第1次元:人間のDNAの転写を参考にする③

先に、人間のDNAについて記載した。

細胞1つ1つが複雑なことをしている

わけではなく、単純な動作だが、

ある条件が来たら教えてね、という

ようなシグナルを発信することで、

組織となり、器官となり、器官系とな

っているのだった。

よって、その条件設定が人間の複雑

な機能を可能にしているということが

言える。決して細胞1つ1つが複雑な

ことをしているわけではないのだから。

 

その条件設定の1つにエピジェネティ

クスがある。以下、こちらより抜粋。

一人の人間の肝臓の細胞と皮膚の

細胞は、同じ DNA 配列を持っている。
しかし、肝臓の実質細胞は細胞分裂

して増殖すると同じ実質細胞になり、
皮膚の細胞も皮膚の細胞として増殖

していく。一個体の全ての細胞が同じ 

DNA の塩基配列を持つにも関わらず、

別々の機能や形態を持つ細胞になる
ことが出来るのは、発生・分化の過程

で DNA やヒストンに付けられた修飾

により、細胞ごとに、異なる遺伝子の

発現を促進したり抑制したりするため

である。その仕組みをエピジェネティ

クスという。

 

エピジェネティクスは環境の影響を

遺伝子の働きに変換する仕組みでも

ある。ほとんどの疾患には「遺伝」と

「環境」の両方が関わっているが、

ゲノムだけで説明できないこと、これ

まで環境要因としてくくられていたこと

が、エピジェネティクスの視点を導入

することで上手くつなげ説明できるの

である。エピジェネティックな調節は

主にゲノムの化学的な修飾や構造

変換によって行われている。DNAの

メチル化は、遺伝子のスイッチをオフ

にする目印であり、その遺伝子を不

活性化します。これは、たった1つの

受精卵が、種々の細胞系譜に分化し

ていく上で不可欠な仕組みだ。同じ

ゲノム情報をもとにしながら、使う遺

伝子・使わない遺伝子を制御すること

で、皮膚なら皮膚、肝臓なら肝臓、と

それぞれの細胞に固有なエピゲノム

を確立していくわけである。

 

しかし、誤ってがん抑制遺伝子をメチ

ル化してしまうと、発がんにつながる。

例えば、ピロリ菌感染が引き起こす慢

性炎症による胃がん、長期的な喫煙に

よる食道がんは、DNAのメチル化異常

が発生リスクを高めていると考えられ

ている。まだ全貌が解明されている訳で

はないが、他にも白血病や大腸がん等

さまざまながんでエピジェネティクス

常の関与が報告されている。

 

ゲノムを変えるのは遺伝子治療でもし

ない限り不可能だが、エピゲノムは薬

や生活習慣をコントロールすることで

正常化できる可能性がある。すでに、

ある種の白血病やがんに対しては、

DNAの脱メチル化剤や、ヒストンタン

パク質の脱アセチル化酵素の阻害剤

が用いられていて、効果が示されてい

るのだ。エピジェネティクスの実体は、

メチル化、アセチル化といった化学修

飾であり、それは生体内の酵素によっ

て触媒される。つまり、その酵素を阻

害もしくは活性化する薬があれば良い

わけである。

 

同じ個体ならゲノムはどの細胞を見て

も同じだが、エピゲノムは、細胞の種

類によって違う。まず、それぞれの細

胞の正常状態を見極めないと、発症

時との比較ができないのだ。

よって、次世代へ伝達するエピゲノム

変化を予測するモデルを構築すること

で、将来的には、疾患感受性関連の

エピゲノム変化の伝達機能の解明や、

これまで原因不明だった不妊・流産の

解明や、生殖医療の改善につなげる

ことができるのだ。

そこで、日本も参加している「国際ヒト

エピゲノムコンソーシアム」では、正常

状態のエピゲノムを決めて世界中の医

師・研究者が利用できるデータベース

として、高精度のヒトエピゲノム地図

つくることを目指していると。

 

 

これは、第3次元:会社でも同じことが

言えるのではないか。

結局は、DNAは同じだったとしても、

会社内でアクティブに動ける人とそう

でない人の違いは、今まで積み重ね

てきた環境により、スイッチがONに

なっているのか、OFFになっているの

かの差なのであろう。

同じように言葉を投げかけても、ON

の人は反応するが、OFFの人は反応

出来ない!そんな仕組みなのである。

 

事務職として環境が与えられれば、

会社内にある全情報というDNAは

閲覧できるのだが、事務職に関わる

という環境のせいで、事務職関連

以外の情報はOFFにしてしまい、

逆に事務職関連の情報はONにする

ということがなされるのであろう。

だから、OFFのままではどんなに

情報を与えても、入っていかないの

である。

経営者でも同じであろう。拡大路線

の環境下では、拡大のための情報

は入ってくるが、縮小やカットの情報

は入ってこなくなる。逆に縮小路線

の環境下では、拡大の情報が入って

こなくなるということだ。

 

結局は、DNAという法律や社内規則

や顧客情報や人事情報などのあら

ゆる情報は、誰しもが閲覧できる。

インターネットを介せば、あらゆる技

術情報やノウハウもいくらでもある。

ただ、それをONにすれば入ってくる

し、OFFにすれば入ってこないのだ。

よって、そのスイッチが重要である

ことが理解できるだろう。

そのスイッチがどんな種類があり、

どうやったらONとOFFを切り替える

ことができるのか?というデータ

ベースがあれば、これはもう今世紀

最大の発明になり得るのではない

だろうか。

 

エピゲノム地図という人間の体の

内部でのDNAについて、医学界が

こぞって研究を続けている。

同様に、会社内でもエピゲノム地図

に相当するものが必要なのだろう。

そのスイッチと、ON・OFFを切り替え

る方法を見いだしたのならば、もう

人のマネジメントという分野は革命

が起きるのであろう。

当方も、そんな研究を行っていき

たいと思う。