組織の後半戦について 成熟期④

今回も、後半のレールに乗ることについて、つづきを見ていきたい。

 

先まで、人生と同じように、組織も100年設計とすれば、目標設定や発達段階への対処が可能となり、100年設計するために組織の存在目的やマネジメントを今一度、すべての組織がやり直しを迫られていることを記載してきた。組織には、人生と同じで発達段階というものがある。エリク・エリクソンの発達段階モデルに沿って見てくととても良く当てはまるのであった。

 

○組織の発達段階

第1~3段:導入期①意志キャラクタに乗る(0~6年目)衝動型組織 ”自立”vs 罪悪感

第4段:導入期②表面キャラクタに乗る(7~12年目)順応型組織 ”勤勉性”vs 劣等感

第5段:導入期③本質キャラクタに乗る(13~19年目)達成型組織 ”自我確立”vs 自我拡散

第6段:成長期 グループに乗る(20~39年目)多元型(フラット)組織 ”親密性”vs 孤独

第7段:成熟期 レールに乗る(40~64年目)進化型(ティール)組織 ”世代性(伝承)”vs 停滞

第8段:安定期 老年レールに乗る(65~84年目)分散型(ブロックチェーン)組織 ”統合性”vs 絶望

第9段:衰退期 全てを超越する(85年目~)個人の集合体組織 ”老年的超越”vs 死

 

会社組織は、どうやって集合体が”生命体”に変わるのであろうか?命はいつ吹き込まれるのであろうか?これについて引き続き見ていきたい。

 

人間の体が行っている仕組みと同様の仕組みを会社組織にも取り入れれば良いということは、先から記載しているとおりに理解できた。これは、各個人が意図した結果でもなく、経営側が意図した結果でもない、予期せぬ結果として様々なアプトプットが出力され続ける自己組織化と言われる現象によるものだった。

 

そして、そこには大元のルールがある。それが”DNA”だ。DNAのルールは情報量でいうと、わずか1ギガバイト程度の情報量に過ぎないが、そのルールを元に、各原子、各細胞が変化していくのであり、その結果、器官や系などが誕生し、やがて、生命体が誕生するというわけだ。要するに、DNAとは単に文法に過ぎないのである!何かを統率するマシンでもなく、命令の主体でもない!単なる文法であり、その文法を忠実に各要素が守っていくのであり、また、その文法自体も危機に瀕せば、文法を書き換える、つまりは、DNAを書き換えて後世に残すということをやるのだ。

 

会社組織でも同様に考えていけばよいのではないかと思う。

 

まず、上図のように会社組織は、3次元構造であると考える。各個人は、各組織(部署)での役割を持っており、各部署は会社での役割をもっている。それぞれがそれぞれの役割をこなしていくことで、会社という生命体が維持されることになる!

 

・1次元

この次元は各個人という視点になる。この次元で各個人が自分(自我)という自分自身のDNAという文法を読み解きながら、”自己”か”非自己”かの選択をあらゆる情報に対して行い続ける。これを来る日も来る日も続けていくのだ。各個人が”自己”と判断した情報に対して、周囲の人々はそれに賛同するのか、しないのかの選択を迫られる。賛同すれば、それと同じような行動をとることになる。このようにして、各個人が周囲の人々を見ながら、同じような行動をとるのか、取らないのか、を日々選択し続けている。

 

・2次元

この次元は部署という視点になる。この次元で各個人は部署を運営維持するために、役割が与えられる。心臓、腎臓、膵臓、両手、両足、口、脊髄、顔、脳、などの役割を各人が担っていくのである。その役割から判断して、先から行っている行動が、”自己”か”非自己”かをそれぞれの役割上で判断していく。この時の文法は、会社の行動規範、就業規則などになるのであろう。

 

例えば、”一秒でも遅れれば許さない”という行動が、各個人という視点からは”自己”と判断して、周囲の人と同じように1秒の遅れも無いように、神経を集中させて行動していたとする。ただ、部署から与えられた役割が”右足”の役割だったとしよう。そうすると、営業の役割を担っているとして、先の行動を考えてみる。”一秒でも遅れれば許さない”という行動だが、自分以外の要因、例えば、顧客の都合で、どうしても遅れてしまうということもある。これが許されない!とするのか、許される!とするのかが微妙になってくる。それぞれの役割から判断すれば良いのだ。”右足”の担当者は許される!としたとして、”顔”の担当者は許されない!となるかもしれない。

 

こうやって、部署の次元にまで来ると、各行動は、部署という生命体の視点で見て、”許される!”のか、”許されない!”のかを判断することになる。その際に、ルールを書き換えるかもしれない。”一秒遅れても許されるが、理由を述べよ!”というルールに変更するのだ。こうやって、情報が部署という生命体の視点にまでくると、変化して新たな意味になることもありえるのだ。

 

・3次元

この次元は、会社の視点ということになる。会社の視点になると、文法は何になるのか?今度は、行動規範?就業規則?いや違う。これは社長が従業員を統率するために記載したルールにすぎない。社長自身がこのルールに則って行動するかというと、そうではないのだ。よって、文法は?という問いに対しては、社長自身の価値観や理念というのが文法になるのであろうし、詳細に文章化されていないのであろう。

 

・4次元

この次元は、協会・カルテルの視点ということになる。カルテルの視点になると、文法は何になるのだろうか?カルテル内の価格設定、カルテル内の関係性など、社長は気を遣う部分も多い。その全体の関係性こそがルールということだろう。これも文章化はされていないのであろう。

 

 

ここから分かることは、人間という生命体の場合は、DNAという文法で統一されていた。それゆえ、原子だろうが、細胞だろうが、器官だろうが、神経系だろうが、免疫系だろうが、すべての次元で人間に関わるものは”DNA”という文法を拠り所にして、行動をしていたので、全体できちんと生命体を維持できていたのである。

 

一方、会社組織の場合、上記の通り、文法が統一されていない。次元毎に異なるゆえ、何を拠り所にして良いのかがわからず、混乱しているのであるし、組織がバラバラになるのである。”法律”というものが社会全体には”文法”として存在しているのだが、この”法律”なるものがDNAに比べてあまりにも曖昧であり、しかも各個人に周知徹底されていない。働き方関連法案1つとってみても、関連法案、局長通知、ガイドライン、Q&Aまでを法律と考えれば、膨大過ぎて必死で勉強したとしても覚えきれ無いほどの量である。これが、あらゆる分野の全法体系となると、とんでもない量になる。そして、これらがしょっちゅう変更されていくのである。ガイドラインやQ&Aなどは、しれっとネットに配信され、それで終わりという周知方法なのだから、極めて変更をタイムリーに知るのが困難なのだ。それゆえ、現時点での”法律を知らない人”が大半である。知らないからこそ、法を犯すような行動をとってしまうのである。

 

もし、各個人が原子や細胞や器官や系と同じように、”文法”を熟知し、”文法”に沿って行動する、つまりは、法律を熟知し、法律を遵守するように行動するならば、人間という生命体と同じように、会社という生命体、社会という生命体、が運営維持されるのであろう!昨今、複雑になりすぎた社会であるがゆえに、頭で法律の全体系を覚えるのは不可能である。しかし、朗報がある。法律の全体系を”AI”が検索し、最適解を出してくれる世の中にもうすぐなってくれる。こうなれば、各個人の1つ1つの行動に対して、その場で”AI”を検索し、法に抵触しないような行動かを判断していく、これが”自己”か”非自己”かの判断基準になっていく、というわけだ。

 

もちろん、法を破る人が現れたり、法を悪用して来る人もいる。そこを”自己”、”非自己”というそれぞれの判断基準で判断し、周囲がそれに同調してくれるか、してくれないか、によって創発性が生まれるか、生まれないかになる。警察や労働局などに裁かれなければいいや!という発想はどこにもない。あくまで、各個人が”自己”か”非自己”かを”文法”に則って判断しているにすぎないのだから!犯罪や悪、正義、という概念は、行動が蓄積し、積もり積もった結果、犯罪や悪になるのだ。そんなに積もり積もるまで判断をしなかったのが原因であり、そうではなく、1つ1つの行動の判断時に、”自己”か”非自己”かを判断するだけでいいのだ。仮に変な行動を”自己”と判断してしまったとしても、周りが同調しなければ、それは増幅されることはないのだから!

 

仮に東芝の不正問題のように、会社組織全体で、法を犯す行動をしても”自己”として周囲が同調し、創発していき、やがて会社全体に法を犯す行動が広まってしまったとするならば、それは、東芝という会社全体のDNAという文法が、日本国の法律と逸脱していたということなのであろう。最初から日本国の法律に則ったDNAという文法にしていれば、こんなことにはならないハズだ。

 

このように、法律に準拠する判断基準であれば、組織であろうが、会社であろうが、協会・カルテルであろうが、産業であろうが、すべて同じ”文法”で判断できるのだ!こうすれば、意識がズレずにすむ。よって、当方が考えるのは、ティール組織に向かうには就業規則、行動規範などはいっさい不要である!ということだ。そんなものを作ってしまうと、判断基準が2つできてしまい、余計に混乱することになるのだから!判断基準は1つでいいのだ!日本国で1つ!各国で1つ!これでいいのだ。ゆくゆくは、世界中で1つのグローバルルールなる法律を作って、それが世界中の人々の”文法”になれば、戦争もなくなるのではと思う。ルールがいくつもあることが問題なのだから!そして、1/fゆらぎによって、法の解釈がおかしい行動に対しては、排除されていくであろうし、万人に受け入れられる行動であれば、同調が加速して、創発性が生まれるまでになるのだ!

 

DNAという”文法”が代々継承されていく不変の仕組みであるのだから、社会も”法律”という代々継承されていく不変の仕組みをもっと有効に活用すべきなのである!それには、今のままでは難しい。頭では覚えられないし、1つ1つの行動に対して瞬時に判断したいのだから、いちいち弁護士に聞くなどの時間がかかっては意味がない。その場で瞬時に検索できる”AI”なる仕組みが誕生すれば、ティール組織が世界中に広まるきっかけになると考える!自己組織化へのポイントは、”文法”を統一することである!

 

さもなくば、各々独自の自己組織化を作ってしまい、それを正義だと言って、正当性を主張し、喧嘩を始めだすからだ。これが争いを生む原因であり、”文法”が複数あることが問題なのだ!法律、会社の行動規範、組織のインナー規則、いったいどれを優先すればいいのであろうか?結局は優先などできるはずもなく、もはや各人は意志をもたずに、言われたことをやって怒られないことだけに注力するのが現実なのであろう。それ以外にやりようがないから!それでは、”ゆらぎ”、”創発性”、”自己組織化”など起こるはずがない。いまのままでは永遠に世の中は中央集権化による権力構造のままであり、ティール組織が広まることは無いのであろう。法律というDNA文法で、世界を1つにしない限り。

 

 

・生命体に命が宿るとは

さて、自己組織化でどうしても最後まで謎なまま解決できない点がある。それが、魂ということであろう。どんなに生命体として心臓が鼓動し、免疫系、神経系が活動していようとも、それは肉体としての機能であって、感情や魂がそこに宿っているという論理的な証拠が見つかっているわけではない。当方の考えでは、それは永遠に見つからない思う。なぜなら肉体上には元々無いものだから。どんなにDNAで子孫に代々情報を伝えていくとはいえ、感情や魂までを文法化することはできなかったようだ。無いのに、一生懸命その証拠を探したところで、やはり無いという結論にしかならない。それでも、生命学、医学、生物学、物理学、などあらゆる分野で、命とはどんな現象なのか?と研究され続けているのだ。

 

では、感情と魂とは何なのか?これを詳細に記載することは割愛するが、簡単に記載すると下図のようになるのだ。

人間の肉体はDNAにより、代々その特徴は受け継がれていく。先ほどから記載している”肉体”としての人間というわけだ。この”肉体”には細胞や器官や系などが宿り、それぞれの機能を果たすことによって、肉体として動作したり、情報交換したりできるのだ。

 

一方、”幽体”(通称:”エーテル体”)と呼ばれる存在もある。これが何か?というと、ご先祖様ということになる。お母さん、おじいちゃん、ひいばあちゃん、等々の亡くなった方々が、まだ成仏していない場合に、誰か1幽体が代表して肉体に入り込んでくる。正確に言うと、肉体の周りに”エーテル体”という接着剤としての役割を担うことになる。これが2つ目のBODYということになる。そう、BODY側は2つあり、肉体+幽体がセットでBODYというのだ。

 

そして、”魂”(通称:”感情”+”精神”)と呼ばれる存在もある。これが何か?というと、まさに皆がよく知る”魂”であり、魂は本来、2つの要素”感情”+”精神”という2つの要素を持ち合わせる。”意識”+”意志”と表現することもあるし、”感情”+”意志”と表現することもあったり、表現方法はまちまちである。これが、BODY側に入り込むのだ!入り込む時期は、まだ母親のおなかの中に居る時で、生まれる直前に”魂”が入り込むのだ。そして、入り込む際に、”魂”は物質ではないので、肉体とそのまま通信できない!そこで、接着点を介して、肉体とつながる方法をとることにしたようだ。その接着点を”チャクラ”という。そのチャクラが閉じると魂との通信が途絶えるので、なんとか我らはチャクラを開けたいのだ!

当方は、全12チャクラモデルを考えているのだが、他にも数百のチャクラがあるという人もいるし、数万のチャクラがあるという人もいるし、まちまちである。この12チャクラで”魂”と肉体が接着しているのである。その接着点とは、どこになる?という疑問が湧く。それが、”エーテル体”上で接着点をもつということだ。よって”エーテル体”が”魂”をつないでくれる存在なのである。ご先祖様が、遠い宇宙からやってきた”魂”を肉体に迎え入れる導きをしてくださり、ようやく”人間”として機能するという壮大な仕組みを採用しているのだ。このような仕組みは、”人間”も”動物”も、”植物”さえも採用している仕組みなのだ。

 

これが、当方がいままで記載してきた、三位一体波動の法則という理論であり、人間という存在の壮大な仕組みなのだ!

 

 

・会社組織での魂とは?

現時点で、DNA文法である”法律”は各国ごとに定められている。よって、各国ごとに壮大な人間のような仕組みの生体構造があると仮定しよう。

 

ミトコンドリアに相当するのは、言葉・行動。

・細胞に相当するのは、部署。

・組織に相当するのが、会社。

・器官に相当するのが、団体・カルテル

・器官系に相当するのが、産業。

・人間の体に相当するのが、”日本国”。

 

このように考えた場合、DNAは”法律”であり、人間の体は、日本国の”国民総生産”ということになるのであろう。では、魂は何になるのか?というと、それは、天照大神であり、”武士道、和の心、神道”、になるのであろう。そしてエーテル体は何になるのか?というと、”江戸、明治、大正、昭和”などの時代背景などになるのであろう。

 

こう考えると、各個人などから発せられる言葉や行動は、まず細胞という部署に属し、DNAである”法律”に則り行動することで構造と機能を発揮するようになる。その部署が集まり、会社となる。会社はそれぞれの特徴があり、各々で役割も異なる。会社ごとに集まることで器官という団体・カルテルをつくり、器官どおしが連携することで器官系である産業分野が出来上がるのだ。これを日本全土で見てみると見事に、日本国という生命体が動いているような状態になっていくのであろう。そう考えると、会社ごとにティール組織に向かうのではなく、日本国の至るところで組織や会社や産業という単位ごとに自己組織化して”創発”が発現している状態がティール組織ということになるのだ。

 

従来の考え方では、会社ごとに行動規範、就業規則を”法律”であるかのように作り、それに従業員を従わせ組織を器官とみなし、器官系を連動させ、そして会社ごとにティール組織に向かうのだ!と考えた。しかし、そうではないのだ!え?と思うだろうが、会社ごとにティール組織に向かうと、結局はそれぞれ”法律”が違うので、正当性を主張しだし、争うという構造になり、会社どおしがさらに連携し自己組織化していくことはほぼ無くなる。そうなると、先から記載しているような、創発性が会社どおしでは生まれず、結局その自己組織化した会社は同調されずに淘汰されていくという構造になる。これでは、日本国のいたるところで”創発”が発生し、新たな意味がどんどん生まれ、日本国というボディが活性化することは無いのだ!”法律”が複数あったら”創発”が起きないのだ!これを皆が理解すれば世の中は変わるのであろう。

 

 

いかがであろうか。

これで、自己組織化とは?の全容が出そろった。会社ごとにティール組織に向かうという考えでは、結局はそれぞれ”法律”が違うので、正当性を主張しだし、争うという構造になり、会社どおしがさらに連携し自己組織化していくことはほぼ無くなる。これは大発見である。どうすれば地方の会社が東京や大阪の会社に勝てるのか?世界に勝負できる会社になれるのか?と一生懸命に組織論、経営理論が研究され

続けている昨今だが、今の考えのまま研究しつづけても永遠にその答えはでないのであろう。どう考えても東京や大阪、まして世界という規模が大きい方が勝つという構図は変わらないのだから。そうではなく、我々は自己組織化により、いたるところで”創発”が発現し、会社どおしが連携を取り合い、また新たな団体となり、さらなる新たな意味を見出し、さらにその意味ももっと大きな役割へと変わり、さらに産業自体が重要な日本国の根幹を成すようになっていく。これがこれからの時代の経営理論になっていくのであろう。

 

システムの世界では少しずつ出始めている。そう、ブロックチェーン技術などのような、各個人が団体を作り、その団体が創発し新たな意味を見出す。その新たな意味が役割となり、産業にまで発展しつつある。この仕組みはまさに自己組織化から創発が発現していく仕組みと同じである!これを組織論や経営理論に当てはめていくということだ。

 

これでティール組織というのがどういうものか理解できたのではないかと思う。成熟期(40~64年目)の危機を乗り越えるには、就業規則や行動規範を徐々に無くしていき、日本国の法律に準ずる行動を各自がしていくことだったとは、思いもよらない結論だろう。結局は、最期を迎える準備のために子供に戻っていくようなものだ。規則でがんじがらめにした成長期とは異なり、成熟期はそれを緩めていく方向となる。そして、最期の衰退期に入る頃には、規則はもうほぼ無くなっているという具合だ。これが会社組織100年設計の概要だ。

組織の後半戦について 成熟期③

今回も、後半のレールに乗ることについて、つづきを見ていきたい。

 

先まで、人生と同じように、組織も100年設計とすれば、目標設定や発達段階への対処が可能となり、100年設計するために組織の存在目的やマネジメントを今一度、すべての組織がやり直しを迫られていることを記載してきた。組織には、人生と同じで発達段階というものがある。エリク・エリクソンの発達段階モデルに沿って見てくととても良く当てはまるのであった。

 

○組織の発達段階

第1~3段:導入期①意志キャラクタに乗る(0~6年目)衝動型組織 ”自立”vs 罪悪感

第4段:導入期②表面キャラクタに乗る(7~12年目)順応型組織 ”勤勉性”vs 劣等感

第5段:導入期③本質キャラクタに乗る(13~19年目)達成型組織 ”自我確立”vs 自我拡散

第6段:成長期 グループに乗る(20~39年目)多元型(フラット)組織 ”親密性”vs 孤独

第7段:成熟期 レールに乗る(40~64年目)進化型(ティール)組織 ”世代性(伝承)”vs 停滞

第8段:安定期 老年レールに乗る(65~84年目)分散型(ブロックチェーン)組織 ”統合性”vs 絶望

第9段:衰退期 全てを超越する(85年目~)個人の集合体組織 ”老年的超越”vs 死

 

会社組織は、内部でゆらぎを増大し、自己触媒を醸し出し、動的で開放的な環境で、真の自己組織化という相転移(進化)を成し得るのであろう。だが、自己組織化でまだよくわからないことが2つある。それは、「ゆらぎ」である行為が、どのレベルまでなら「ゆらぎ」なのであろうか?例えば、誰かが「給与をあげろ!」と叫んだとする。これは”自己”か”非自己”かというと、メンバーにすれば”自己”であろう。皆、給与は上がった方が良いに決まってる。しかし、”自己”という行為として認められたとしても、それに対して、正のフィードバックをするか?というと、しないだろう。そう、もはや「ゆらぎ」の域を超えた行為なのである。では、どこまでが「ゆらぎ」という行為なのか?その臨界点はどこなのか?がわからない。もう一つの不明点は、先から記載しているように、どうやって細胞が集合し、集合体が”生命体”に変わるのであろうか?命はいつ吹き込まれるのであろうか?ここがわからない。

 

二つ目の不明点に関し、どうやって細胞が集合し、集合体が”生命体”に変わるのかを見ていきたい。

 

生体のゆらぎ

自然界の一部である人間の生体におけるリズムもまた、ゆらぎ を伴っていることがわかった。人体という複雑なシステムをコントロールするために、体内で情報伝達の役割を担っているのがニューロン神経細胞)と軸策による神経回路である。神経は蜘蛛の巣のような形の細胞で身体の隅々まで繋がっている。神経細胞は、様々な情報を電気的な信号として伝えることで、その機能を果たしており、神経細胞から神経回路を通って脳に達し、また同じように逆の経路で末端の細胞にまで伝わる。生体のニューロンから生体信号として発射する電気パルス(電気信号)の間隔を調べたら、1/f ゆらぎ をしていた。心臓の拍動もこの電気信号で起こっているため、心拍リズムの間隔は、きれいな 1/f ゆらぎ になっているのだ。


生体のリズムは神経細胞が発射する電気信号で決まり、生体リズムは全て 1/f ゆらぎ に従っているという発見であった。体温の変化、呼吸数、目の動き、脳波(α波)にも 1/f ゆらぎ があることが検証されている。実際に、手拍子でリズムを刻むと 1/f ゆらぎ は現れるが、メトロノームの音を聴きながら手拍子を打つと、間隔のゆらぎは現れずほとんど一定になる。メトロノームに合わせようとするために生体固有のゆらぎが消えてしまうようだ。手拍子を打っている人も、聞いている人もこのゆらぎには気がつかない。なぜかと言えば、生体そのものが 1/f ゆらぎ のリズムをもっていて、精度が同じであるためわからないからだ。

 

人間の生体機能の制御は、全て電気パルスで行われ、その基本的なゆらぎは 1/f ゆらぎ である。さらに、生体はこの 1/f ゆらぎ をうまく活用していて、ゆらぎがある方が機能をコントロールしやすいのではないかと考えられている。例えば、目の動きは常に焦点に合っているわけではなく、前後にふらふらと動いている。それは、見るものの位置が変わったときに、すぐに焦点を合わせやすいからだ。焦点だけでなく、目玉もちょこちょこ絶えず動いているのは、網膜の上の感度を調整することで像を捉えているからで、目玉の動きを止めると見えなくなる。同じ臭いが続くと慣れて感じなくなるように、感覚は変化がないと刺激として感じにくくなる。生理機能のいたるところに 1/f という微妙なズレが見られるのは、変化を感じて調整するための刺激としての意味があるのかもしれないと考えられている。

 

また、生体は、ゆらぎを巧みに活用して、小さなエネルギーで効率よく働き、自律性や柔軟性を発揮する

仕組みをもっていることがわかった。例えば、脳の柔軟な認知の過程やひらめきにも、ゆらぎが有効に働いていることが検証されている。スーパーコンピューターとチェスの世界チャンピオンがチェスの試合をして、最終的にはコンピューターが勝ち、このとき約5万Wの電力を消費したが、チャンピオンの脳は複雑なシステムにもかかわらず、エネルギーとして1Wしか使っていなかった。このように、生体はゆらぎにより、複雑なシステムを省エネでうまく制御しているようだ。このゆらぎを活用した仕組みは、ロボット技術やネットワークの制御など様々な分野に応用されている。

 

このように、健康な生体のリズムは基本的に 1/f ゆらぎをしているといっても良いであろう。研究では、生体のリズムが自然界のリズムと合致したときに人は快感を覚える、という仮説はほぼ間違いないとしている。よって、ゆらぎ のなかで、1/f ゆらぎ が私たちに心地よさや安らぎを与えてくれるのは、人間の生体リズムも1/f ゆらぎ になっているからだと言える。

 

 

組織における1/f  ゆらぎとは

組織で言うと、先に記載したとおり、まずはメンバーの構成としてのゆらぎが必要だ。同じような性質のメンバーを揃えていては、ゆらぎが発生しない。また、1/f ゆらぎを満たすようなちょうどよいばらけ具合にメンバーを揃えることができたとして、そこから各メンバーが実際に、上記のような1/f ゆらぎの行動をとり続けることが必要であるが、それができる環境にあるか、どうかがポイントになる。その環境とはどんな環境なのであろうか?

 

上図は振る舞いをコントロールする変数λを横軸に取り、縦軸に複雑さをとるとすると、コントロールが緩くなるほど、混沌が増していくのだが、ある地点を境にして、崩壊してしまうのか、それとも相転移して次のレベルに進化するのかの分かれ道が来る。その微妙な混沌具合が1/f ゆらぎというわけだ。組織を混乱に陥れるような行為なのか、ありきたりな行為なのか、その両方がちょうどよい具合に混じりあっているのか、というのが指標となる。波動レベル4の行動であれば、”規律を守る”というのがあるが、毎回同じように行動して、規律を守ってます!とやっててはマンネリ化してしまい、その行動を増幅しようと他のメンバーが追随してくれなくなる。それが、毎回同じように行動するのではなく、少しズレた、つまり1/f ゆらぎ分だけズレた行動の場合、”1秒でも遅れたらダメ!”というガチガチの人は少数だがいて、”5分までなら遅れても許容範囲!”という緩めの人が大多数いたら、それはちょうど1/f ゆらぎ分だけバラけているので、マンネリ化せずに、追随されてゆくのだ。良い意味で、ガチガチの人と、少し緩めの人がちょうど良い具合に混じり合っているのがカオス辺縁で留まるポイントとなる!

 

1/f ゆらぎのちょうどよい混沌具合を維持していけば、やがて進化して次のステージである波動レベル

の1つ上の段階へ組織は向かうことができるのだ。このようにして、波動レベル7の行動が組織内で、当たり前のように発動されれば、もうティール組織になったといえる。ただ、またそこからさらなる進化をするのか、もしくはそのままでいると、退化して、波動レベルはまた下がってしまうのだ。これを繰り返して、波動レベルを乱高下しながらも、なんとか、高い波動レベルを維持しようと、踏ん張ることこそが、ティール組織ということなのだ。

 

 

創発性とは  以下、こちらより抜粋

生命・生物系を対象とするとき、ミクロである下位レベルの作用により生じるマクロである上位レベルの動作との関係において、上位レベルの動作は下位 レベルの法則によっては説明できない。そして上位レベルは下位レベルに対し、境界条件を設定するものとし、これを周縁制御の原理と呼んだ。わかりやすい例でいえば、機械の構成要素については物理・化学法則により説明できるが、上位レベルの特性である機械としての作動原理は(人間の与える)合目的性により定まるものであり、下位レベルの法則からはでてこないということである。そして生命・生物系においてはこの上位レベルは”創発”によりうみだされるという。それが生命・生物系の特徴であるが、人工系なら、上位レベルの境界条件を与えるのは人間である。右脳、左脳の研究でノーベル賞をうけたR.Sperryも同時代に”創発”を論じている。彼の論点は脳における意識の役割にある。ここでも下位の存在としての神経細胞と上位の存在としての精神や意識について、これらを別々のものと考える二元論を否定し、双方向の因果的関係をもつとし、その関係を”創発”ととらえている。

 

これは、会社組織でも全く同じで、個人というミクロの世界と、会社組織としてのマクロの世界、この両方の立場で、我々は仕事をしているのだが、これをまったく別物の二つとして二元論的に考えるのではなく、その関係を”創発”と捉えて双方向の何がしかの因果関係を持つものとして、その因果関係を分析していこうとしているということだ!

 

「自律的に振る舞う個体(要素)間および環境との間の局所的な相互作用が大域的な秩序を発現し、他方、そのように生じた秩序が個体の振る舞いを拘束するという双方向の動的過程により、新しい機能、形質、行動などが獲得されること」 、この創発過程は、フィードバック系となっている。具体的に創発現象とみえる例として、アリの群れによるフェロモン場の形成、自由市場における価格形成、あるいは個人の集団による世論形成などがよくあげられる。

 

 

自己触媒性とは  以下、こちらより抜粋

ハーケンは、自己組織化現象の簡単な例として、レーザーを取り上げている。レーザー管の中でポン

ピングと呼ばれる操作によって励起状態に置カ亙れた原子は、もとの基底状態に戻る際に誘導放出

よって光を放出する。この場合、外からの光と同じ位相の光が放出される。ポンピングによって与えられるエネルギーが大きくなると、励起状態の原子の密度の高い不安定構造となり、誘導放出が連鎖的に起こり、原子の状態変化が協同的に進行する。その結果、レーザー管の両端に取り付けられたミラーの働きで、レーザー管の軸方向に位相の揃ったレーザ一光(マクロな秩序)が発生する。このとき、誘導放出の働きで、原子のミクロな運動が、マクロな秩序であるレーザー光に同調することになる。この誘導放出は、マクロな秩序に自己のミクロダイナミクスを同調させる性質による。すなわち原子の運動のもつ

自己触媒性に基づくものと解釈される。

 

位相の揃った光の波というマクロな秩序は、多数の原子の内部運動というミクロダイナミクスから構成されている。またその一方でミクロダイナミクスは、マクロな秩序に隷従している。つまり、マクロな秩序とミクロダイナミクスの聞にはフィードバックループが存在する(図 2.4参照)。ハーケンは、秩序形成に関して、このような隷従化現象が起きているときに、スレイビング原理 (slaving principle) が成立するといい、レーザーばかりでなく幅広い領域での自己組織化現象において成立するものと主張している。

 

 

組織における自己触媒性とは

上記のとおり、あらゆる自己組織化現象において、マクロな秩序とミクロダイナミクスの間にフィードバックループが存在すると仮定する。そうすると、どのようになるのだろうか?見てみたい。

 

会社組織には、部署があり、そして個人がいる。おおまかには3次元構造になっているのだが、マクロな秩序とは、会社の経営方針であろう。ミクロダイナミクスとは、個人の各行動であろう。個人の各行動には、環境、情報の取捨、感情、人間関係、スキル、判断力、などあらゆる要素、つまりはミクロダイナミクスが働いている。今までの経営理論であれば、経営方針を明確に定めて、その方針を下へ下へおろしていく。下は、その方針に奴隷のように従うのみである。この仕組みでは、ミクロダイナミクスを十分に生かしているとは言い難い。そうではなく、各個人を尊重し、各個人からのボトムアップ的な目標設定を統合して、経営の目標とすれば、今度はどこに向かうのか分からない会社となり、崩壊する危機にも向かうかもしれない。ボトムアップでもなく、トップダウンでもない理論がフィードバックループということになるのであろう。

 

クロダイナミクスの代表的なものが、”自己”と”非自己”の選択ということになるが、ある行動が”自己”と認められれば、正のフィードバックが増幅されるし、”非自己”となればゆり戻しにあい、その行動は消滅してしまう。各個人がこのON-Offを繰り返すことで、信号となり、組織にその信号が増幅された形で伝達されていく。その信号はさらに各組織間通しでもON-Offを繰り返して、さらに増幅されていき、会社組織の方向性となっていく。

 

 

人間の体が行っている仕組みと同様の仕組みを会社組織にも取り入れれば良いということは理解できるのだ。これは、各個人が意図した結果でもなく、経営側が意図した結果でもない、予期せぬ結果として様々なアプトプットが出力され続ける自己組織化現象と言われる。そう、ボトムアップでもなく、トップダウンでもない仕組みなのだ!この仕組みの根幹が、フィードバックループということになる。つまり、一つの増幅された信号に対し、

①まず組織として増幅するかどうかを判断する。

→ この時点で、組織として増幅すると判断されなければ、その行動は消滅する方向へ向かう。

 

②次に各組織間で増幅するかどうかを判断する。

→ この時点で、事業部や会社として増幅すると判断されなければ、その行動は組織に戻され、修正を求められるのか、消滅するかへ向かう。

 

③今度は会社にまで増幅された結果を各個人が判断する。

→ この時点で、会社にまで増幅された結果により、各個人はそれを受けて行動を続けるか、修正するか、止めるかを判断する。

このような①~③のループ構造になっているのだ!

 

このように一つの信号ごとに、フィードバックループを回していき、それを組織は増幅するのか?会社は増幅するのか?を判断していき、増幅していく。この増幅の過程で、新たなアイデアや方向性が加わることも珍しくない。これにより、予期せぬ方向へと増幅されることもあるが、そのゆらぎの幅は、1/f ゆらぎの幅であれば、会社組織として維持でき、そのゆらぎの幅が、カオスとなるほどであれば、会社組織として崩壊へと向かうということだ。

 

これが、フィードバックループの仕組みであり、いかに1/f ゆらぎの幅に抑えられるか、環境設定が極めて大切ということになるのであろう!どのような環境設定をすればこのようなフィードバックループが機能するのか?ここが問題だ。当方が考えているのは、すべてを1/f ゆらぎの幅に抑えていく環境設定ということ。つまり、社長にしろ、部署の管理職にしろ、すべての人が1/fというゆらぎに収まるように、緩すぎず、締め付け過ぎず、ちょうど1/f 特性を満たすような割合で管理していけば、その環境設定が可能となる!と考える。言葉でいうのは簡単だが、実際にその1/f特性を満たすように緩すぎず締め付け過ぎず

管理するのは、とても難しい。ただ、そうすれば、1/f ゆらぎにより相転移(進化)が生まれ、1つ上のステージ、さらに上のステージへと昇って行けるということだ!

 

なお、このフィードバックループこそが、生命体として機能する根幹の仕組みということだ。まるで生きているかのように組織が振る舞うためには、このフィードバックループを的確に運用することなのである!

 

 

いかがであろうか。組織がまるで生命体であるかのように振る舞うための仕組みが明らかになりつつある。上記のようなことを実践していくとティール組織が出来上がっていくというイメージが湧くであろう。もうすこし詳細を、次回も記載したい。

組織の後半戦について 成熟期②

今回は、組織の中盤戦からいよいよ後半のレールに乗ることについて見ていきたい。

 

先まで、人生と同じように、組織も100年設計とすれば、目標設定や発達段階への対処が可能となり、100年設計するために組織の存在目的やマネジメントを今一度、すべての組織がやり直しを迫られていることを記載してきた。組織には、人生と同じで発達段階というものがある。エリク・エリクソンの発達段階モデルに沿って見てくととても良く当てはまるのであった。

 

○組織の発達段階

第1~3段:導入期①意志キャラクタに乗る(0~6年目)衝動型組織 ”自立”vs 罪悪感

第4段:導入期②表面キャラクタに乗る(7~12年目)順応型組織 ”勤勉性”vs 劣等感

第5段:導入期③本質キャラクタに乗る(13~19年目)達成型組織 ”自我確立”vs 自我拡散

第6段:成長期 グループに乗る(20~39年目)多元型(フラット)組織 ”親密性”vs 孤独

第7段:成熟期 レールに乗る(40~64年目)進化型(ティール)組織 ”世代性(伝承)”vs 停滞

第8段:安定期 老年レールに乗る(65~84年目)分散型(ブロックチェーン)組織 ”統合性”vs 絶望

第9段:衰退期 全てを超越する(85年目~)個人の集合体組織 ”老年的超越”vs 死

 

組織の後半戦はというと、成熟期(40~64年目)だ。ここにしっかりと乗っていけるかどうかを見ていきたい。この時期に 「世代性」 を持つには、自分自身が確立されていなければならない為、“自分を磨いたり、能力を高める為の努力”や“深み” を持っていないと、それを「次の世代」に託せなくなり、場合によっては、社会的にも 「停滞」 してしまう傾向がある。また、次の世代を育成することに関心を持てないでいたり、個人的にも満足感・充実感は得られにくく、それ以前に託そうとする意識も育まれにくくなる。それらは「職業的な意識」「社会的な意識」「家庭的な意識」、もっとも「個人的な意識」もそうかもしれない。そして、この時期には、 「中年の危機」 といわれるような問題が顕在化し始めていく。

 

「中年の危機」、組織でいうと「成熟期の危機」を解消するには、男性性と女性性を統合していき、自己組織化を群発させていかねばならない。会社組織でいうと、「一歩踏み出せば、誰でも何かを引き起こせる」「何かを引き起こすのに、肩書きや資格なんか必要ない」という状況が作り出せるかどうかである。つまり、最初から中心になる人(ペースメーカー)と、そこに集まる人(その他の細胞)みたいな構造ではダメなのだ!そのような構造は、ヒエラルキーを産み出し、個人の自由な動きを抑圧するようになるからだ。でも、フラットな関係だけでは、自己組織化は起こらない。揺らぎを増幅していく仕組みが必要だ。

 

おそるおそる手を挙げた人にポジティブなフィードバックを送って励まして、みんなで引き上げていく仕組み。活動が正当に評価され、認められる仕組み。手を挙げれば、誰かが続いてくれるという確信が、手を挙げやすくしていく。それが文化として定着していき、次々と手を挙げ、一歩踏み出す人が増えると閾値を超え、自己組織化が起こる。それは、自由な心を持った人たちのグループに起こる現象。その現象が起これば、心がもっと自由になる。メンバーたちが、生き物らしさを最大限発揮することが出来れば、場の温度はどんどん上がっていく。これが我々が目指すティール組織というものだ!

 

つまり、「ゆらぎ」に該当する、恐る恐る誰かが手を上げるという行為をきっかけに、それに対する各メンバーからの正のフィードバックによるゆらぎの増幅が起こり、次々と手を上げる人が増えて、それが文化となって当たり前のようになる「閾値」を超えれば、自己組織化が起こるという仕組みだ。この「閾値」の値は、0.45~0.5と言われており、つまり、全体の約半数が当たり前のように手をあげていけば、残るメンバーも一気にあたり前のように手を上げだすという仕組みだ。0.5、つまり半数というのが層移転する臨界点ということになる。

 

この「ゆらぎ」はあくまで「ゆらぎ」であるべきで、逸脱するような行為は「ゆらぎ」ではない。誰かが突然、身勝手な行動を始めても、それを各メンバーが正のフィードバックをするか?というと、しない。そう、「ゆらぎ」とは、”自己触媒”と呼ばれる動きが欠かせないのだ。自己触媒とは、細胞でいうと、反応に加わっている分子で自己と同じ分子を作るために、自己自体を必要とするということである。これを会社組織でいうと、「ゆらぎ」が発生した時点で、その行為が”自己”なのか、”非自己”なのかを各メンバーが瞬時に判断し、”自己”だと思うと、それを増幅しようと、その行為を触媒としてさらなる”自己”を作ろうとするということだろう。つまり、”自己”だと思えば正のフィードバックをするし、”非自己”だと思えば、無視するか、攻撃するかということになる。

 

このようにして、会社組織は内部でゆらぎを増大し、自己触媒を醸し出し、動的で開放的な環境で、真の自己組織化という相転移(進化)を成し得るのであろう。物理学者、科学者のイリヤ・プリコジンは、自己組織化が起こる3つの条件を散逸構造理論にまとめた。この散逸構造理論がその後の「複雑系」研究の発展のもととなり、プリコジンは1977年にノーベル化学賞を受賞している。その散逸構造理論による自己組織化の3条件こそが、先から述べている3つであった。

 

「外部との開放性」
いわゆる「閉じたシステム」では自己組織化は起こらない。閉じたシステムではエントロピーが増大し、無秩序状態になってしまう。生物が良い例だが、生きている間は、外部から酸素や栄養を取り込み不要物を排出するなど外部とのやり取りを行い身体を維持している。しかし生命の営みが止まると外部とのやり取りも止まる。そうするとすぐに朽ち果てていくのだ。

 

「非均衡(動的)」
ゆらぎが生まれるためには非均衡が必要である。動的で開放的な環境でないと、ゆらぎが生まれない。静的な環境で閉じた環境ならば、ゆらぎが起きない。プログラマーのような仕事で、コーディングさえすればよいと言われている人は、静的で閉じた環境に近く、ゆらぎが起こりにくいが、営業のような開放的な環境であれば、あらゆる方位から刺激が入り、ゆらぎが発生しやすい環境なのである。

 

「正のフィードバック」
正のフィードバックとは、”自己”か”非自己”かを見分け、”自己”であれば、その行為を増幅するように皆が助長してくれるということであろう。おそるおそる手を挙げた人にポジティブなフィードバックを送って励まして、みんなで引き上げていく仕組み。活動が正当に評価され、認められる仕組み。手を挙げれば、誰かが続いてくれるという確信が、手を挙げやすくしていく。それが文化として定着していき、次々と手を挙げ、一歩踏み出す人が増えると閾値を超え、自己組織化が起こる。

 

 

これで、ティール組織へのプロセスが大まかにだが見てきた。上記の3つを満たす環境を設定してやれ

ば、自ずと自己組織化へ向かっていく。だが、自己組織化でまだよくわからないことが2つある。それは、「ゆらぎ」である行為が、どのレベルまでなら「ゆらぎ」なのであろうか?例えば、誰かが「給与をあげろ!」と叫んだとする。これは”自己”か”非自己”かというと、メンバーにすれば”自己”であろう。皆、給与は上がった方が良いに決まってる。しかし、”自己”という行為として認められたとしても、それに対して、正のフィードバックをするか?というと、しないだろう。そう、もはや「ゆらぎ」の域を超えた行為なのである。では、どこまでが「ゆらぎ」という行為なのか?その臨界点はどこなのか?がわからない。もう一つの不明点は、先から記載しているように、どうやって細胞が集合し、集合体が”生命体”に変わるのであろうか?命はいつ吹き込まれるのであろうか?ここがわからない。

 

◆まず1つ目の不明点であるが、相転移(進化)とゆらぎには比例関係があるということがポイントになる。なかでも、1/f ゆらぎと相転移(進化)にはより強固な相関関係があるということだ。それゆえ、要素のゆらぎが大きい方が相転移(進化)しやすいということであり、組織でいうと、各メンバーの性質が、均一で、似通ったメンバーであれば、ゆらぎが起こりにくく、いろんな性質のメンバーがいれば、ゆらぎが起きやすいということだろう。これは、感覚的には納得できる。”多様性”ということが動的な環境には必要であろうし、”多様性”がないと対応できないことも多いのであろう。

 

ただ、多様性が大きくても、感覚的には本当に纏まるのであろうか?という疑問であろう。纏まらないでバラバラになる、つまりカオスに陥るという事だろう。一方で、カオスに陥らずに、相転移(進化)するケースもある。それこそが、自己組織化ということなのであろう!

 

 

上図のとおり、最初はランダムな状態が発生し、そこから秩序に向かうのか、カオス辺縁に向かうのかに分かれるのであろう。ポイントはカオス辺縁であろう。つまり境界線。もうこれ以上の増幅は難しいというギリギリの境界線、つまりカオス辺縁に差し掛かった時に、カオス(解体)に向かうのか、相転移(進化)に向かうのかで、別れるのであろう。相転移(進化)なれば、そこには秩序(進化)が生まれて、また落ち着くのであろう。

 

簡単に言うと、波動レベル1の行為からみると、

・優しく接する

・ハグする

・ほめる

などが誰かから発動されたとしよう。それは、”自己”と見なされれば、組織の中でその行為は増幅されて、半数を超えたところで、皆が当たり前のように日常に取り入れるのである。これが、波動レベル1の自己組織化である。秩序(進化)が生まれて、波動レベル1の行為が当たり前になったということだ。

 

次に、また誰かが、波動レベル2の行為をしたとしよう。

・意見を人に合わせる

・声を掛け合う

・一緒に行く

などの行為だが、これがまた組織で”自己”と認められれば、増幅されていく。そして、約半数のメンバーにまで増幅されてくれば、もはや当たり前のように、組織内にその行為は広まる。これが、波動レベル2の自己組織化である。秩序(進化)が生まれて、波動レベル2の行為が当たり前になったということだ。

 

ここで、誰かが、波動レベル7の行為をしたとしよう。

チャネリングする

・神聖になる

・自分の全てを次世代へ伝承していく

突然、他の拠点にいるメンバーとチャネリングし情報交換を始めたり、今まで作り上げてきた組織のノウハウを外部に開放すると言い出したり、神聖な儀式をやりだしたり、するとどうだろう?”自己”として組織内に受け入れられるだろうか?一部のメンバーには受け入れられ、この数人で盛り上がって組織内に広めようと努力したとする。頑張って、良いことだから!と広めようとするも、やはり、組織内の全員には受け入れられずに、やがてカオス(解体)へと向かうのだ。これが、カオス(解体)へと向かう場合の話だ。

 

このように考えると、”ゆらぎ”という行為はどのような行為か?という質問に対しては、各組織の状態

や置かれた環境によって、またメンバーの性質によって異なるということであろう。ただ、1/f ゆらぎの特性を満たすような組織にする、つまりは、強い人から弱い人、波動レベルの高い人から波動レベルの低い人まで、多様な人が組織内にいること、こそが1/f ゆらぎを満たす条件なのであり、目指すべき組織の形ということになるのだ。

 

このような役割分担をし、各役割ごとに波動レベルがそれぞれ異なる!その役割をきちんとこなしてもらうことこそが、1/f ゆらぎを満たした組織ということになるのであろう。決して、波動レベル7に全員を合わせてしまうとかでは、1/f ゆらぎの組織にはならないということがよくわかったであろう!

 

まずはメンバーの構成としてのゆらぎが必要だ。同じような性質のメンバーを揃えていては、ゆらぎが発生しない。また、1/f ゆらぎを満たすようなちょうどよいバラけ具合にメンバーを揃えることができたとして、そこから各メンバーが実際に、上記のような1/f ゆらぎの行動をとり続けることが必要であるが、それができる環境にあるか、どうかがポイントになる。その環境とはどんな環境なのであろうか?

 

上図は振る舞いをコントロールする変数λを横軸に取り、縦軸に複雑さをとるとすると、コントロールが緩くなるほど、混沌が増していくのだが、ある地点を境にして、崩壊してしまうのか、それとも相転移して次のレベルに進化するのかの分かれ道が来る。その微妙な混沌具合が1/f ゆらぎというわけだ。組織を混乱に陥れるような行為なのか、ありきたりな行為なのか、その両方がちょうどよい具合に混じりあっているのか、というのが指標となる。波動レベル4の行動であれば、”規律を守る”というのがあるが、毎回同じように行動して、規律を守ってます!とやっててはマンネリ化してしまい、その行動を増幅しようと他のメンバーが追随してくれなくなる。

 

それが、毎回同じように行動するのではなく、少しズレた、つまり1/f ゆらぎ分だけズレた行動の場合、”1秒でも遅れたらダメ!”というガチガチの人は少数だがいて、”5分までなら遅れても許容範囲!”という緩めの人が大多数いたら、それはちょうど1/f ゆらぎ分だけバラけているので、マンネリ化せずに、追随されてゆくのだ。良い意味で、ガチガチの人と、少し緩めの人がちょうど良い具合に混じり合っているのがカオス辺縁で留まるポイントとなる!

 

1/f ゆらぎのちょうどよい混沌具合を維持していけば、やがて進化して次のステージである波動レベルの1つ上の段階へ組織は向かうことができるのだ。このようにして、波動レベル7の行動が組織内で、当たり前のように発動されれば、もうティール組織になったといえる。ただ、またそこからさらなる進化をするのか、もしくはそのままでいると、退化して、波動レベルはまた下がってしまうのだ。これを繰り返して、波動レベルを乱高下しながらも、なんとか、高い波動レベルを維持しようと、踏ん張ることこそが、ティール組織ということなのだ。

 

 

いかがであろうか。これで、おおよそのティール組織の概要が理解できた。あとは、どうやって生命体として、命を吹き込んでいくのかということである。組織をどうやったら生き物のようになるのかを、次回、みていきたい。

 

組織の後半戦について 成熟期

今回は、組織の中盤戦からいよいよ後半のレールに乗ることについて見ていきたい。

 

先まで、人生と同じように、組織も100年設計とすれば、目標設定や発達段階への対処が可能となり、100年設計するために組織の存在目的やマネジメントを今一度、すべての組織がやり直しを迫られていることを記載してきた。組織には、人生と同じで発達段階というものがある。エリク・エリクソンの発達段階モデルに沿って見てくととても良く当てはまるのであった。

 

○組織の発達段階

第1~3段:導入期①意志キャラクタに乗る(0~6年目)衝動型組織 ”自立”vs 罪悪感

第4段:導入期②表面キャラクタに乗る(7~12年目)順応型組織 ”勤勉性”vs 劣等感

第5段:導入期③本質キャラクタに乗る(13~19年目)達成型組織 ”自我確立”vs 自我拡散

第6段:成長期 グループに乗る(20~39年目)多元型組織 ”親密性”vs 孤独

第7段:成熟期 レールに乗る(40~64年目)進化型(ティール)組織 ”世代性(伝承)”vs 停滞

第8段:安定期 老年レールに乗る(65~84年目)分散型(ブロックチェーン)組織 ”統合性”vs 絶望

第9段:衰退期 全てを超越する(85年目~)個人の集合体組織 ”老年的超越”vs 死

 

組織の後半戦はというと、成熟期(40~64年目)だ。ここにしっかりと乗っていけるかどうかを見ていきたい。そのためにも、まずは、人生の中年期(40~64才)を見ることで、参考にしたいのだった。

 

この時期に重要となるのは、上記のように、 “仕事・家庭・子供や後輩達との出会い” になる。「世代性」とは、 “次の世代” を育むという事に積極的に関与したり、関心を高めるというような意味があり、子供がいる家庭においては、自分の子供を育てると言う経験が当てはまる。職場などの場合では、後輩達の教育や伝承などが当てはまる。「家庭」の中での子育てはもとより、「職場」などを通じて、 “自分自身がこれまでに経てきたものや深めてきた事” を 「次の世代」 に託すといった意味が含まれていて、自分の経てきた事を身近な存在に伝承(指導したり・関心を占めす)することによって、親密な存在を自分たち自身でつくり出していきたいという心の育みの時期でもある。その過程の中では、自分を犠牲にしながら成長を援助してゆく場面も見られる。そうしながら育まれてゆくのは 「世話する心」 。

 

この時期に 「世代性」 を持つには、自分自身が確立されていなければならない為、“自分を磨いたり、能力を高める為の努力”や“深み” を持っていないと、それを「次の世代」に託せなくなり、場合によっては、社会的にも 「停滞」 してしまう傾向がある。また、次の世代を育成することに関心を持てないでいたり、個人的にも満足感・充実感は得られにくく、それ以前に託そうとする意識も育まれにくくなる。それらは「職業的な意識」「社会的な意識」「家庭的な意識」、もっとも「個人的な意識」もそうかもしれない。そして、この時期には、 「中年の危機」 といわれるような問題が顕在化し始めていく。

 

・組織における成熟の危機

組織における”成熟の危機”とは何なのだろうか?それは、人生における「中年の危機」と同様の問題が顕在化していくのである。組織における”成熟の危機”について、大きく2つの視点から考えてゆくと、
1.『いろいろな事に限界を感じ始める時期』

組織力の限界」「能力や可能性に対する限界」「若い時期に描いていた理想像への限界」 等々、いろんな意味での限界を感じ始める時期となる。その為に、会社の方向性を問い直したり、アイデンティティーを再確立しようとしたりする傾向も出始め、その過程で悩み、事業転換するのもこの時期の特徴だと言える。

2.『自社の内なる異性との折り合いをつける時期』
多くの会社は、男性や女性が混在しているものだが、管理職や役員になると偏りがでる。女性管理職の割合は平均8.9%で、政府が2020年までの目標達成を掲げていた「指導的地位に占める女性の割合30%」は未達成となり、期日は「2020年代の早期達成」へ修正されるなど、女性活躍社会を実現する道筋には厳しさが続いている。人間の場合、心の底の無意識の領域には、生物学的な性別とは正反対の側面(男性の女らしさ、女性の男らしさ)も併せ持っており、総合的な人間性のバランスをとっているとされている。 会社組織の場合も同様で、男性管理職と女性管理職の割合が均衡することで、初めてバランスが取れていくのであろう。

 

自社が思い描いていたように事業展開できなかった背景として、自社のマインドの異性としての感情と結びつきやすい反面があるようだ。自社が “置き去りにしてきた部分のマインド” に関心が行き始め、そういった意味では自社の内面的な心の感情と統合していかなければならない部分が出始めていく。この成熟期に求められるのは多様性というキーワードだ。この時期に、軍隊のような官僚制組織から、各個人の多様性を重要視するネットワーク組織へと組織が変化していく。「官僚制組織」では「非人格化」された規則の順守による「支配」を本質とする。「ネットワーク組織」は「支配」ではなく、主観的側面での動機や態度を改変させる「協力・協調」なるものが、その本質的特徴と考えてよい。この「協力・協調」というものは、女性性が最も得意とするものであり、男性性が苦手とするものだ。自社の経営が男性性が強ければ強いほど、女性性に憧れ、虜になっていくのかもしれない。

 

この「協力・協調」というものをベースに人が集まると、自然に組織が出来上がっていく。それを「自己組織化」という。今までの官僚制組織の「支配」の下では考えられない現象なのだ。成熟期には、この「自己組織化」を群発させるような組織にしたいと、多くの会社が想うのであろう。能動的で、意欲的で、いちいち指示しなくても勝手に組織が出来上がっていくという状況は何ものにも変えがたいのだろう。

 

私たち人体でも、内蔵や心臓、細胞の一つひとつは「自己組織化」で動いている。そうでないと、いちいち「心臓動け」、「今食べた食事を消化しろ」と意識して命令を出さなければいけなくなって、うっかり心臓を打ち忘れたとか、息をし忘れたなんて事故が起こってしまうかもかもしれない。もうひとつ自己組織化でよく取り上げられる例は、集落化や都市化だ。ある場所を気に入った人が、そこで農業を始める。そうすると仲間が集まり、働き手が増える。人が増えるとその人達に向けたお店が立つようになる。収穫したものを運ぶ交通手段や取引先も増え、やがて大きな集落が形成され、そこに学校が建ち、子どもたちも増え大きな都市になっていく。

 

自己組織化には大きく分けて次の2種類のタイプがある。以下、こちらから抜粋

①受動的自己組織化

受動的自己組織化はエネルギーや物質の出入りがない、いわゆる閉鎖系(平衡系)で起こる自己組織化である。この系では初期条件に応じて、熱力学的に安定な構造が形成される。受動的自己組織化の例としては、結晶やミセル、液晶などが挙げられる。

 

②能動的自己組織化

能動的自己組織化はエネルギーや物質の供給がある、いわゆる開放系(非平衡系)で起こる自己組織化である。能動的自己組織化では、構成要素は常にエネルギーを消費しながら、多用な集合体を形成する。これらの集合体には、個々の構成要素の足し合わせでは考えられない機能(創発機能)が見られる。例えば、特定のリズムで起こる振動現象や、外部刺激などに応じた構造の最適化(自律応答性)、集合体内の一部が欠損しても他の構成要素が欠損部位を補う(自己修復)などの優れた特徴を持つのだ。雲や生物に至るまで自然界の多くのものが、この能動的自己組織化によって形成されている。

 

成熟期の会社組織も同様に、能動的自己組織化を目指していくことになる。それをティール組織と呼ぶ。その根本たるものは、「協力・協調」をベースに人間関係が出来上がることであり、男性性が偏った組織ではなかなか成立しないということなのだ。もちろん女性性が偏った組織でも難しい。男性性と女性性がバランス良く、管理職や役員数もバランス良く整った状態で初めて、ティール組織は成立するのだ。

 

 

この「支配」⇒「協力・協調」への企業理念の転換は、極めて難しい。何せ、男性社長であればこの「協力・協調」の意味を真に理解できないからだ。唯一、男性社長であっても、”波動レベル”が高く、波動レベル7や8というレベルであれば、理解できるのであろう。その波動レベルになると、”伝承”という発達課題をもクリアし、”統合”という発達課題に向かっている最中だ。”統合”という発達課題には、男性性と女性性の統合、陰と陽の統合、五行の統合、などのあらゆる統合に興味関心が行き、それらを実行しようとしている最中なのだから。それを会社組織でも同様に、統合しようとしていくのであろうから。

 

それゆえ、”波動レベル”という概念が成熟期には必須になってくる。この概念が理解できないと、各従業員や役員だけでなく、自分もが、今どのレベルなのであって、何を課題にしていくのであって、どんなことに取り組んでいけば良いのかがわからなくなるからだ。この”波動レベル”なる概念が理解できれば、成熟期における男性社長が女性性を統合し、ティール組織へと向かっていくことが可能になるのだから。

 

 

いかがであろうか。まずは、成熟期について見ているが、成熟期の「協力・協調」への理念の転換というハードルは相当に高い。さらに会社組織を、その理念に基づいて変化させていくと、官僚制組織からネットワーク組織へと変化していくことになる。このネットワーク組織をどうやってマネジメントするのだろう?と全く理解出来ない状況に陥るだろう。その時に、人体モデルがとても参考になるのだ。いかにして成熟期の第7段の課題である”伝承”を獲得するか、次回、より詳細を記載したい。

人生の後半戦について まとめ

今回は、組織の中盤戦から、いよいよ後半のレールに乗ることについて見ていきたい。

 

先まで、人生と同じように、組織も100年設計とすれば、目標設定や発達段階への対処が可能となり、100年設計するために組織の存在目的やマネジメントを今一度、すべての組織がやり直しを迫られていることを記載してきた。組織には、人生と同じで発達段階というものがある。エリク・エリクソンの発達段階モデルに沿って見てくととても良く当てはまるのであった。

 

○組織の発達段階

第1~3段:導入期①意志キャラクタに乗る(0~6年目)衝動型組織 ”自立”vs 罪悪感

第4段:導入期②表面キャラクタに乗る(7~12年目)順応型組織 ”勤勉性”vs 劣等感

第5段:導入期③本質キャラクタに乗る(13~19年目)達成型組織 ”自我確立”vs 自我拡散

第6段:成長期 グループに乗る(20~39年目)多元型組織 ”親密性”vs 孤独

第7段:成熟期 レールに乗る(40~64年目)進化型(ティール)組織 ”世代性(伝承)”vs 停滞

第8段:安定期 老年レールに乗る(65~84年目)分散型(ブロックチェーン)組織 ”統合性”vs 絶望

第9段:衰退期 全てを超越する(85年目~)個人の集合体組織 ”老年的超越”vs 死

 

組織の後半戦はというと、成熟期(40~64年目)だ。ここにしっかりと乗っていけるかどうかを見ていきたい。そのためにも、まずは、人生の中年期(40~64才)を見ることで、参考にしたいのだった。特に容易なケースである相生の関係に注目してみきたが、スムーズに乗り切れるパターンと、乗り切れずにもがき苦しむパターンを見てきた。これらの違いがほんのわずかなところにあり、それをやるのかやらないのかによって、大きく人生が変わっていくということを見てきた。

 

◆中年期(世代性 vs 停滞性)・・・ 導かれるものは「世話」
中年期とは、おおむね “結婚 ~ 子育て期” までの期間を示す。
◎この時期に克服が必要とされている“課題”は ・・・ 「世代性 vs 停滞性」
◎この時期に必要とされる “重要な出会い” は ・・・ 「仕事・家庭・子供や後輩達」

この時期に重要となるのは、上記のように、 “仕事・家庭・子供や後輩達との出会い” になる。「世代性」とは、 “次の世代” を育むという事に積極的に関与したり、関心を高めるというような意味があり、子供がいる家庭においては、自分の子供を育てると言う経験が当てはまる。職場などの場合では、後輩達の教育や伝承などが当てはまる。「家庭」の中での子育てはもとより、「職場」などを通じて、 “自分自身がこれまでに経てきたものや深めてきた事” を 「次の世代」 に託すといった意味が含まれていて、自分の経てきた事を身近な存在に伝承(指導したり・関心を占めす)することによって、親密な存在を自分たち自身でつくり出していきたいという心の育みの時期でもある。その過程の中では、自分を犠牲にしながら成長を援助してゆく場面も見られる。そうしながら育まれてゆくのは 「世話する心」 。

そして、子育ての完了を経て、生活スタイルはいよいよ 「家庭志向」 から、 「自分志向」 へ変化し始める時期でもある。「中年期」 には、今まで未解決だった 「課題」 が再現されやすくなっていく時期でもあり、そういったものと向き合うことで心が育まれ、次の段階への以降をスムーズに迎えられる。

☆解決が導くもの ・・・ 「世話」
→解決とは、その時期の葛藤を自分自身の心に統合化されていく事によって育まれていくもの
☆中核的な病理  ・・・  「拒否性」
☆心理、性的な段階と様式 ・・・ 子孫を生み出す/自分思考(自分にお金をかける)

 

 

◆中年の頃に停滞性というトラウマを避けるための解決方法:

新しいものは受け入れず、次世代の新しい風と交わろうともしない状態ではさらなる自身の成長は望めない。自分本位ではなく子どものため、部下のため、次世代の若者たちのために行動することを心がけ、惜しみなく知識を与えることがこの段階の獲得目標である「世話」につながる。

 

 

レールにしっかり乗っている状態になるには、その前段であるグループにしっかり乗れていることが必要。グループに乗れて初めてレールに乗れる。原因は、レールの乗り方を知らないから!知れば乗れる!

 

・レールを知る

この時期に 「世代性」 を持つには、自分自身が確立されていなければならない為、“自分を磨いたり、能力を高める為の努力”や“深み” を持っていないと、それを「次の世代」に託せなくなり、場合によっては、社会的にも 「停滞」 してしまう傾向がある。また、次の世代を育成することに関心を持てないでいたり、個人的にも満足感・充実感は得られにくく、それ以前に託そうとする意識も育まれにくくなる。それらは「職業的な意識」「社会的な意識」「家庭的な意識」、もっとも「個人的な意識」もそうかもしれない。そして、この時期には、 「中年の危機」 といわれるような問題が顕在化し始めていく。

 

「中年の危機」について、大きく2つの視点から考えてゆくと、
1.『いろいろな事に限界を感じ始める時期』
「体力の限界」「能力や可能性に対する限界」「若い頃描いていた理想像への限界」 等々、いろんな意味での限界を感じ始める時期となる。その為に、自分の人生を問い直したり、アイデンティティー(自己の同一化)を再確立しようとしたりする傾向も出始め、その過程で悩み、鬱などの症状を発症する事もこの時期の特徴だと言える。

2.『自分の内なる異性との折り合いをつける時期』
私たちの多くは、性別に基づいた男性性や女性性を発揮しながら生きているものだが、心の底の無意識の領域には、生物学的な性別とは正反対の側面(男性の女らしさ、女性の男らしさ)も併せ持っており、総合的な人間性のバランスをとっているとされている。 自分が思い描いていたように生きられなかった背景として、自分の心の中の異性としての感情と結びつきやすい反面があるようだ。自分が “置き去りにしてきた部分の生き方” に関心が行き始め、そういった意味では自分の内面的な心の感情と統合していかなければならない部分が出始めていく。男性が「男らしさ」にこだわった生き方を続けていると、反動で無意識に潜む女性性に振り回されることがあるのだ。この異性の暴走によって引き起こされる問題の一つが、魅力的な異性に心奪われてしまう「ミドルエイジの恋の罠」である。

 

「中年の危機」の症状の一つとして、アルコール依存症がある。アルコール依存症とは、

・孤独感

飲酒問題を何とかしたいと必死になっても、どうすることもできないで苦しんでいるのが、アルコール依存症の人である。ほどよく飲むことも止め続けることも、難しくなるからである。しかし、このことは家族には理解してもらえない。周囲の人は、仕事や家庭のことをまじめに考えているなら飲み過ぎることはないはずだとか、本当にやめる気があればやめられるはずだで片付けてしまう。アルコール依存症を病気だと思っていないのである。まじめになるだけで飲酒問題が消えるのであれば、医者も薬もいらないことになる。断酒会などに行けば、このような孤独感は一掃される。同じ経験をした人達ばかりなので、すぐにわかってもらえるのである。


・自分が情けなくなる

アルコール依存症が進行すると、飲むこと以外のことが何もできなくなる。何をやっても飲酒のためにうまくいかなくなり、自分だけが、ほかの人と違ってみじめな人生を歩んでいるように感じる。特にアルコールが切れてきたときには、何とも言えない情けない気分になりやすい。飲酒すると、一時的ではあるが、こういう気持ちは一掃される。飲み過ぎさえしなければ、もっといい人生を送れたはずだと思う反面、このなんとも情けない気持ちを、解決してくれるのは酒だけであり、俺から酒をとったら何が残るだろうかと考えてしまう。そして、酒を手放すことがひどく恐ろしいことのように感じるのである。しかし、飲酒によって一時の解決を図っても、そのアルコールが切れてくると、また同じ状態になるという悪循環を繰り返すことになる。この悪循環を断ち切らなければ、アルコール依存症を治すことはできない。


・他人の攻撃をする

酒のためにどうにもならなくなっている自分のことは棚に上げて、他人の欠点に目をつけて、それを攻撃しようとする。身近にいて、自分より弱い人を攻撃の対象にしやすい。たとえば妻に対して、掃除の仕方がなっていない、料理がまずい、顔が気に入らない、いるだけで腹が立つなどという。まわりが気に入らなくて、いらいらしているときは、本当は思い通りにいかない自分に腹を立てているのだということに気づいた方がよい。

 

このような「中年期の危機」に陥らないよう、「停滞性」の課題を解消するためには、次の3つの能力が求められる。

1.選択し、決定する能力

2.将来設計をたてる能力

3.自分以外の人が持つ欲求を理解する能力

エリクソンによれば、人間40歳の坂を越せば、もはや仕事や家庭を極めるだけでは幸せになれず、自分の子供たちを含め、若い世代の成長をサポートすることで得られる充実感も心の健康を保つうえで必要になってくる。それには上記の3つの能力は欠かせず、1つ1つを磨いていく必要があるという。

 

また、多くの人は20代、30代といった若い頃には、「男or女としての自信」を確立するために、競争社会の中で生存できる力や闘争的な力を鍛え上げることに注力するものである。ところが自分の内面に目を向ける中年期に入ると、それだけでは人生の後半生を渡っていけないことに心の深い部分でうっすらと感じるようになる。そこで、無意識の中に潜んでいるもう一つの自分らしさである「異性」に直面し、異性の心の機能に関心を持つようになる。

 

例えば、女性ならば、家庭生活においては、女性らしい優しさや感性こそ、夫婦関係や子育てには必要なものである。それなのに、男性的なルールや理屈で家族を縛りつけたり、合理性を追求していくことで、家庭から安らぎが消えてしまうことも少なくない。頑張れば頑張るほど煙たがられ、敬遠される。とはいえ、そうした「いばらの道」を歩みながらも、男性性に目覚めた女性は、中途半端にその道を降りることができず、突き進むしかない。男性性は、甘えや妥協を許してはくれないからである。しかし、男性性の段階を昇り切り、強さと知性を身につけた女性には、真の充実感と満足が待っている。苦境の末に人生を洞察する力を得れば、“女は女らしく”、“男に負けない”といった偏狭な価値観に留まらず、女性的な面も男性的な面も統合した深い人間性を築くことができるからである。こうして、男性性と女性性を統合させ、深い人間性を完成させていくこと、このプロセスが中年期に行うべき課題の一つなのだと、ユング心理学では伝えられている。

 

 

一方、人生の方向性がグループからレールへと変わる時期でもある。レールは宿命とも呼ばれ、その先は“生涯目標”へとつながってると解釈する。生涯目標が使命で、レールはその道で宿命と呼ぶ。それゆえ、しっかりとレールにのり、生涯目標に向かっていければ人生が充実してくる。その際、グループ⇒レールへのジャンプというハードル(相生、相剋、比和により異なる)はある!

 

 

先までグループ⇒レールに乗るという事例を多数見てきた。例えば、レールが火(陽)である場合を見てみよう。松阪慶子さんの場合だ。

レールが火(陽)の松坂慶子さんの場合、個性:”病”、グループ:火(陰)、レール:火(陽)という3Dであるが、日本人という戸籍に拘り、あそこまで大女優になったにも関わらず、人生を楽しめなかった。大女優になったのも、体を張って、気を張って、必死でもがき苦しんで掴み取ったという感じ。決して楽しくて、個性を創り上げて、喜びの元で女優になったわけではなかった。ここが火(陽)に乗れない最大のポイント。しかし男性性と女性性の統合は上手くいってる様子!

 

1993年に出版された両親の著書『娘・松坂慶子への「遺言」』で公表された事実だが、母には実は戸籍が無く、韓国人の戸籍を借り、母は本当は日本人なのに韓国人ということになっていた。父も日本名を名乗っていたが国籍は韓国のまま、つまり慶子も韓国籍であった。知人の力を借りて法務省と交渉した結果、1964年に母の戸籍が回復し、母の戸籍に入れたことにより日本国籍となった。このようなエピソードがあるほど、戸籍に拘り、ずっと引け目を感じて生きていた様子。

 

以後、どのような気持ちになったかというと、

・必死で有名になって認められたい!→ 人に認めてもらえていないというトラウマが大きくあり、のんびり自然体などとんでもない!死にもの狂いで芸能界で生き延びてきた。

・両親との確執! → 夫はギタリストで高内春彦さん。両親は結婚に猛反対したが、慶子さんは押し切って結婚。今では二人の娘さん(26歳、24歳)がいるが何度も離婚危機を乗り越えて今に至る。母は要介護3の状態で、慶子さんは日々介護と女優業を必死で両立させている。  

 

これは火(陽)に乗れなくなったパターン。これを解消するために、仕事をセーブして母の面倒を見たり、娘の面倒を見たりする。母は要介護3で面倒を見なければならない。娘二人はハワイに在住しており、慶子も近年までハワイに在住しており、今は日本に戻っている。ハワイでフラダンスをするのが楽しい!とフラダンスのDVDを発売するほど!将来は、ハワイでゆっくり定住してBBQでしながら楽しく過ごすことが夢だそう。まさしく火(陽)らしい!

 

松坂慶子アイスランド紀行~オーロラを求めて絶景の大地へ~が2017年3月にNHKで放送された。女優・松坂慶子が絶景の大地・アイスランドを巡る旅!祈願のオーロラに出逢えるか!?というような企画であったが、なんとも楽しそうである。このような仕事を優先していけば、徐々に火(陽)に乗れてくるのかもしれない。

 

 

いかがであろうか。このように、第6段:成人期⇒ 第7段:中年期への移行は、極めて深度が高く、難易度が極めて高い段階なのだ。男性性・女性性の統合に加えて、限界を突破するという気概も必要となる。それらが出来て初めて、”世代性(伝承)”が獲得出来るのであり、限界を少しでも感じてしまったらもう世代性(伝承)の獲得が困難になってしまうのだ。それほどまでに、この第7段への移行というのは難しい段階なのだ。

 

これを組織について当てはめても、実は同じ事が言える。第6段:多元型(フラット型)の組織から、第7段:進化型(ティール)の組織への移行は、極めて難易度が高い。何せ、自分以外の人が持つ欲求を満たしていき、男性性も女性性も統合し、さらに限界をも突破していかねばならないのだから。ティール組織は、自己満足的な組織では成立し得ない。自社以外の様々な利害関係者をも巻き込んで、それらの関係者をことごとく満足させていくことが求められる。それには技術の伝承やノウハウの伝承をも進んで行っていかねばならない。さらには方向性も男性的でもあり女性的でもある、両面を統合したような方向性へと向かう必要があり、さらには今の現状を突破するような気概も必要となる。これらが全て揃って初めて、ティール組織は実現するということだ。

 

このことについて、次回以降、詳しく見ていきたい。

 

人生の後半戦である中年期について 土(陰)⇒火(陰)

今回も、組織の中盤戦からいよいよ後半戦のレールに乗ることについて見ていきたい。

 

先まで、人生と同じように、組織も100年設計とすれば、目標設定や発達段階への対処が可能となり、100年設計するために組織の存在目的やマネジメントを今一度、すべての組織がやり直しを迫られていることを記載してきた。組織には、人生と同じで発達段階というものがある。エリク・エリクソンの発達段階モデルに沿って見てくととても良く当てはまるのであった。

 

○組織の発達段階

第1~3段:導入期①意志キャラクタに乗る(0~6年目)衝動型組織 ”自立”vs 罪悪感

第4段:導入期②表面キャラクタに乗る(7~12年目)順応型組織 ”勤勉性”vs 劣等感

第5段:導入期③本質キャラクタに乗る(13~19年目)達成型組織 ”自我確立”vs 自我拡散

第6段:成長期 グループに乗る(20~39年目)多元型組織 ”親密性”vs 孤独

第7段:成熟期 レールに乗る(40~64年目)進化型(ティール)組織 ”世代性(伝承)”vs 停滞

第8段:安定期 老年レールに乗る(65~84年目)分散型(ブロックチェーン)組織 ”統合性”vs 絶望

第9段:衰退期 全てを超越する(85年目~)個人の集合体組織 ”老年的超越”vs 死

 

組織の後半戦はというと、成熟期(40~64年目)だ。ここにしっかりと乗っていけるかどうかを見ていきたい。そのためにも、今一度、人生の中年期(40~64才)を見ることで、参考にしたい。特に移行しやすいケースである相生の関係に注目してみたい。というのも、先に人生の後半戦で相剋の関係については見てきた。相剋の関係は高い壁ということで、どうやって乗っていけば良いのか?というのを見てきたが、相生の関係はスムーズに乗れるはずであり、乗れないのなら何かが悪いということだ。その何かがとても分かり安いので、極めて参考になるということだ。

 

 

例: 相田 みつを  個性:”胎”、グループ:土(陰)、レール:火(陰)の場合

①ホップ:生家は鑁阿寺(ばんなじ)の東に位置していた。旧制栃木県立足利中学校在学中に書や短歌、絵に親しみ、卒業後は歌人・山下陸奥に師事した。1942年、歌会で生涯の師となる曹洞宗高福寺の武井哲応と出会い、在家しながら禅を学ぶ。

②ステップ:1943年、書家を志して岩沢渓石に師事、本格的に書の修行を積んだ。1953年3月、関東短期大学夜間部国文科卒業。相田は書の最高峰のひとつとされる毎日書道展に1954年から7年連続

 入選するなど、技巧派の書家として出発した。

③ジャンプ(臨界点):1974年、教えを受けていた紀野一義のベストセラー『生きるのが下手な人へ』で紹介され、さらに1984年、詩集『にんげんだもの』出版が契機となり、広く知られるようになった。『にんげんだもの』はその後ミリオンセラーとなり、つづく第2詩集の『おかげさん』(1987年)も約25万部のベストセラー、地位を確立した。詩人の杉山平一は「相田みつをを詩人として認めるべき」であり「大勢の人に相田作品が読まれている現実を、無視するわけにはいかないでしょう。むしろ詩人は、独りよがりになりすぎた現代詩の反省材料として、相田ブームを見るべきではないか」と述べる。

④着地:作品に対して妥協を許さず、「逢」というたった一文字を書くために何百枚何千枚と紙を使用したり、印刷のわずかなズレや墨の色の微妙な違いから印刷済みの色紙千枚がボツになったこともあったという。挫折を乗り越えてつくりあげられた作品には自らの実生活が重ね合わされているのが特徴である。作家の立松和平は相田を「思想の語り部」と評し、「難しい言葉を一つも語らないで、仏教の根本的な哲理のようなものを語ってしまう。そして、それを読んだ人に『なにかが残る』んですね。残る――ということは、その先の世界があるということです」と語った。

⑤立上がる:1991年、道でころんで足を骨折し、足利市内の整形外科に入院したが、脳内出血と診断され、それが原因となり急逝。最期まで仕事への意欲は衰えず、「一文字を書いた大作だけを集めた展覧会を開きたい」というのが、長男・一人との最期の会話になった。67歳没。

 

 

例: 美川 憲一  個性:”墓”、グループ:土(陰)、レール:火(陰)の場合

①ホップ:古賀政男の指導を受け、1965年、「だけどだけどだけど」で歌手デビュー。デビューは青春歌謡路線であり、当時は男装・美少年キャラクターであった。芸名の「美川」は岐阜県を流れる木曽川揖斐川長良川の3つの美しい川にちなむ。

②ステップ:1966年、北海道出身で、柳ヶ瀬で流しをしていた宇佐英雄が作詞・作曲した「柳ヶ瀬ブルース」が120万枚を売り上げるヒット。この曲のヒットにより美川はムード歌謡・演歌路線へとシフトを変えていくこととなる。

③ジャンプ(臨界点):1972年、「さそり座の女」が発売される。9.7万枚を売り上げるヒット曲となり当時の星占いブームのきっかけとなった。「さそり座の女」以降は目立ったヒット曲がなく1974年の『第25回NHK紅白歌合戦』まで7年連続で紅白に出演していたが、翌1975年の『第26回NHK紅白歌合戦』で落選。 

④着地:1977年に「駅」が発売された。ドラマのエンディングに使用されたこともあり発売後は有線リクエストでも上位にランキングされ美川にとって久々のヒット曲になるかと言われたが、この年の10月に大麻取締法違反で逮捕され、起訴猶予となったが、その後もヒットに結びつくことはなかった。
⑤立上がれず:1980年代終盤、ものまねブームのさなか、ものまねタレントの第一人者であるコロッケによる美川のマネがうけ、1989年正月に放送された『オールスター爆笑ものまね紅白歌合戦!!』でコロッケと初めて共演をした。これは男性タレントとしては曲の途中でサプライズで登場する「ご本人登場」の第1号であった。この時の出演が大きな反響を呼び美川の人気が復活するきっかけとなった。またNHK紅白歌合戦には、復帰出演の1991年から2009年まで19年連続出場(通算では26回出場)し、小林幸子との派手な衣装対決で毎年話題を集めた。

 

 

ここで何に気付いたかというと、相田みつをさんはしっかり火(陰)に乗れているなあ!と感じる。一方、美川 憲一さんはやっぱ火(陰)には乗れていないなあと感じる。この違いが何か?そう、火(陰)に乗るためには先に土(陰)に乗って、土(陰)からジャンプして火(陰)に乗る。そして土(陰)⇒火(陰)は、相生の関係ゆえに乗りやすい軸である。
 
相田みつをさんは、書の最高峰のひとつとされる毎日書道展に1954年から7年連続入選するなど技巧派の書家として出発し、詩集『にんげんだもの』出版が契機となり、つづく第2詩集の『おかげさん』も約25万部のベストセラーとなり地位を確立した。コツコツと文字を書き続けてきた結果であり土(陰)らしい。ここから火(陰)に移行していくのだが、作品に対して妥協を許さず、「逢」というたった一文字を書くために何百枚何千枚と紙を使用したり、印刷のわずかなズレや墨の色の微妙な違いから印刷済みの色紙千枚がボツになったこともあったという。ここまでくるともはや職人を越えて達人であり、挫折を乗り越えてつくりあげられた作品には自らの実生活が重ね合わされているのが特徴で、とにかく心に響く。作家の立松和平さんも、「難しい言葉を一つも語らないで、仏教の根本的な哲理のようなものを語ってしまう。そして、それを読んだ人に『なにかが残る』んですね。」と語るほど、とにかく心に残る。火(陰)らしい情熱が作品に込められているためである。

そこが美川憲一さんと大きな違いで、美川さんは最初はコツコツと登りつめて紅白歌合戦に7年連続出場などする大物歌手であった。しかし、大麻取締法違反で逮捕されてから地に落ちていく。落ち切ってボロボロになっている時にものまね大者・コロッケにものまねされて以来、復活をとげる!復帰して以来、紅白歌合戦に1991年から2009年まで19年連続出場(通算では26回出場)し、小林幸子との派手な衣装対決で毎年話題を集めるほどになったのは土(陰)の地道な努力の賜であろう。しかし、火(陰)はどうしても移行できなかった。理由は19年連続で紅白歌合戦に出場しているにもかかわらず、曲は、さそり座の女、という代表曲を何度も歌ったり、新たに曲を情熱をもって創り出していったわけではなかった。さらに、ずっと後ろめたさを引きずっており、新たな芸術にチャレンジするという意欲も見せていない。これではなかなか火(陰)には乗れない。火(陰)とは情熱!情熱をもって自分の好きな事にチャレンジする熱い熱い心であるから。

ただ、言えることは、二人ともしっかりと土(陰)には乗れている!コツコツと地道にスキルを高めて息の長い活動をしているところはまさに土(陰)!そのため込んだスキルを活かして火(陰)へジャンプしたいが、このジャンプもそこまでハードルは高くないハズである。もう既にあるスキルを何か自分がチャレンジしたい分野に集中させ、情熱を注ぐだけでよい!この情熱が湧いてくる分野が見つかっていればの話だが。自分を知って、内に秘めたる情熱を、いざ開放する時なのだ!

 

 

いかがであろうか。今回は、人生の後半戦であるレールに乗るということについて見ていきたいのだが、相生の関係は、人生の後半戦であるレールと補完関係であるため、グループ⇒レールというハードルが低いということになる。その分、しっかりとグループに乗っていないと、レールに乗れないということになってしまうので、要注意なのだ。このことをしっかりと理解して、きちんとグループの時期から乗っていくことを目指してほしい。

人生の後半戦である中年期について 金(陽)⇒水(陰)

今回も、組織の中盤戦からいよいよ後半戦のレールに乗ることについて見ていきたい。

 

先まで、人生と同じように、組織も100年設計とすれば、目標設定や発達段階への対処が可能となり、100年設計するために組織の存在目的やマネジメントを今一度、すべての組織がやり直しを迫られていることを記載してきた。組織には、人生と同じで発達段階というものがある。エリク・エリクソンの発達段階モデルに沿って見てくととても良く当てはまるのであった。

 

○組織の発達段階

第1~3段:導入期①意志キャラクタに乗る(0~6年目)衝動型組織 ”自立”vs 罪悪感

第4段:導入期②表面キャラクタに乗る(7~12年目)順応型組織 ”勤勉性”vs 劣等感

第5段:導入期③本質キャラクタに乗る(13~19年目)達成型組織 ”自我確立”vs 自我拡散

第6段:成長期 グループに乗る(20~39年目)多元型組織 ”親密性”vs 孤独

第7段:成熟期 レールに乗る(40~64年目)進化型(ティール)組織 ”世代性(伝承)”vs 停滞

第8段:安定期 老年レールに乗る(65~84年目)分散型(ブロックチェーン)組織 ”統合性”vs 絶望

第9段:衰退期 全てを超越する(85年目~)個人の集合体組織 ”老年的超越”vs 死

 

組織の後半戦はというと、成熟期(40~64年目)だ。ここにしっかりと乗っていけるかどうかを見ていきたい。そのためにも、今一度、人生の中年期(40~64才)を見ることで、参考にしたい。特に移行しやすいケースである相生の関係に注目してみたい。というのも、先に人生の後半戦で相剋の関係については見てきた。相剋の関係は高い壁ということで、どうやって乗っていけば良いのか?というのを見てきたが、相生の関係はスムーズに乗れるはずであり、乗れないのなら何かが悪いということだ。その何かがとても分かり安いので、極めて参考になるということだ。

 

例: 斉藤 一人  個性:建禄、グループ:金(陽)、レール:水(陰)の場合

①ホップ:東京都江戸川区小岩生まれ。キリスト教系の幼稚園を経て、江戸川区立西小松川小学校・江戸川区立松江第二中学校卒業後、さまざまな職を経験。1970年頃から漢方茶の販売を開始。その後、漢方をベースにした化粧品や健康食品の開発に着手し、銀座日本漢方研究所(現・銀座まるかん)を創業する。

②ステップ:1980年代のバブルで一気に資産を増やし、1990年代のバブル崩壊後は他が落ちていく中、斉藤一人さんは逆にさらに登っていく。そして1997年に長者番付1位となる。バブル崩壊でも登って行った理由として次のように言う。『私ね、動いてないと駄目なんです。それともうひとつ。お客さんつのは、事務所の中にいないんです。事務所の外にいるんです。で、お客さんをいつも見てたり、直にその人達に触れてないとカンが鈍っちゃうんです。だから、ほとんどの仕事を車の中でするし歩いてするし、地方に行ったときの人の顔の、肌の色見たり、色んなもの見てると、そういう人たちがホントにほしがっているものが分かるんです』と。

③ジャンプ(臨界点):2000年代に入ると、観音信仰と経営体験に基づいた独自の人生観を持ち、それらを論じた人生訓・自己啓発に関する関連書籍などを出版するようになる。お金にまつわる話として、『労働している殆どの人は、労働以外でお金が入ってくることをいけない事だとおもってるんだよね。そうすると労働だけになっちゃうんだよ。わかるかい?俺はお金いっぱいもらえたんだよ、ちっちゃい時から。なぜかって本当に可愛かったんだよ。それおっきいんだよ。働かないでお小遣いばっかし貰ってる人も社会で通用しないんだよ。働いた分だけしか全く収入はないと貧しくなっちゃうんだよ。で、逆にいうと上手く収入が入ってくる人を見ると腹立てるようになっちゃうんだよ。腹立てると天に向かって、世間に向かっても許せない波動を出すんだよ。』

④着地:講演やったりCD出したりするのが一番、出版よりよっぽどお金になるとのことで、積極的に講演、CD出版、さらにはYouTubeでの音声配信を行うようになる。名言として、『社長になれば、自分ができることでも出来ないふりしなきゃいけないんだよ。それね、花持たせるっつーんだよ。これは俺のが上手いんだとかって、それじゃあ相手が型なしになっちゃうんだよ。できることでも出来ないふりして、お前すごいなって言ってるうちに、だんだんだんだんこうやって相手がうまくなってくんだよな。わかるかい?やっぱ心のゆとりつーのがないとダメなの。』

⑤立上がる:高額納税者公示制度(長者番付)12年間連続10位以内の実績あり。実質手取り額で日本一。2001年までに納めた税金は国税だけで138億1910万円。総資産200億円、平均年収は30億円。日本トップクラスの大富豪となる。

 

 

例: 高田 純次  個性:”死”、グループ:金(陽)、レール:水(陰)の場合

①ホップ:4歳の時、母親が32歳で病没した後、東京ガス勤務の父親とその再婚相手のいる家庭で育つ。東京ガスや弁護士などを志し、現役で明治大学青山学院大学・法政大学・中央大学を受けるが全て不合格となる。そして、東京デザイナー学院グラフィックデザイン科へ進学。

②ステップ:1971年、自由劇場の舞台を見て俳優を志願。同劇団に入団し研究生となる。1年で退団し、イッセー尾形とともに劇団「うでくらべ」を結成するが、半年ほどで解散。その後結婚したが、劇団の収入では生活できないこともあり、26歳の時に宝石販売会社「トキモト」に入社した。1977年に「劇団東京乾電池」に入団。サラリーマン生活を捨て、再び劇団の世界へ入ったものの、当初は売れず。妻子を養うために警察に捕まるようなこと以外の職は、一通りやったと。

③ジャンプ(臨界点):テレビデビューは32歳の時で、『笑点』にてコントを披露した。その後、同劇団の綾田俊樹ベンガルらと共に『笑ってる場合ですよ!』に出演し、番組内コーナー「日刊乾電池ニュース」で土用波三助と称して出演し一躍知名度を上げる。

④着地:1988年に出演した中外製薬グロンサン」のCMが話題になり、CMのキャッチコピー「5時から男」で新語・流行語大賞の「流行語部門・大衆賞」を受賞。1990年代には、『象印クイズヒントでピント』、『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』など多くのクイズ番組に解答者として出演した。

⑤立上がれず:2000年代に入り、還暦を過ぎた今でもその特異なキャラクターでバラエティ、ドラマなど数多くのテレビ番組で活躍し、コアな人気を博している。本業は俳優だがコメディアンとしての側面が強い。各方面から「平成の無責任男」「芸能界一いい加減な男」「元祖テキトー男」などと称される。

 

 

ここで何に気付いたかというと、斉藤一人さんはしっかり水(陰)に乗れているなあ!と感じる。一方、高田純次さんはやっぱり水(陰)には乗れていないなあと感じる。この違いが何か?そう、水(陰)に乗るためには先に金(陽)に乗って、金(陽)からジャンプして水(陰)に乗っていく。その金(陽)にまず乗れているか?ということになる。

斉藤一人さんは銀座まるかんを創業後、バブルの影響もあるが、資産を増やし続ける。その要因としては、徹底した現場主義の思想。『お客さんつのは、事務所の中にいないんです。事務所の外にいるんです。また、お客さんをいつも見てたり、直にその人達に触れてないとカンが鈍っちゃうんです。 』という考えが、漢方薬局の商売と見事にマッチしたため。動いてないとダメという斉藤一人さんは、大の車好き。車で日本全国を移動し、1日10時間も車を運転することも全く苦にならず、仕事も基本は、車の中や歩いている時に指示を出していたと。半端ない移動距離であったところは、金(陽)らしい。しっかり金(陽)に乗っている!

 

ここから一気に水(陰)に移行していくが、その人徳を発揮し、2000年代からは出版、講演などを積極的にこなし、長者番付12年連続トップ10入りという前人未到の記録を打ち立てる。持論は、税金と言うものは出す方!うんちと一緒で、出すものをしっかり出さないと入ってこない。便秘では食べ物を沢山食べれないでしょ!しっかり納税して、しっかり稼ぐスタイルは全国民の憧れとなる!

そこが高田純次さんと大きな違いで、高田純次さんは大学はすべて落ち、劇団員はやったり辞めたりを繰り返し、サラリーマンもすぐやめるなどして幾つもの職種を経験した。自分を“ダメ人間“だと強く思っており、最終的には、”5時から男”、“平成ダメ人間”の異名を取るほど。斉藤一人さんが言う、すべての人は価値がある!価値が無いと刷り込んだのは親だという話と真逆な生き方をしていた。価値があり、自分は素晴らしい、自分は可愛いとおもっているから臨時収入なんかも入っても、ありがとう!って受け取れる。そして他人がそうなっているのをみても、良かったね!と思える。逆にそう思えないから貧しくなるんだ!という斉藤一人理論と逆行していることが一番大きな要因かと思える。

 

ただすごいのは、“平成ダメ人間”という異名で、そのままブレイクしていくところが、さすが金(陽)である。そのままダメっぷりを発揮し、クイズ番組では珍解答を連発し、ダメキャラを確立していくところは金(陽)らしい。そして徐々に水(陰)に移行していくはずだが、この水(陰)に移行できずに苦しむ。なぜ移行できないかと言うと、自分をダメだと思っているから!

 

水(陰)の本質は探究心!これでもかと、調べたおすのが水(陰)であり、徹底的に本や文献、ネットなど、あらゆる情報を調べつくすことに喜びを感じる。その根本にあるのが、自信であり慈悲心である。自分に自信があり、自分が調べたものを人に教える!というのが基本スタンス。この自信が喪失してしまうと、探求心も生まれない。まずは自分に価値がある!と思う事が、自信の源になるので、しっかり価値を感じる事。

逆に金(陽)は、自信というよりも、信念という言葉が似合う。信念を貫き通し、突き進むことに喜びを感じる。この信念というのは、他と比較せず、他をあまり意識せず、自分とつながり、その道を真っ直ぐ突き進んでいくこと。一方、自信とは、相手を見て、自分であればできるのかもと、人を意識するスタンスが強い。だから水(陰)は慈悲深いという相手を意識したキーワードが多いんだなあとつくづく感じる。金(陽)のように、相手がどう思おうが関係ない!自分は“平成のダメ人間”でええんや!それで売っていく!と突っ走る金(陽)を、水(陰)の人間は羨ましく思うかもしれない。

 

金(陽)⇒水(陰)は、信念⇒自信への移行ともいえる。ゆるぎない信念を勝ち取っていないと、水(陰)に移行したとたんに、金(陽)が羨ましく思えて逆戻りしてしまい、水(陰)に乗れないという事態になる。斉藤一人さんは上手に水(陰)に乗れたいい例だとつくづく感じる。

 

いかがであろうか。今回は、人生の後半戦であるレールに乗るということについて見ていきたいのだが、相生の関係は、人生の後半戦であるレールと補完関係であるため、グループ⇒レールというハードルが低いということになる。その分、しっかりとグループに乗っていないと、レールに乗れないということになってしまうので、要注意なのだ。このことをしっかりと理解して、きちんとグループの時期から乗っていくことを目指してほしい。