度になることが、一部で問題視されている。植物は硝酸態窒素が過剰に供給されると、それらを消化しなくてはならなくなり、急激に細胞を大きくして、背丈を伸ばしたり葉を大きく茂らせたりする。(=いわゆる徒長) ちょうど、人間がカロリーの高い食事を摂りすぎて太ってしまうのと似ている。 硝酸態窒素の濃度が高くなったメタボな植物を調べると、草丈の割に軟弱です。さらに、多量に生成されるアミノ酸やタンパク質を狙い、虫が集まりやすく なる。だから、農薬が必要になってくるわけである。

「虫がつくのはそれだけ美味しいから」というのは詭弁で、実は過剰な肥料分が虫を大量発生しやすくしている一因なのではないかといわれている。実際、バランスが整い安定している自然栽培の作物や圃場にはあまり虫が寄り付かない。自然栽培の圃場では、生態系の範囲内で上手に牽制し合いながら、共生できる分だけの数の虫しかいない、といった様子が見受けられる。

 

大気中の窒素は、いくつかの細菌によって取り込まれる。窒素を取り込むことを『窒素固定』という。窒素固定できる細菌は限られており、「真正細菌」と呼ばれるもので、大腸菌、枯草菌、放線菌、藍藻、シアノバクテリアなどがそれだ。これら真正細菌のほかに、古細菌や動植物に共生している細菌もある。

 

共生細菌の代表的な例として、マメ科の植物が有名だ。クローバーやレンゲ、大豆などマメ科の植物の根には、「根粒菌」と呼ばれる共生細菌がついている。この根粒菌が、窒素を固定している。「マメを植えると土が肥える」といわれるのは、このためである。マメ科植物のほかには、ソテツやヤマモモなども同様だそうだ。また、雷の放電や紫外線により窒素ガスが酸化され、これらが雨水に溶けることで、土壌に固定されることもある。

自然循環の中で、田んぼがその必要から、条件が整った時レンゲを受け入れました
自然循環の中で、田んぼがその必要から、条件が整った時レンゲを受け入れた

こうして窒素固定がされ、動植物がこれらを取り込むと、今度はアミノ酸やタンパク質に変えられ、生命を維持する。そして、体内で分解され、再び体外へ排出される。排出された糞尿・堆積物が、さらにまた細菌により硝化され、最後には窒素ガスとなって、再び大気中へと放出される、…という循環になっているのである。この窒素固定してくれる小さな生き物たちを農薬や肥料等によって追いやることのないよう(※)守り、自然の循環を優先させていることから、自然栽培は、環境保全型農業の一つになるのではないかとも考えられている。

 

 

いかがであろうか。農業という生命体を見ていくと、今後の方向性が大局的な2局に分かれていきそうである。古代から続く農業という職業は、DNAに刻み込まれており、様々な遺伝子改良などの工夫をしてきたというT細胞なる歴史があり、高齢化による担い手不足というカルマもあり、新たなる方向性であるAIによる徹底管理という脳の担当者の導きもある。このような複雑な状況下の中で、我々個人が、AIによる徹底管理手法という方向性を受け入れるのか、それとも、自然栽培という方向性を受け入れるのかは、我々次第なのだ。どちらの方向性が主流になっていくのかを決めるのは我々個人なのだから。

 

仮に自然栽培という方向性を受け入れるのであれば、そこには高齢化による担い手というカルマ以外の別のカルマがあり、そのカルマを課題として、皆がカルマの解消に向かう!というストーリーを構築せねば導いていくことはできない。そのカルマとは、地球環境破壊や農薬による生態系破壊というような地球規模のカルマなのであろう。そう、高齢化による担い手不足というのとは次元が違う、もっと高い地球レベルのカルマなのであり、そこに目を向け、そのカルマを世界規模で解消していこう!という呼掛けのもと、世界的なリーダーが自然栽培という方向性に導いていくということになる。

 

わかるだろうか。導いて行くには、先から記載しているような、DNAを鑑み、T細胞を考慮し、カルマを解消し、魂の方向性に従い、自らの方向性を打ち出していくということがポイントとなるのだ。これが理解できれば、地球という巨大な生命体であっても、導いていけるのであろうから!